ダース・プレイガス
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ダース・プレイガス、本名ヒーゴ・ダマスクは、ダース・ベインの系譜を継承するムーンのシスの暗黒卿である。賢者ダース・プレイガスとして歴史に名を残す彼は、ナブー侵略までのおよそ1世紀を生きたミディ=クロリアン操作の達人だった。永遠の命を追い求めたプレイガス卿は、死を欺き、ミディ=クロリアンから新しい生命を作り出す方法を探求していたのである。
銀河系の歴史における彼の最大の功績は、ダース・シディアスをシスの道へと誘い、フォースのダークサイドの訓練を与えたことだった。後にシディアスは銀河系を支配し、シスの一時代を築くことになるのだ。やがて、シディアスはマスターにもはや必要性がないと悟り、就寝中だったムーンを殺害したのである。
その後、シディアスは古い「シスの伝説」と称して「賢者ダース・プレイガスの悲劇」の物語を話し、アナキン・スカイウォーカーをダークサイドへと誘惑した。だが、銀河同盟の時代となっても、プレイガスの正体はジェダイやその同盟者にとって謎のままだったのだ。
目次 |
経歴
出生前
ヒーゴ・ダマスクが生まれる数年前、インターギャラクティック銀行グループの中級職員だった彼の父、フォース感知者のムーン、カー・ダマスクは、ハイ・ポート・スペース・センターで偶然にも著名な宇宙船デザイナー、ルージェス・ノームと出会った。シスの暗黒卿ダース・テネブラスとしての顔を持つノームは、選ばれし者が誕生するまで生き延びるべく、自らマキシ=クロリアンと名付けた邪悪なミディ=クロリアンを介して自分の意識を残すため、長年持ち続けたたった1つの目的に向けて訓練する正統な弟子を探していたのである。そしてダマスクとの出会いから数年後、テネブラスはもう1人のフォース感知者のムーンである下層階級の女性を発見し、彼女を弟子としたが、彼女は見習いとするほどにはフォースが強くなかった。そこで、テネブラスはビスの科学的手法を用い、ダマスクと弟子の子供であれば強いフォースを持って生まれてくるはずだと予見した。この目的のために、彼はムーンの弟子にカー・ダマスクを誘惑させ、子供を身ごもらせたのである。
初期の人生
カー・ダマスクの息子がマイギートーで誕生したのは、ヤヴィンの戦いの200~100年前までの間のどこかのことである。ダマスクはその10年以上前に惑星の行政官となっており、その息子は祖父の名にちなんでヒーゴ・ダマスクと名付けられたのだった。永久凍土の上に築かれた人口のまばらなドーム都市で、過保護な母親によって育てられたヒーゴは、ムーンとしては非常に不安定な幼年期を過ごしていた。彼女は子育てを詳細に記録し、どんな些細なことでも思ったことをすべて話すよう、息子に言い聞かせていたのである。さらに彼女はヒーゴに遊び仲間を与え、彼らとの交流を監視し、それぞれの子供についてどう思ったかを問いただしていた。そして5歳の誕生日を迎えるころ、ヒーゴはフォースを操り、それを使って遊び仲間の感情を操作できることに気付いた。やがて、彼は嫌いになったムーンの子供に強いマインド・トリックを使うことでこの力の限界を試し、その少年を高い窓から中庭に飛び降りさせることで、彼を自殺へと導いたのである。ヒーゴの母は自分にも同じ力があることを密かに打ち明け、息子にこの能力のことを秘密にするよう指示したのだった。
ヒーゴの両親は暗黒卿の闇の情報網を通じてカーを出世させることへの見返りとして、彼をノームに差し出した。テネブラスはこの子供を探し求めていた弟子とし、ダース・プレイガスと名付けたのである。こうしてプレイガスは人生で初めてマイギートーを離れ、シスとしての人生を歩みはじめたのだった。
息子を暗黒卿に差し出してから5年後、カー・ダマスクは銀行グループ財務局の責任者に任命され、IBCで真の権力を手にするという長年の夢を実現させた。やがてカーは会長としてIBCのトップに立ったのである。
ダース・テネブラスとダース・プレイガス
ダース・プレイガスはルージェス・ノームの若い会計士を装い、マスターと共に銀河を旅していた。2人は銀河系を自分たちの支配下に置くべく、不満の種を拡散させるというシスの計画を実行に移していたのである。この旅の中で、プレイガスは銀河の辺境を熟知するようになり、やがて数年が経過したときには、リムでよく見かける荒れ果てた宇宙港、みすぼらしいタップカフ、騒然とした酒場などを我が家と感じるようになっていった。
そしてヤヴィンの戦いの104年前ごろ、プレイガスは惑星カーシッドを訪問する試練を受け、テネブラスと共に初めて、その原住民と戦ったのだった。
後にプレイガスは自らの弟子に、彼が弟子となってから25年後、ヤヴィンの戦いの99年前以降のあるとき、テネブラス卿による訓練下で行われた最初の任務のことを語っている。このときテネブラスは、弟子にカーレッド・サンテ・ジ・エルダーの殺害を命じたのだった。暗殺計画はコルラーグでの晩餐会の間にテレキネシスによる絞殺という方法で実現された。シス卿たちはサンテの殺害の罪をシェフに押し付けるため、巨大イールが供されたことを優位に用いたのである。この試練の後、プレイガスはシスの道から脇へそれたが、それはダークサイドの力に初めて気づいた弟子たちがしばしば辿る道でもあったのだ。
そして父の死後、ダース・プレイガスはダマスクの財産を相続し、ソジャーンの会合を開催する権利を引き継いだ。この会合はダマスク・ホールディングス社によってソジャーンの月で開催されていた、政治家、様々な通商組織やカルテルの幹部たち、さらには悪党さえもが集まる秘密の年次イベントである。ヒーゴ・ダマスクはこの会合を父の代に行われていた上流階級の秘密クラブから、銀河系で最も影響力のある人々を利用するためのシスの道具へと変えたのだった。彼らはダース・テネブラスによって選ばれた1人のエリートに共和国を服従させる準備に着手したのである。
共に過ごした長い間、テネブラスはプレイガスをシスとして適切に訓練することに注力しなかった。その代わりに、彼は自分が無意味な気晴らしだと判断した様々な任務に弟子を送り出し、プレイガスが持つミディ=クロリアン操作の無類な才能を引き出していたのである。その間テネブラスは、このムーンが自分の命の維持と延長にのみその能力を利用すことを確認し、さらに選ばれし者の肉体を手に入れるまで自身が生きながらえることを確実にしようと目論んでいた。やがて、プレイガスはフォースの力と現実社会での力の両方を、マスターが想像する以上に大きく開花させたのだった。
ダース・テネブラスの殺害
ダース・ヴェナミスの発見
ダース・プレイガスとダース・シディアス
ヤヴィンの戦いの65年前、プレイガスは表向きの名前であるヒーゴ・ダマスクを使い、ナブーに出向いていた。彼の所有するプラズマ採掘企業、ダマスク・ホールディングス社がナブーに埋蔵されているプラズマから利益を得ており、同時に彼は密かに弟子を探していたのである。やがて彼はパルパティーンと出会い、その激しい野心と同様に卓越したフォースの強さに驚かされた。そして、パルパティーンが宇宙船に乗っていた自身の家族を殺害すると、プレイガスは彼を弟子にとり、ダース・シディアスの名を与えたのである。また彼は、訓練は厳しいが、やがて自分たちがダース・ベインによって定められたサイクルを打ち砕くことになるだろうと説いた。そうなれば互いに秘密を抱くことも、互いに嫉妬や疑いを抱くこともなくなるだろうというのだ。その後、数十年にわたってシディアスはプレイガスから教えを受け、その間にプレイガスは自分の手に入れた力が永遠に失われることを防ぐため、自分の持つすべての知識を弟子に与えていた。またシディアスへの訓練の間、プレイガスは弟子にシス・ホロクロンも使わせていた。プレイガスの教えはシディアスを恐怖に直面させ、喜ぶことを認めず、愛するものすべてを取り上げたのである。彼はシディアスに、嫉妬や憎悪といった感情はダークサイドを習得するにあたって必要なものだが、さらに大きな目的のために通常の道徳的概念を放棄する最後の手段にすぎないと教えていた。また、プレイガスは弟子に、やがては銀河系を支配することを目的とした権力の掌握方法をも伝授したのである。
一方、シディアスはプレイガスの知らぬ間に、自身の弟子ダース・モールを訓練しており、さらにその前にももう一人の弟子を訓練していたことがあった。だが、シディアスはプレイガスの教義を完全に理解し、彼を倒すのに十分な力を手に入れるまで、マスターを殺さずにいたのである。
ダース・プレイガスの殺害
銀河共和国の最高議長に選出されたパルパティーンは、ついに偉大なる計画を単独で続けるときがきたと判断した。プレイガスから得られるものはすべて学んだため、もはやこの年老いたムーンは彼にとって邪魔者以外の何物でもなくなったのだ。コルサントのカルダニ・スパイア・ビルにあるダマスクのペントハウスで、元老院で披露する予定の就任演説のリハーサルを行っていたとき、パルパティーンはマスターにワインを注いだ。そしてプレイガスが酩酊状態に陥ったのを見たパルパティーンは、マスターが眠りにつくまで辛抱強く待ち、彼に激しいフォース・ライトニングを浴びせたのである。彼はムーンの激しい苦痛を楽しみながら、ゆっくりとマスターに死の拷問を加えた。プレイガスは死に、その弟子がフォースにおける世代交代を成し遂げたのである。
死後
プレイガスによる生命創造の実験は成功した。彼は死の前に計画に着手していたと推測されており、シス卿たちによると、ミディ=クロリアンに影響を与えてアナキン・スカイウォーカーを生み出したのはプレイガスその人なのである。プレイガスはパルパティーンにすべての知識を与えたとされているが、パルパティーン自身はフォースを通じて死を欺くというプレイガスの教えを実践することができず、クローン・ボディに自分の魂を転移するという方法に頼らざるを得なかったのだ。
シディアスは弟子のダース・ティラナスにはプレイガスのことをほとんど伝えておらず、その後の数十年間も、新しい弟子ダース・ヴェイダーに暗示を与えただけだった。しかし、彼はアナキン・スカイウォーカーを誘惑し、ヴェイダーに転向させる際にプレイガスの物語を利用している。パルパティーンによるシスの伝説「賢者ダース・プレイガスの悲劇」には、生命の創造と保存に関する能力のことが語られていたのである。だがパルパティーンによれば、これはプレイガスが他者の命を救うことができても、自分の命を救うことができなかったという悲劇的な皮肉でしかなかった。愛する妻パドメ・アミダラを救うためにプレイガスの力を求めたスカイウォーカーは、後にパルパティーンの弟子となったのである。
またプレイガスの死後、エイペックス協会として知られるシス・カルトの一部のメンバーたちは、カルトの指導者コラン・アイスローこそが、プレイガスをはじめとする死んだシス卿たちの生まれ変わりであると信じていた。
ダース・プレイガスに関する既知の情報が乏しかったため、後の歴史家たちはパルパティーンがマスターに関するすべての痕跡を滅ぼしたのだと推測していた。ウァヴラッド・マニュスクリプトは、ジェダイが持つシスとシディアスに関するわずかな情報源の1つである。銀河同盟と新ジェダイ・オーダーはそこからプレイガスの情報を手に入れたのだった。
人物と特徴
ダース・プレイガスは神秘主義者にしてダークサイドの信奉者、そして来世の不可解な事象の愛好家だった。永遠の命と自然発生の概念に取りつかれた彼は、物質世界にまつわる問題に絶えず没頭していたが、後年になってダース・ヴェイダーは、プレイガスが肉体の死後、実体のない自らの精神を保存する方法を探求していたのだと説いている。また、プレイガスは紛れもなくシス卿だったが、彼は弟子ダース・シディアスとの純粋な絆を持つことも考えており、シスアリのダース・ベインから始まったサイクル、さらには彼ら自身の目的をも破棄しようとしていた。だが、彼はシディアスによって殺害されてしまい、その計画は最終的に失敗に終わったのだった。
賢明なプレイガスは論理的思考力を有しており、弟子のパルパティーンは、彼が視野を内に向けたとき、その先には力と知識の源があると信じていた。またプレイガスは、力とは徐々に手に入れるべきものであり、まずは自身の克服からはじまり、そして銀河系の支配をもって最高潮に達するのだと信じていた。自らの力が成長するにつれ、プレイガスが恐れるものはその力を失うことだけとなっていた。弟子によってマスターが殺されることはシスの継承における通常の手段だったが、彼は自分の死が迫っていることに気付いていなかったのである。
力と能力
プレイガスはフォースの秘術と、その自然の摂理に反した一面を習得していた。彼はそれを使って生命の本質を操作することができ、パルパティーンもその力が自分の内なる目的に直接結びつくものだと考えていたのである。プレイガスは他者を死から救うことができ、極端な使い方をすれば、あらゆる生命体の中に存在するミディ=クロリアンから新しい生命を作り出すこともできた。さらにプレイガスは、フォースと一体となることでその中に自らの意識を存続させる能力を発見していた。だが、彼は非物質界に関心がなかったため、死から生き延びる手法を好まなかったのである。