プロト・ワン
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
プロト・ワン、別名プロト・ナンバー1は、以前の有機体の主人に捨てられた後、雑多な代替パーツを使って自身を再構築したポンコツのドロイドである。彼は様々な種類のドロイドを寄せ集めた奇妙な混成体のような姿をしており、歩くにも杖の支えが必要だったが、自身がメーカーであることに誇りを持ち、自らを唯一無二の存在だと考えていた。ヤヴィンの戦いの15年前、このとき既に稼働を開始してから1世紀以上を経過していたプロト・ワンは、惑星ブーンタのスクラップヤードの所有者として働いていたのだった。
宇宙船<サンド・スロース>がスクラップヤードに墜落したとき、プロト・ワンはケイ・モールと名乗るこの船の人間のオーナーに、喜んで修理の手伝いを申し出た。そして修理を終えた後、彼はモールの2体のドロイド、C-3POとR2-D2が、図らずもマンダロリアンの賞金稼ぎボバ・フェットの所有する裏切り者のドロイド、BL-17と友人同士になったことを知る。だが、プロト・ワンはモールとその友人たちを捕えるというBL-17の計画を阻止することができた。そしてその後、邪悪な犯罪組織フロム・ギャングが彼らを捕えようとしたときも、この老ドロイドはギャングたちにブラスターを放ち、彼らを追い払ったのである。
目次 |
経歴
ヤヴィンの戦いの15年前にプロト・ワンあるいはプロト・ナンバー1と呼ばれていたこの古めかしいドロイドは、この時点で既に100年以上前から稼働を続けていたプロト・ドロイドである。1世紀にわたって機械工として働いていた彼は、有機生命体の主人によって捨てられたのだった。そして、壊れたドロイドは多種にわたる代替パーツで自らを再構築し、その急ごしらえの姿からジャンク・ドロイドとして分類されたのだった。やがてプロト・ワンは惑星ブーンタでスクラップヤードの所有者となった。そしてヤヴィンの戦いの15年前までに、彼はBLシリーズ・ドロイドのBL-17と出会ったが、プロト・ワンはこのドロイドを嫌悪したのだった。
ヤヴィンの戦いの15年前のあるとき、宇宙船<サンド・スロース>が彼のスクラップヤードに墜落した。プロト・ワンは墜落中に乗り物で船から脱出した2体の乗員、プロトコル・ドロイドのC-3POとアストロメク・ドロイドのR2-D2に近づいた。彼はまず自己紹介し、R2-D2からは好意的な感触を得たが、C-3POは彼を信用しようとしなかった。プロト・ワンは彼らの3人の人間の主人の1人、ジョード・ダサットの負傷した腕を治療するため、彼らを近くの医療ユニットへ案内するが、それでもC-3POの不信感を払拭させることができなかった。それでもプロト・ワンは所有者のケイ・モールの依頼で<サンド・スロース>の修理を引き受けることになる。そして彼が修理している間、5人の訪問者たちはランドスピーダー<ホワイト・ウィッチ>でスクラップヤードを離れたのだった。
プロト・ワンは日が暮れる前に修理を終わらせ、モールたちを探すためスクラップヤードを離れた。やがて彼は加工工場で<ホワイト・ウィッチ>を修理しているBL-17と、C-3POの姿を発見する。BL-17は主人であるマンダロリアンの賞金稼ぎボバ・フェットの命令に従い、ケイ・モールとその友人たちを捕えるため、C-3POと偽りの友情を築いていたのだ。プロト・ワンはかつての敵に向かって突進するが、簡単に脇へ投げ飛ばされてしまう。しかしこのとき、C-3POがBL-17の裏切りに気付いた。R2-D2も親友のプロトコル・ドロイドを助けに現れ、降り注ぐ機械の雨の下へ敵を落下させることで、BL-17を倒したのである。その直後にはケイ・モールとその友人ソール・ジョーベンも到着するが、物陰からボバ・フェットが姿を現し、彼らにブラスターを発砲した。この乱闘のなか、倒れていたプロト・ワンは、モールたちへの復讐のためにボバ・フェットを雇った犯罪組織フロム・ギャングの悪党たち、ティグ・フロムとヴリックス・オンカードの姿を目撃する。彼らは<ホワイト・ウィッチ>にサーマル・デトネーターを設置し、近々開催されるブーンタ・スピーダー・レースの10ラップ目で爆発するように設定していたのである。プロト・ワンはレースが開始されるまでに何とか復活し、モールとC-3POにそのことを警告したが、既にジョーベンとR2-D2がフェットの追跡を逃れるためにスピーダーで出発した後だった。ジョーベンは友人と連絡を取る前にレースに参加していたが、サーマル・デトネーターはフェットの<シルヴァー・スピーダー>による攻撃で<ホワイト・ウィッチ>からこぼれ落ち、フェットのスピーダーを爆破させてしまう。これによってジョーベンはレースに勝利することができたのだった。
プロト・ワンがレーストラックへ向かうと、オンカード、ティグ、ティグの父サイスと、ジョーベン、モール、ダサット、C-3PO、R2-D2が対峙し合っていた。そこで彼がフロムたちにブラスターを向けると、犯罪者たちは逃走したが、怒りに燃えたフェットが彼らを捕えた。フェットはフロム・ギャングのライバルの犯罪王、ジャバ・デシリジク・ティウレのもとへ彼らを届けることにしたのである。その後、C-3POがプロト・ワンに謝罪し、自分たちと共に<サンド・スロース>でブーンタを離れないかと提案するが、彼は丁重に辞退した。プロト・ワンは新しい友人たちが船に戻り、惑星を飛び立ったとき、手を振って彼らに別れを告げたのである。
特徴
雑多な代替パーツで自らを修理したプロト・ワンは、様々な種類のドロイドを掛け合わせたような姿をしていた。彼は男性としてプログラムされたプロト・ドロイドだが、この突貫で作られた機械は一般にジャンク・ドロイドとして認識されていたのである。プロト・ワンは身長およそ1.71メートルで、ヒューマノイドの形状をしていた。彼の頭部、胸部、左腕、右腿は黄緑色をしており、一方で腹部、光受像器、右前腕部、左足は赤色に塗装されていた。また、左腕、右上腕部、右脚は灰色をしており、顔、胸、右足は部分的に黒色をしていた。さらに、プロト・ワンのボディにはいくつかの赤い斑点模様が描かれており、背中には赤い長方形のプリズムが取り付けられていた。
このポンコツのドロイドは杖を使って2本の足で歩いていた。左足は人間とほぼ同じ形状をしていたが、右足は円錐形をしており、そこから三脚のような3本の爪が伸びていた。また、プロト・ワンの両手にはそれぞれが互いに向き合った3本の指が生えていた。顔には光受像器の上に赤いパイプが取り付けられており、眉毛のように見えた。さらに赤いパイプは黒い頭部の周りにも取り付けられており、禿げ頭の人間のような風貌を与えていた。そして顔の下部には音声合成装置が設置されており、これが垂直に伸びていたため、青や口のように見えた。
プロト・ワンは誰にでも好意的であり、彼のスクラップヤードをさまよう見知らぬ人々にも親切だった。だが、彼は相手に対して真っ先に、自分が自身のメーカーであることを誇らしげに語る癖があった。このジャンク・ドロイドは誰に対しても礼儀正しく振る舞っていたが、その長い稼働期間におけるあるとき、BL-17は彼の怒りに触れたことがあった。また、R2-D2は即座にプロト・ワンの善意を見抜いたが、C-3POは彼がBL-17の策謀に気付くまで、この旧式ドロイドを信用することを躊躇っていた。優れた機械工であるプロト・ワンはかなりの旧型ドロイドであるにも関わらず自分の能力に自信を持っており、ケイ・モールとその友人たちを助けるために喜んで<サンド・スロース>の修理を申し出た。また、彼はブーンタを故郷だと考えており、C-3POから惑星を離れるよう勧められたときも、それを断っている。プロト・ワンは銀河標準ベーシックを話したが、バイナリーを理解することもできた。