ペッピ・バウ
(ペピィ・バウから転送)
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ペッピ・バウは、銀河共和国の晩年にナブーで暮らしていたグンガンのシャク飼いである。クローン大戦の勃発直後、彼女のシャクの群れが東の沼地で突如物怖じするようになった。これは10年前の通商連合によるナブー侵略のときとまったく同じ現象だったのだ。不安に駆られたバウはグンガンの指導者、ボス・ルーゴア・ナスに拝謁し、ナスによってナブー王室諮問評議会の前へ連れて行かれることになる。彼女はナブーの女王ニーユートニーに、バトル・ドロイドがナブーへ戻ってきた恐れがあると説明するが、評議会の大半はこの意見に懐疑的だった。だがその後、ナブー王室警備隊のパトロールが独立星系連合のバトル・ドロイド分隊によって迎撃され、バウが正しかったことが証明されたのである。
その後バウが群れにもどると、ナブーの首都シードのすぐ外を流れる川の水を飲んだシャクたちが次々と死んでいった。彼女はナブーの政治家パドメ・アミダラとジャー・ジャー・ビンクスから、動物たちの死因が独立星系連合によって川に混入された生物兵器、ブルー・シャドウ・ウイルスであることを知らされる。バウはこの生物兵器の出所を探すために2人を手伝い、彼らが連合軍に捕らえられた後も2人を探すためにジェダイ・パダワン・アソーカ・タノを援助したのだった。バウとタノは、2人の政治家が東の沼地の地下にある通商連合の秘密研究所に捕らえられていることを突き止める。その同じ場所で生物兵器の開発も行われていたのだった。タノと共和国部隊が研究所を襲撃し、その間バウは戦いから逃れようとする連合軍を妨害するために沼の上で待機していた。そして襲撃が終わり、アミダラとビンクスを捕らえていた生物兵器の開発者、ヌーヴォ・ヴィンディ博士が共和国部隊から逃走すために姿を現すと、彼女は博士に体当たりして取り押さえ、逃走を阻止したのである。
目次 |
経歴
シャク飼いとしての人生
ペッピ・バウは銀河共和国の平和な惑星ナブー出身のグンガン女性である。銀河帝国の勃興前に彼女はこの惑星で動物飼いを営んでおり、ナブーに土着の代表的な家畜であるシャクの群れを管理していた。ヤヴィンの戦いの32年前、バウは通商連合の大規模な軍隊によって侵略を受けた首都、シードで暮らしていた。この侵略のとき、彼女のシャクたちは連合のバトル・ドロイド軍に近づくだけで物怖じし、落ち着かなくなっていたのである。だが最終的にこの侵略は、パドメ・アミダラ女王とナブー王室警備隊が通商連合から首都を奪回したことによって失敗に終わったのだった。
そして10年後、バウはシャクの世話を続けており、シード郊外の草原で群れの世話をしていた。そして銀河共和国と独立星系連合との間でクローン大戦が勃発した直後、彼女はシャクたちが東の沼地に近づいたときにいつもと変った振る舞いをすることに気づいたのだった。大きな不安を抱いた彼女はグンガンの指導者であるボス・ルーゴア・ナスに拝謁し、この不安を打ち明ける。するとナスは彼女をナブー王室諮問評議会へ連れて行き、バウがナブーの女王の前で直々に不安について説明できるよう手配したのだった。この当時のナブー君主、ニーユートニー女王はナスとバウに評議会への謁見を認める。2人のグンガンは女王へ拝謁して問題を説明する前にシード王宮の玉座の間で待機するよう指示され、その間に評議会は定例会議を済ませたのだった。そしてニーユートニーがナスに発言を許すと、グンガンのボスは諮問評議会にペッピ・バウを紹介し、このシャク飼いに彼女が発見したことについて説明させたのである。
当初、バウは女王に意見することを恐れたが、彼女はナスから促され、ニーユートニーと評議会の他のメンバーの前で話をすることができた。彼女はシャクたちの奇妙な振る舞いについてニーユトニーに報告するが、女王はそれを捕食動物による侵略の結果だと断言する。だがグンガンは捕食動物が原因ではなく、動物たちが沼地で何かを発見し、神経質になったのだと主張した。そしてボス・ナスが彼女に動物たちのこれまでの振る舞いについて尋ねると、バウは彼らがこのような奇妙な行動を示したのは10年前の通商連合による侵略のときが最後であると説明したのだった。女王とシオ・ビブル首相は通商連合のドロイド軍がこの惑星に戻ってきた可能性をほのめかされ、唖然とする。通商連合は独立星系連合に加わり、共和国と戦争中だった。これまでのところクローン大戦はこの平和な惑星にとって差し迫った危険にはなっていなかったため、ビブルとナブー王室警備隊の将校クリンはバウの報告を否定し、クリンにいたっては彼女の訴えを公然と侮辱したのだった。彼は、バトル・ドロイドがナブーを再び侵略しているのなら、警備隊が惑星中に設置したセンサーがそれを検知しているはずだと説明する。ナスはバウの主張を擁護し、警備隊長のグレガー・タイフォも口が過ぎるとしてクリンに注意を与えた。タイフォは真相を確かめるため、警備隊員の小隊を率いて東の沼地付近の草原をパトロールに向かう任務に志願した。そしてその途中、彼らはB1バトル・ドロイドの分隊を迎撃し、破壊することになる。このとき警備隊は無傷のTシリーズ戦術ドロイドを捕らえることに成功したのだった。この事件によってバウの推測が正しかったことが証明され、連合の侵略の可能性についてナブーに警告することができたのである。
故郷の危機
評議会へ報告を行った後、バウは群れに戻った。彼女はシャクたちを連れてシード郊外の草原を流れる川へ向かう。動物たちは川の水を飲み始めるが、突如鼻息を荒げて恐怖の鳴き声を上げはじめた。そしてまさにバウも水を飲もうとしたとき、シャクたちは地面に倒れ、次々と死んでいったのである。恐怖したバウは川の水に何かが混入されていることに気づき、シャクたちをエレクトロポールで川から遠ざけた。だが既に遅く、6頭が即死し、残りのシャクたちも苦しみだし、やがてほとんどが死んでしまう。その後、バウは乗り物が川に近づいてくるのを目撃した。彼らが何者なのか分からなかった彼女は川岸の物陰に姿を隠し、防護服を着た2人の人物が動物たちの死骸を調べている状況を観察した。そして彼らの目的に疑いを抱いたグンガンは、エレクトロポールを構えて2人に襲い掛かったのである。バウは知らなかったが、この2人の正体はナブーのパドメ・アミダラ議員とグンガンのジャー・ジャー・ビンクス代議員だった。彼らはバトル・ドロイドの出所を見極めるため故郷に帰ってきたのである。バウはアミダラを地面に倒すと、ビンクスの方を向き、彼の気密ヘルメットを割れるまで何度も殴打した。ビンクスがパニックに陥ると、アミダラが起き上がり、バウにブラスター・ピストルを向ける。バウが議員の要求にしたがってビンクスにヘルメットを返すと、彼は死に物狂いで素早くそれを後に被せたのだった。
2人も自分と同じように動物たちの死に疑念を抱いていることを理解したバウは、アミダラとビンクスに、汚染されているのは水だけであり、空気は無害なのでヘルメットを外しても大丈夫だと告げる。アミダラがブラスターを下ろし、ヘッド・ギアを外すと、バウは2人に自己紹介をした。そして彼女は2人の政治家から、動物たちを殺した汚染の正体がブルー・シャドウ・ウイルスであることを聞かされるのだった。そしてアミダラがこのウイルスの発生源についてパーロートの木に囲まれた場所だと説明すると、バウはそれを東の沼地だと特定することができた。彼女は2人にその場所を教え、案内すると申し出る。だが、アミダラはバウに川岸に残り、ナブー警備隊の隊員を待ってシードまで護衛してもらうようにと指示する。シャク飼いは了承し、アミダラとビンクスが沼へ向かうと、その場で待ったのだった。
やがてシードに到着したバウは、アミダラとビンクスが沼へ調査に行ったきり行方不明だと聞かされた。彼女は2人と会った最後の人物であるため、タイフォ隊長と面会するために王宮へ呼び出されたのだ。タイフォはこのグンガンをシード・ハンガーへ連れて行き、そこで2人はジェダイ将軍オビ=ワン・ケノービ、アナキン・スカイウォーカー、そしてスカイウォーカーのパダワン・アソーカ・タノと会う。バウは3人に、アミダラとビンクスは行方不明になる前にウイルスの発生源を探しに行ったのだと説明した。スカイウォーカーはタノにバウを連れて東の沼地へ行き、議員と代議員を探すよう命令する。一方で彼とケノービはシードに留まり、タイフォ隊長と状況について議論することになった。バウとタノは生き残ったわずかなシャクに乗って沼地へと出発する。その途中、タノはバウに、アミダラが失踪する前に沼地のどこかに隠された巨大な研究所があることを発見したらしいのだと告げた。やがてナブーに夜が訪れ、2人は沼地に到着した。そこにはパーロートの森の奥深くへ続くアミダラとビンクスの足跡が残されていたが、途中で忽然と消えてしまっていた。彼らはシャクから降り、周囲を調査しようとするが、バウが足元の沼地のぬかるみの下から延びてきた光受像器スコープに持ち上げられ、調査を邪魔されてしまう。バウは片足でスコープの上に立ってバランスを取り、タノも見つからないようにその周りを動いた。そしてタノはスコープからうまく自分たちを隠すと、飛び上がってグンガンに体当たりし、バウをスコープから落して巨木の下に隠れたのである。
スコープが沼の下に戻ると、タノはスカイウォーカーと連絡を取り、沼地での状況を報告した。パダワンはバンカー爆弾で研究所の入り口のハッチの1つを爆破し、中にいる敵の注意を引き付けるよう命じられる。タノの任務が成功すれば、スカイウォーカーとケノービが共和国グランド・アーミーのクローン・トルーパーを引き連れて内部へ突入し、アミダラとビンクスを救助してウイルスの脅威を排除することができるのだ。タノが作戦を開始する前に、バウはシャクを呼び、木の裏側に隠していた。彼らをそこで待機させ、タノがフォースでサーマル・デトネーターを研究所のハッチの上まで動かした。そしてデトネーターが爆発し、研究所の入り口が姿を現したのである。タノは早速突入しようとするが、バウに止められた。彼女も襲撃を手伝いたかったのだ。パダワンは彼女の要求を断るが、その代わりに沼の上で待機し、独立星系連合の人員が研究所から逃走するのを阻止してほしいと頼んだのだった。
タノが研究所の内部に侵入し、その直後にケノービ、スカイウォーカー、クローン・トルーパーたちが続く。襲撃は翌朝まで続き、ナブーの太陽が再び昇るまでバウは待っていた。アミダラとビンクスの救出後、スカイウォーカーとケノービはフォーストのヌーヴォ・ヴィンディ博士を研究所の地下離着床パッドまで追い詰める。ブルー・シャドウ・ウイルスを開発した分離主義勢力の科学者、ヴィンディは、シーシピド級シャトルでジェダイから逃れようと企んでいたが、まずウイルス標本の入ったガラス瓶を投げ、2人のジェダイの足止めをする必要があった。ケノービは無事にすべての瓶を受け止めるが、ヴィンディは巨大なハンガー・ドアを通じて沼地の上に作られた離着陸パッドへ上がってしまい、ケノービは研究所内に取り残されてしまう。このときバウはハンガーの真上に立っており、ドアが割れ始めてヴィンディの脱出船が姿を現すると、その巨大な口の中に落ちそうになってしまった。
うまくジャンプしたバウは、離着床プラットフォームでスカイウォーカーとヴィンディが対峙している光景を見ていた。ジェダイはヴィンディにライトセイバーを突きつけるが、博士は降伏を拒み、再びウイルスの瓶を割ってナブーを汚染しようと目論んでいた。博士はジェダイに確実に勝利したと思い、半狂乱で歓喜していたため、離着床プラットフォームをよじ登ってきたバウの存在に気づいていなかった。バウは瓶が割られる直前にヴィンディに体当たりし、博士は手に持っていたウイルス入りのガラス瓶とケースを落してしまう。スカイウォーカーが間一髪のところで落下するガラス瓶を取り押さえている間に、バウはヴィンディを攻撃し続けていた。彼女は狂気の科学者をエレクトロポールで殴打し、彼がガラス瓶の詰まったケースを取り戻すことを防いだのである。敗北したものの、ヴィンディはまだ笑い続けていた。彼曰く、ブルー・シャドウ・ウイルスの詰まった爆弾がまだ残っており、それが爆発するというのだ。しかしそれは実現しなかった。ウイルス爆弾はクローン・オードナンス・スペシャリストたちによって既に解除されていたのである。
人物と特徴
ペッピ・バウは頭部の後ろに長い平らな耳を垂らした、ピンク色の肌の女性グンガンである。彼女は長いピンク色のパンツの上に小さなチール・トップと短いマッチング・スカートを纏っていた。また、バウはとても長いエレクトロポールとファンバ皮のカバンを携帯し、大きな縁の広いとんがり帽子を被っていた。彼女はシャクに乗っているときに好んで藁を噛んでいた。
ペッピ・バウはナブーの首都シードで暮らしていたが、ナブーの田舎でシャクたちと時間を費やしながら素朴な生活を送っていた。彼女は生まれながらにして動物たちの群れの行動をよく理解しており、東の沼地付近に危険が迫っていることを正確に見抜いたのだった。彼女は自分の発見をナブー王室諮問評議会に報告することについて悩んだが、ボス・ナスに励まされ、彼の勧めに従ってナブーの高官たちへの報告を続けている。バウは事態が深刻になる前にナブーに警告しようと努力したが、彼女のシャクの群れは皮肉にも独立星系連合の生物兵器による最初の犠牲ととなってしまう。彼女は川の水が汚染されていることにすぐに気づき、動物たちに水を飲ませないように努力したが、ウイルスの効果はあまりにも早かったのである。
バウにはこのウイルスに関する知識はなかったが、彼女は自分のシャクが自然発生する毒素で死ぬほど弱くはないことを知っていた。汚染物質の出処を見つけ出すと決意したバウは、アミダラとビンクスをこの汚染に関与した犯人だと信じ混み、2人に襲い掛かったのである。だが彼らの真意を知ったバウは2人に援助を申し出る。後にアソーカ・タノが分離主義勢力の研究所を捜索し、侵入しようとしたときも、バウは彼女を手助けしたのだった。彼女はタノの指示に従順に従い、研究所の外に残った。そして最終的に群れを殺した犯人、ヌーヴォ・ヴィンディを捕らえる際の一助になったのである。