ガー・ナックト
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ガー・ナックトは、惑星トランドーシャ出身のトランドーシャンである。クローン大戦中、彼は貨物艇<ヴァルチャー・クロウ>を所有していた。彼はこの戦争の二大勢力、すなわち独立星系連合と銀河共和国のいずれかに売却できるお宝を求めて、戦いの後に残された残骸や廃品を漁る廃品回収者だった。ナックト自身はこの戦争でいずれの組織にも味方していなかったが、連合側と多数の取引実績があり、特に連合の立法部門である分離主義評議会のメンバー、ワット・タンバーと関わることが多かった。ライバルであるクーリヴァーのパッセル・アージェンテがナックトからスパイ・ドロイドの購入を計画していることを知ったタンバーは、このトランドーシャンを買収し、代わりに自分が細工を加えたスパイ・ドロイドをアージェンテに売却させようとしていたのだ。またボサウイの戦い後、ナックトは宇宙空間を漂う多数の宇宙船の残骸の中からジェダイ・ナイト・アナキン・スカイウォーカーの所有するアストロメク・ドロイド、R2-D2を発見する。ナックトはこのドロイドを独立星系連合のグリーヴァス将軍に売却しようと考えたのだった。
その後、戦場で<ヴァルチャー・クロウ>を見かけたアナキン・スカイウォーカーとそのパダワン・アソーカ・タノが、行方不明のR2-D2を探すため船内に乗り込んできた。廃品業者は彼らから目当てのドロイドを隠し、この戦いの跡からはアストロメク・ドロイドは見つかっていないと告げる。スカイウォーカーとタノも探しているドロイドはいないと判断し、船を立ち去った。そして、アージェンテがタンバーに対するスパイ・ドロイドを購入するため<ヴァルチャー・クロウ>を訪れると、ナックトは彼にタンバーが細工を行ったドロイドを売却し、両者からクレジットを受け取った。その後、ナックトはR2-D2をグリーヴァスに譲るため、分離主義勢力の情報収集基地スカイトップ・ステーションへと向かったのだった。ステーションに到着したトランドーシャンは、グリーヴァスからドロイドを分解し、内部に蓄積された情報をすべて取り出すよう指示される。しかし、ナックトはこのドロイドに当初想定していた以上に多くの重要な情報が詰まっていることに気づき、グリーヴァスに価格の上乗せを要求したのだった。これが癇に障ったグリーヴァスは、ナックトを背後からライトセイバーで突き差し、強欲なトランドーシャンを殺害したのである。
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経歴
廃品回収業者
ガー・ナックトは惑星トランドーシャ出身のトランドーシャンの廃品回収業者である。クローン大戦中、レベル5のドロイド・プログラマーでもあった彼は、GS-100廃品回収船<ヴァルチャー・クロウ>で売却可能な品物を探すため、戦いの跡に残された瓦礫の山を漁っていたのだった。ナックトはこの戦争で銀河共和国にも独立星系連合にも加担せず、どれだけ多くのクレジットを手にすることができるかだけを考えていた。そのため、彼は回収品を最も高額を提示してくれた相手に売却していたのである。また、彼は銀河中から拾い集めた多数のドロイドを保持しており、その中には数体のIG-86歩哨ドロイドも含まれていた。彼はコルサントの酒場で始めた戦いで右目を負傷しており、それが原因で顔が非対称となってしまったのだった。
ヤヴィンの戦いのおよそ21年前、ナックトはコルサントの食堂、デックス・ダイナを訪れた。彼はそこで、イクトーチィが最近行われた銀河元老院への攻撃について話していることに気づき、彼の話に聞き耳を立てていた。その後、食堂のオーナー、デクスター・ジェッスターと話をするためにジェダイ・パダワンが現れると、ナックトはわずかなクレジットと引き換えにパダワンに手助けを申し出たのである。パダワンは了承し、ナックトに、元老院の攻撃について何か知っていないかと訪ねた。そしてトランドーシャンはパダワンに、賭博施設アウトランダー・クラブにいる情報ブローカー、コロ・ファービンに会いに行けと告げたのだった。
クローン大戦中、ナックトはダーク・アコライト・アサージ・ヴェントレスに惑星タトゥイーンまでの移動手段を提供したことがあった。彼女はそこで分離主義勢力のマー・トゥーク大佐と会い、彼と共にケイト・ニモイディアへ向かったのである。その後、ジェダイ・ナイトがヴェントレスに関する情報を求めてナックトを捜索した。ジェダイは彼の行動を知り、トゥークを尋問するためケイト・ニモイディアへと向かったのである。
またあるとき、この廃品業者はテクノ・ユニオンのワット・タンバー会長から接触を受けた。タンバーはナックトを買収し、敵対している企業同盟のパッセル・アージェンテ監督官に自分のスパイ・ドロイドを売るよう依頼してきたのである。トランドーシャンはこれを承知し、アージェンテにタンバーから受け取ったプロトコル・ドロイドを売却すると約束した。アージェンテにはこのドロイドのプログラムの正体など知るはずもないが、このドロイドは彼を常に監視し、すべての行動をタンバーに報告することになるのだ。
アストロメク・ドロイドの回収
銀河共和国による惑星ボサウイの防衛戦の最中、ジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーは彼のアストロメク・ドロイド、R2-D2を失ってしまった。このアストロメクは独立星系連合にとって極めて重要となる、共和国の戦闘計画、編隊、基地に関する情報を保持していたのである。戦闘後の瓦礫を捜索していたガー・ナックトは、R2-D2を発見し、このドロイドを<ヴァルチャー・クロウ>に収容した。そして船内で、彼はこのアストロメク・ドロイドが記録している情報を発見し、連合軍最高司令官、グリーヴァス将軍に売却しようと決めたのだった。
アナキン・スカイウォーカーとそのパダワン・アソーカ・タノは、ボサウイ小惑星帯で行方不明のアストロメクを捜索していた。2人のジェダイは付近を物色している<ヴァルチャー・クロウ>を発見し、船内に乗り込む。ナックトはスカイウォーカーのドロイドを隠し、代わりにジェダイたちを船内の別の部屋に案内したのだった。スカイウォーカーとタノは船内を捜索するがR2-D2は見つからず、襲い掛かってきたナックトのIG-86歩哨ドロイドと戦闘になり、それらを破壊した。やがて2人はドロイドは船内にいないと判断し、船を離れるが、ナックトはジェダイのせいで被った被害に怒り心頭だった。彼は早速グリーヴァス将軍に連絡を取り、支払いを受けるため将軍のいる分離主義勢力の情報収集基地、スカイトップ・ステーションへR2-D2を届けること承知したのである。
スカイウォーカーとタノが船を離れると、パッセル・アージェンテ監督官が<ヴァルチャー・クロウ>を訪れた。アージェンテはナックトにクレジットを渡し、この私的な会合について誰にも喋らないようにと口止めする。ナックトが了承すると、アージェンテはワット・タンバーをスパイするドロイドが欲しいと依頼してきた。彼曰く、テクノ・ユニオンの会長が何かを企んでいるというのだ。当初、アージェンテはR2-D2を購入しようとしたが、廃品業者はこの共和国のドロイドは非売品だと告げる。ナックトは代わりにタンバーから受け取った特別なRA-7プロトコル・ドロイドを勧め、アージェンテはそれを購入して去っていったのだった。そしてクーリヴァーが離れると、トランドーシャンはタンバーに連絡し、任務の完了を報告する。その後、タンバーはナックトの口座に報酬のクレジットを振り込んだのだった。
スカイトップ・ステーション
スカイトップ・ステーションへ向かう途中、R2-D2は<ヴァルチャー・クロウ>からの脱走を試みた。自力で行動規制ボルトを取り外し、自由になったR2-D2は、彼を見張っていたIG-86歩哨ドロイドを宇宙空間に放り出す。だが寝ていた廃品業者が目を覚まし、間一髪のところでR2を再回収すると、再び監禁部屋に連れ戻したのだった。また、R2ユニットはスカイウォーカーに連絡をとって現在位置を送信しようともしたが、またしてもナックトに気づかれてしまい、イオン・プロッドで苦しめられたのだった。
グリーヴァスとの会合地点に到着後、将軍はナックトにR2-D2の分解と情報の取り出しを指示し、独立星系連合に共和国とその戦略に関する情報を提供するよう要求した。一方、スカイウォーカーはR2-D2のデータバンクに格納された情報が連合の手に渡ることを阻止するため、クローン・トルーパー分隊と共にR2-D2を救出する任務へと向かったのだった。
ドロイドを解体したナックトは、R2-D2の中に驚くべき量の共和国の情報が入っていることを発見した。トランドーシャンはこの情報に当初考えていた以上の価値があると判断し、グリーヴァスにより多くのクレジットを要求する。グリーヴァスもこのドロイドに想像以上の価値があったことを認めたのだった。だが次の瞬間、より多くの報酬を求めたナックトは、グリーヴァスのライトセイバーの1本で背後から貫かれ、殺されたのである。
人物と特徴
ガー・ナックトは道徳心を欠いており、自分が発見したものと引き換えにより多くのクレジットを手に入れるため、独立星系連合と銀河共和国のどちらにも強く加担することを控えていた。このトランドーシャンは戦いの後に残された瓦礫を捜索し、共和国か連合のいずれかに売却できる品物を回収していたのである。また、彼は正直に話した場合により有利な条件で売却できる機会を逸してしまうと感じられれば、嘘を付き、品物を隠すこともあった。その一例として、ナックトはアナキン・スカイウォーカーとアソーカ・タノがドロイドを探すために<ヴァルチャー・クロウ>に乗り込んできたとき、彼らからR2-D2を隠したのだった。また、このトランドーシャンは貪欲でもあり、グリーヴァス将軍に対して当初の合意を上回る報酬を要求している。パッセル・アージェンテに賄賂を求めたこともこの貪欲さの表れだった。しかし、この欲深さが最終的に彼を破滅に導くことになる。このトランドーシャンはグリーヴァスに報酬の割り増しを要求した際に殺されたのだった。
また、ナックトには衛生観念が完全に欠如していた。彼は人前でも平然と放屁を行い、R2-D2の捜索のため<ヴァルチャー・クロウ>を訪れたアソーカ・タノにもそれを気づかれている。また、彼はコルサントの酒場で行ったケンカの際に右目を負傷しており、極端に左右非対称な顔つきになってしまっていた。彼は宇宙船の操縦とドロイドのプログラミングに才能があった。