クオレン
(スクイッド・ヘッドから転送)
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クオレン、またはクアレンは、外界の人々からモン・カラマリと呼ばれる海洋惑星ダクに原住する水棲種族の1つである。この惑星に住む他の種族には惑星の別名の由来にもなったモン・カラマリが存在する。クオレンは嫌々ながらモン・カルたちと故郷を共有しており、過去には多くの抗争や緊張した関係を迎えたこともあった。しかし惑星の繁栄のため、クオレンは深海から資源を提供することを強いられ、モン・カルたちがそれらを使って外界の人々に向けた宇宙船の建造を行っている。
目次 |
生態と外見
スクイッド・ヘッドの異名を持つクオレンは、イカに似た頭を持つ水棲ヒューマノイドである。彼らは顔から少なくとも4本の触手を生やしており、厚い皮膚を持っている。クオレンの触手は物を掴むことができ、彼らはこれを使って物を食べることもできる。また、クオレンの口は小さく、2本の牙のような歯が顔の両側から突き出しており、その間からは細い舌が突き出ている。さらに、顔の両側からは2つの長い突起物が伸びており、その内部にはエラに似た構造が隠されているが、これらは実際には耳の代わりに音を聴くための聴覚器官として機能している。また、クオレンは首の両側に穴が開いており、これらは主に呼吸に使われる。中でも最も興味深い特徴は、彼らが後頭部からぶら下げている嚢のような器官である。これらが何に使われるのかは定かでないが、頭足類の多くは酸素を蓄えるためにこれとよく似た器官を使っている。
クオレンは婚姻の儀式の際に皮膚の色を変化させることができる。多くのクオレンはオレンジ色の皮膚をしており、なかには灰緑色の皮膚をしている個体も存在するが、これは極めて稀な例である。また、すべてのクレオンはきらきらと輝く青い目をしている。クオレンは天然下では水中で生活しているため、生存するために絶えず皮膚を湿らせておく必要があるが、鉤爪を持つクオレンは他のクオレンと比べて水分の要求量が少ない。また、平均的なクオレンの寿命は79標準年である。
クオレンには3種類の異なる特徴を持つ個体群が存在するが、それらの差異は手の構造だけである。一部のクオレンは3本または5本の指を生やしており、その先端に吸盤が付いている。残りのクレオンには吸盤の代わりに鋭い爪の付いた太い指が生えているが、これらの3つの個体群が実際に異なる亜種なのかどうかは分かっていない。
モン・カラマリの深海で進化したクオレンは、呼吸装置や圧力調整装置を使うことなく水深300メートルまで潜ることができる。ただし50メートル以上潜る場合は、地表の低圧に体を再度対応させるため、水中にいるのと同じ時間だけ減圧した状態で過ごしておく必要がある。
クオレンは非常に自己中心的でプライドの高い種族である。多くは他種族を嫌っており、同時に孤立主義的な振る舞いをすることも多い。クオレンは特に人間を野蛮な生物として見ており、人間たちが使う言葉(ベーシック)についてもとても厄介で喋りにくい言語だと考えている。これは彼らが会話の際に自分たちの言語を好んで使う理由の1つである。
文化
モン・カルと比較して、クオレンははるかに保守的かつ現実的な思想の持ち主である。モン・カルたちが未来に目を向けている一方で、クオレンは過去の日々を見つめているのだ。さらに、モン・カルは銀河系を旅することが多いが、クオレンははるかに孤立主義であり、大抵は故郷の海底に留まっていることが多い。しかし、モン・カルに追従して企業経営者や会計士として銀河系での生活を始めたクオレンたちも存在している。
モン・カルたちは軌道上で宇宙船を建造しているが、クオレンは同胞たちのために深海からこつこつと金属資源の採取を行っており、同様にモン・カルの巨大な浮遊都市の建設も手伝っている。また、モン・カルの多くはダクに点在する数少ない島や浮遊都市の上層部で暮らしているで、クオレンたちはモン・カルよりも暗闇を好んでいるため、海底に築いた自分たちの都市や海面下に位置する浮遊都市の下層に住んでいる。
クオレンは銀河ベーシックよりも独自の言葉を好んで話し、これはモン・カルがベーシックを頻繁に話していることと対照的である。モン・カルたちは外界の人々と取引をすることが多いが、クオレンは外界との接触をほとんど行わないのだ。
歴史
モン・カルとの出会い
クオレンは海洋惑星ダクの穏やかな海底で進化した種族である。彼らは惑星の海洋をホエーラドン、モアッパ、ナレッジ・バンクらと共有し、ここで資源の豊富な海底を採掘していた。クオレンが海洋の浅瀬で生活していたモン・カルたちと初めて遭遇したのは、ヤヴィンの戦いのおよそ4,500年前のことである。しかし、この遭遇は友好的なものではなく、モン・カルに疑念を抱いたクオレンたちは彼らに攻撃を仕掛けたのだった。この事件は両種族の間に長い戦争をもたらしたが、最終的にはモン・カルの勝利に終わった。彼らはは本来好戦的な種族ではなかったが、より発達したテクノロジーを有していたため、戦いを優位に進めることができたのだ。だが、モン・カルたちもクオレンを滅ぼす可能性のある更なる戦争までは望んでいなかった。
クオレンが先の戦争から回復する間に、モン・カルたちは大胆な文化的実験の準備を進めていた。彼らは将来的な戦争を回避するため、何百人もの若いクオレンたちを誘拐し、芸術、科学、倫理を教えることで、彼らにモン・カラマリの文化を植えつけたのである。そしてクオレンたちが完全な教育を受け終わると、モン・カルたちは彼らを元の生活域へと返したのだった。だが、高齢世代のクオレンたちは若者たちを信用しなくなり、彼らを洗脳された略奪者として見るようになった。一方で、若者たちは高齢者たちを教育を受けていない野蛮人と見なしたのである。しかし、やがて若者たちが成長し、彼らがクオレン社会の実権を握るようになると、クオレンとモン・カラマリの間に何世紀にもわたる平和が訪れたのだった(だが、世代を重ねクオレンたちが徐々に伝統的価値を取り戻すにつれて、ときには緊張した関係が生じることもあった)。
旧共和国への加盟
この惑星が旧共和国によって発見されたのはヤヴィンの戦いのおよそ4,000年前である。そしてヤヴィンの戦いの532年前には、多くのクオレンとモン・カラマリが労働者としてラマレッドに連れて行かれていた。その後、モン・カラマリは銀河共和国に加盟し、ついには銀河元老院に代表団を派遣するようになる。そして旧共和国最後の数十年は、モン・カラマリとクオレンが彼らの政府と銀河元老院の代表団を共有していたのだった。
この頃には多くのクオレンが故郷を後にし、企業経営者や会計士として活躍していた。その間、彼らはタリス、テロス、ナー・シャダーなどへも進出し、エクスチェンジなどの犯罪組織で腕を振るう者たちもいたほどである。
また新シス大戦の時代には、クオレンたちは光の軍隊と闇の門弟たちの双方の側で戦っていたのだった。
クローン大戦
クローン大戦が勃発する直前に、クオレンの腐敗した議員ティッキーズは、タラシアンの奴隷商人にカラマリ・セクターでの活動を許可した。だが、後にこの問題が明るみに出たとき、彼は自宅謹慎処分となってしまう。この重圧から、ティッキーズは安易な道を見出し、自分のセクターを引き連れて独立星系連合へと亡命したのだった。しかし、ダクの多くの市民はこの決定を拒否し、ティッキーズとその支持者たちへの反対運動を行った。するとティッキーズはクオレン分離連盟を設立し、CISからの支援を武器にダクの立法府であるモン・カラマリ評議会と対立したのだった。しかし、共和国が支持したのはモン・カルたちと、極わずかな保守派のクオレンだけだったのである。
やがて、共和国グランド・アーミーに加勢した共和国支持派のモン・カラマリの騎士団と、クオレン分離連盟および(メライ率いる)モン・カルの分離主義派との間で、モン・カラマリに内乱が勃発する。そして長い一連の抗争の後、共和国はモン・カラマリの戦いにおいてクオレン分離連盟を打ち破ったのだった。そして、クオレンとモン・カラマリとの間で新しい協定が調印され、ダクを代表する新しい共和国元老院議員として、クオレンのタンドラ・ドーメイアとモン・カルのミーナ・ティルズが共同選出されたのである。一方で、クオレン分離連盟の残党たちは、分離主義勢力の惑星に追放されたクオレンたちが主体となった組織、フリー・ダク・ボランティア・エンジニアリング社を設立し、多数の戦艦を建造することで独立星系連合への支援を続けていた。その結果、クオレンたちは人間至上主義の共和国保護委員会から圧力を受け、タノン・プラージによってコルサントから退去させられた種族の1つとなったのである。
銀河帝国
やがて銀河帝国が樹立すると、帝国軍はモン・カラマリへの侵略を行った。これは人間至上主義の帝国支持者によって先導されたものであり、ダクの人々、特にモン・カルたちの多くが奴隷と見なされ、彼らの工場や資源も帝国軍の軍備拡張のために使用されることになった。また帝国の樹立に先立って、ダクの2人の議員が二千名の嘆願署名、すなわちパルパティーン最高議長(彼はいまや帝国の皇帝だった)に反対する文書に署名していたことも帝国の報復を招いた原因の1つだったのだ。さらに、モン・カルに対する長年の憎しみと偏見に突き動かされたクオレンのスパイが帝国軍による攻撃の前に惑星シールドを破壊し、帝国軍の勝利を導いたという疑惑も浮上する。その後、クオレンの指導者セゴア・テルズが破壊工作員の1人であったことが判明したのだった。
だが、帝国への追従を示したにも関わらず、クオレンたちもモン・カルと共に帝国によって奴隷化されてしまった。クオレンが奴隷となったのは、過去の独立星系連合との関わりが原因だとされている。一方、モン・カルは消極的なレジスタンス運動を主導していたが、それも失敗に終わってしまう。そして、パルパティーン皇帝は報復として3つのモン・カルの都市を破壊するよう命じたのだった。だが、ついに多くのクオレンが帝国軍をダクから追い出すため、モン・カルたちに加わった。皮肉にも、帝国に抵抗するクオレンたちを結集させた指導者の1人はセゴア・テルズだったのだ。しかし、エンドアの戦いを経てモン・カラマリが解放されると、多くのクオレンは反乱同盟軍やその後継政府である新共和国と行動を共にする目的を失ってしまった。その結果、多くのクオレンがやがて訪れるであろう帝国の報復を避けるため、モン・カラマリから他の惑星へと旅立っていったのである。
皇帝の復活
ヤヴィンの戦いの10年後、蘇ったパルパティーン皇帝によるモン・カラマリへの襲撃が行われると、クオレンたちは大集団での避難を表明したが、実際にどれだけが逃亡したのかは分かっていない。だが、後に多数のクオレンが銀河系の多くの惑星に分散していることが分かった。一方で、モン・カラマリに留まったクオレンは同胞たちへの忠誠を維持したが、クオレンとモン・カラマリとの間で人的かつ文化的な関係も開花しはじめていた。こうした関係で最も有名なものは、男性クオレンのヌリン・ヴァキルと女性モン・カラマリのイブティザムとのロマンスである。2人は共にローグ中隊のメンバーだった。
ユージャン・ヴォングの侵略とその後
ユージャン・ヴォング大戦の間は、クオレンのポウがモン・カラマリのグロン・マラブと共にモン・カラマリを代表していた。だが、コルサントがユージャン・ヴォングの前に陥落すると、ポウは新共和国大統領の座を狙うが失敗し、ついにはイリーシアのイリーシアン共和国に加わることになる。しかし、グロン・マラブは故郷への忠誠を維持して代表の座を守り、銀河連邦自由同盟の元老院に留まったのだった。
そしてヤヴィンの戦いのおよそ130年後、シス帝国戦争が終結し、ダース・クレイトが銀河皇帝として台頭すると、クオレンはダク政府における地位を取り戻すことができた。新シス・オーダーにもダース・メルヴェル、ダース・アザードをはじめとした数人のクオレンが加わったのである。
モン・カラマリの戦いに続いて、クレイト皇帝からダクの人々の10パーセントを処刑するという勅命が発せられたときも、クオレンは虐殺を免れることができた。この大虐殺はモン・カラマリ評議会のメンバーたちから着手されたが、命令に反対を表明したクオレンはモン・カラマリたちと同じように殺されたのである。