ヌーヴォ・ヴィンディ
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ヌーヴォ・ヴィンディは、銀河共和国の晩年におけるアダナ出身のフォーストの科学者である。ヴィンディは精神状態が不安定であり、完全無欠の銀河系という自らのビジョンを実現するために科学者および研究者としての才能を利用していたのだった。当初、犯罪一族のパーマ・ファミリーで主治医として雇われていたヴィンディは、ヤヴィンの戦いの32年前に行方不明となり、死亡したものと思われていた。だがクローン大戦中、彼は独立星系連合の科学者としてナブーに再び姿を現し、撲滅されたはずのブルー・シャドウ・ウイルスの再生成に取り付かれていたのである。これは水を介して治療法の知られていない即死性の疫病を引き起こすウイルスだった。彼はナブーの東の沼地の地下研究所で、独立星系連合のバトル・ドロイドやLEPサーヴァント・ドロイドのLEP-86C8と共に密かに研究を行っていた。そしてヤヴィンの戦いの22年前、ヴィンディはこのウイルスを再開発するだけでなく、空気感染型のウイルスとして新たに作り出し、共和国の主要な星系に拡散させようと計画していたのである。
ナブー王室警備隊によって数体のバトル・ドロイドが発見された後、ヴィンディの計画はナブーのパドメ・アミダラ議員とジャー・ジャー・ビンクス代議員によって暴かれることになる。彼らはジェダイ・オーダーと接触し、助力を求めたのだった。ヴィンディはジェダイが到着する前にアミダラとビンクスを捕らえ、研究所内で人質とした。だがその直後に、研究所はジェダイ・マスター・オビ=ワン・ケノービ、ジェダイ・ナイト・アナキン・スカイウォーカー、パダワン・アソーカ・タノ、そして共和国のクローン・トルーパーからの襲撃を受ける。アミダラとビンクスに短時間の拷問を行った後、ヴィンディはナブーから逃亡し、銀河系へのウイルスを拡散させるつもりだったのだ。だが、彼は研究所の外でスカイウォーカーとケノービに取り押さえられ、ナブーの首都シードへと連行されてしまう。戦闘中にウイルスが解き放たれたが、ケノービとスカイウォーカーが惑星アイエゴで素早く解毒剤を発見し、脅威は食い止められたのだった。その後、ヴィンディは銀河首都コルサントに護送され、裁判を受けたのである。
目次 |
経歴
犯罪活動
ヌーヴォ・ヴィンディは銀河共和国の晩年におけるフォーストの科学者である。彼は聡明な頭脳によって尊敬を集めていたが、長く患った精神病によって、ウイルスこそが銀河系で最も偉大な生命体であるという異常な哲学を持つようになっていた。なかでもヴィンディが神聖なものと考えるブルー・シャドウ・ウイルスは、特に彼の興味を引いたのだった。ヤヴィンの戦いのおよそ42年前に再発生し、カンドリアとその植民地の人口を激減させた古代カンドリアン病の原因であるブルー・シャドウ・ウイルスは、あらゆる既知の種族にとって致命的な細菌である。銀河共和国はブルー・シャドウ・ウイルスが蔓延した惑星の徹底した隔離を実施し、やがてそれらが死滅するまで拡散を阻止してきたのだった。だが、ヴィンディの見方によればウイルスの撲滅は虐殺と同じであり、やがて彼はこのウイルスの再生成を決意するようになったのである。 あるとき、このフォーストはパーマ・ファミリーと呼ばれる犯罪組織の活動に知恵を貸していた。ヴィンディはコア・ワールドの惑星パーマでファミリーの主治医として働き、汚名を着ることになったのだ。だがヤヴィンの戦いの32年ほど前、彼は行方不明になったと報じられ、パーマ・ファミリーによって始末されたのだと信じられていた。しかし実はこのフォーストは元気に生きており、10年後にジオノーシスの戦いによってクローン大戦が勃発するまで、ドゥークー伯爵の独立星系連合に協力していたのである。連合はヴィンディの並外れた知性を共和国との戦争に利用したいと考え、彼にウイルスが銀河系を支配する時代をもたらすための手助けをすると約束したのだった。
独立星系連合はヴィンディをアウター・リムの惑星ナブーに送り込み、そこで10年前に通商連合が作っていた地下研究室を彼に与えたのだった。分離主義評議会のメンバーでもある通商連合のヌート・ガンレイ総督は、この惑星の侵略に失敗したときからナブーの存在を苦々しく思っており、この惑星の東の沼地の地下に築いた研究施設をヴィンディに提供したのである。この研究室内で、博士は共和国に散布するためのブルー・シャドウ・ウイルスの再生成を進めていた。バトル・ドロイド大隊とLEPサーヴァント・ドロイドのLEP-86C8が研究の支援を行い、ヴィンディはあらゆる獲物をほぼ瞬間的に殺傷できる水感染型の独自のブルー・シャドウ・ウイルスの再生成に成功したのだった。その後さらに、彼はこのウイルスの空気感染型の開発に着手した。これが完成すれば、ウイルスの保管された瓶を爆弾にセットし、共和国中の星系に送り届けることができるのだ。
再出現
博士は知らなかったが、ナブーは惑星に再びバトル・ドロイドが現れたことについて調査を開始していた。グンガンのシャク飼い、ペッピ・バウから、動物たちがドロイドの存在を感じとったという知らせを受け、ニーユートニー女王がグレガー・タイフォ隊長とナブー王室警備隊を調査に派遣したのである。彼のチームはバトル・ドロイドの偵察隊を発見してそれらを破壊し、戦術ドロイドを回収することに成功した。また、パドメ・アミダラ議員とジャー・ジャー・ビンクス代議員もバトル・ドロイドの出現の知らせを受け、調査に協力するため故郷に戻っていた。2人は戦術ドロイドの解析を行い、ウイルスの存在を知ると、ナブーにジェダイ最高評議会への支援要請を促した。その後、破壊されたバトル・ドロイドの残骸からスラッグ=ビートルが見つかったため、アミダラとビンクスはその生息地である東のグンガンの沼地でウイルスの発生源の捜索に着手する。そして沼地からそう遠くない場所で、2人はペッピ・バウと遭遇したのだった。彼女のシャクの群れがナブーの川に流出したブルー・シャドウ・ウイルスのサンプルによって死亡したばかりだったのだ。ペッピは2人にウイルスが川に混入したであろう沼地の場所を教えるが、そこはヴィンディ博士のドロイド部隊によって厳重に監視されていたのである。
ヴィンディはアミダラとビンクスを発見し、2人を捕らえたが、彼らは既にタイフォ隊長に研究所の座標を送信していた。研究所内に囚人を捕らえたヴィンディは、電気アーク発生装置を使って空気感染可能な新型ブルー・シャドウ・ウイルスを作り上げた能力を誇示する。ただし、この新型ウイルスは感染力が強化されているが、汚染された水を摂取したときと比べて感染者が死亡するまでに要する時間が長く、感染からおよそ48時間後に死亡するのだという。さらにヴィンディは囚人たちに、ウイルスを共和国中に拡散させる計画について説明した。そして彼は最後のウイルス爆弾を準備し、それをLEP-86C8に渡して保管庫へ運ばせたのである。
解き放たれたウイルス
ジェダイ最高評議会によってナブーへ派遣されたジェダイ・マスター・オビ=ワン・ケノービ、ジェダイ・ナイト・アナキン・スカイウォーカー、そしてスカイウォーカーのパダワン・アソーカ・タノは、ナブーの首都シードに到着し、ヴィンディの研究所への襲撃に備えていた。彼らは破壊されたバトル・ドロイドから得られたホログラムを通じて、博士の正体とウイルス拡散計画について知ることになる。そしてタノとペッピ・バウがアミダラからタイフォに送られた座標地点を偵察した後、3人のジェダイは研究所へ侵入し、各自の任務に着手した。タノとクローン・キャプテン・レックスは共和国グランド・アーミーの兵士たちを従えてバトル・ドロイド部隊を殲滅し、その間にケノービが爆弾の停止作業に当たる。スカイウォーカーはアミダラとビンクスの救助と、ヌーヴォ・ヴィンディの逮捕に向かったのだった。
侵入警報を受けた博士はバトル・ドロイドに侵入者を撃退するよう命じ、自身はアミダラとビンクスと共に後方に留まった。ヴィンディはジェダイの到着に備え、ウイルスの改良に使用した装置に囚人を縛り付ける。やがてスカイウォーカーが到着すると、博士は装置を起動し、人質に電撃が流れ始めた。彼はジェダイとトルーパーに、議員と代議員を死なせたくなければ武器を下ろすようにと命令する。スカイウォーカーがそれに従ってライトセイバーを落し、クローンたちもブラスターを落した。ヴィンディは機械を止めるが、彼にはジェダイをそう長くは食い止められないことも分かっていた。そこで彼はスカイウォーカーに、自分を逮捕するか、人質を助けるかの選択を迫る。そしてヴィンディは再び囚人たちに電気ショックを与え、スカイウォーカーが彼らを助けに動く間にウイルスのケースをいくつか持って逃走したのだった。彼は部屋から走って逃げ出すが、そのときウイルスの入ったガラス瓶を1つ放り投げた。だがそれは地面に落ちて割れるより先に、スカイウォーカーによってフォースで掴まれたのだった。
研究所の地下ハンガーに用意されたシャトルへ向かう途中、ヴィンディはウイルス爆弾のタイマーを遠隔起動した。爆弾が爆発すれば研究所内にウイルスが蔓延してしまうという危険な状況のなか、ケノービのクローン・オードナンス・スペシャリストは時間切れとなる直前まで着々と爆弾の解除を行った。そしてヴィンディが離着床プラットフォームに到着し、ハンガーが即座にせり上がると、ケノービ、スカイウォーカー、レックスがハンガー・ドアを切り開いて彼に迫ってきた。博士は3人を制止させるためにウイルスの瓶を放り投るが、それらは床に落下して割れる前にオビ=ワンに掴まれた。その間にヴィンディは研究所からの脱出に成功するが、直後にプラットフォームの上に登ってきたスカイウォーカーと対峙することになる。彼は別のガラス瓶でスカイウォーカーを脅すが、襲撃の間に研究所の外に残っていたペッピ・バウの体当たりを受けたのだった。
だが博士は諦めず、興奮しながらウイルス爆弾が爆発するだろうと叫ぶ。しかし、クローン・オードナンス・スペシャリストの活躍によって爆弾はすべて機能を停止させられていた。最後の1つがヴィンディのアシスタント・ドロイドの手に残されていたが、ドロイドはすぐにアミダラ議員に発見され、最後の爆弾も機能を解除されていたのだ。
スカイウォーカーとケノービがヴィンディ博士を共和国首都コルサントへ向かうシャトルへ誘導する。彼は首都でこれまでの犯罪に対する裁きを受けることになるのだ。そのとき研究所の下から危険を知らせる警報が3回聞こえてきた。ヴィンディのアシスタント・ドロイドが最後の爆弾からウイルス・コンテナを取り出し、爆弾が解除される前にそれを持って逃げ出していたのである。ドロイドは爆弾貯蔵室へ忍び込み、ウイルス爆弾の1つを再起動した。この爆発でドロイドと2人のクローンが粉々になり、研究所内にウイルスが拡散されたのである。まだ研究所内にいたアミダラ、ビンクス、タノ、クローンたち、そして生き残っていたドロイドたちは、封鎖された内部に取り残されてしまった。スカイウォーカーはヴィンディの喉元にライトセイバーを突きつけて彼を脅すが、博士は解毒剤の研究でジェダイを助けることを拒否する。彼は、自分使命はウイルスを作ることであって、治療することではないと主張するのだった。その後ヴィンディはシードへ連行され、ジェダイがウイルスの治療薬を探す間、投獄されていたのだった。
やがてスカイウォーカーとケノービは、惑星アイエゴに生えるリークサの根がブルー・シャドウ・ウイルスの解毒剤となることを知り、研究所内に閉じ込められた仲間たちが死亡する前にその標本を入手することに成功した。2人のジェダイはリークサの根を携えてナブーへ戻り、取り残された人々を治療すると共に、ウイルスが惑星中に蔓延する事態を防ぐことができたのである。そしてヴィンディは裁判のためコルサントへと連れて行かれたのだった。
人物と特徴
ヌーヴォ・ヴィンディは青い肌をした二重瞼の種族、フォーストである。彼は目の周りに大きな紫色の模様を刻んでおり、重いアクセントでベーシックを喋っていた。また、ヴィンディは科学者特有の白衣、パーミーズ・メガネ、気密ブーツを身に着けていることが多く、さらに危険な物質が流出する可能性があるときは、バイオハザード・フードも被っていた。
天才科学者であるヴィンディは生物学と生化学に関する天性の素質を持っていた。だが彼は精神状態が不安定であり、ウイルスこそが銀河系の頂点に位置する生命体だと信じていたのである。この哲学はパーマ・ファミリーをも悩ませ、恐怖させていた。事実、ヴィンディの失踪もファミリーによる暗殺の結果だと信じられていたほどである。だが姿を消したヴィンディは、この上なく美しいブルー・シャドウ・ウイルスに取り付かれていたのだった。彼はブルー・シャドウ・ウイルスが一度殺された生命体であると頑なに信じており、それを復活させるために拷問も殺害も率先して行ったのだった。このウイルスを再び銀河系に拡散させるという彼の計画は、結果的に無数の命を奪うことになったが、彼には良心の呵責は一切なかった。その代わりに博士はこのウイルスが宇宙に平和と純潔をもたらすと信じ、心の底から興奮していたのである。
パドメ・アミダラとジャー・ジャー・ビンクスを捕らえた後、ヴィンディはLEP-86C8に向かって怒鳴りつけるなど、配下のドロイドたちに辛くあたることも多々あった。また彼はジェダイに敗れ、喉元にライトセイバーを突きつけられても決して動じなかった。博士にとっての喜びは研究所から解放されtたウイルスがナブーを滅ぼすことだけであり、その際に自分が惑星から脱出できるかどうかさえも関係なかったのだ。彼はジェダイの死だけでなく、自分自身の死も楽しんでいたのである。