ナル・ハッタ
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ナル・ハッタ(ハッティーズ語で輝ける宝石)は、イトーブ星系に属するハット・スペースの首都惑星である。かつてこの惑星はエヴォカーとして知られ、エヴォカイたちの本来の故郷だった。だが彼らはヤヴィンの戦いの15,000年前にハットによって追放され、その後ハットたちが従者のトランダ・ティルを引き連れてこの惑星に移住したのである。ナル・ハッタはヤヴィンの戦いの4,000年前から3,000年前の間には、単にハッタと呼ばれていたこともあった。この惑星は太古のハット・ファミリーによって支配されており、その影響力は衛星ナー・シャダーにも及んでいた。
目次 |
地理と文化
かつてエヴォカーとして知られていたナル・ハッタは非常に大きな惑星だが、天然の重金属が不足していたため、他の多くの惑星と比較して密度は低かった。かつてこの惑星は広大な海洋を持つ鬱蒼としたジャングルの惑星だったが、やがてハットたちによって汚染され、荒れ果てた不毛の惑星へと変化したのだった。
ナル・ハッタとして知られるようになって以来、この惑星の地表は湿地、沼地、悪臭を放つ水溜り、弱弱しい水草の藪に覆われるようになり、無数の昆虫やクモが棲みついていた。ハットによる環境変化を生き延びた他の少数の種族は突然変異を起こし、この汚染された過酷な環境に適応したのだった。中にはケミリザードのように、ハットの排出した工業廃棄物から養分を吸い取る生物まで存在しており、一方で他の生物たちは極めて強固な化学的防衛本能を発達させていた。また、固有種が生息している地域では激しい生存競争が行われ、その結果、ナル・ハッタの多くの種族が銀河系で最も獰猛な動物たちとなったのである。
大気も露天掘りの採鉱事業と重工業化によって汚染されており、油分を含んだ雨が地表に降り注いでいたが、恒常的に雨が降っている地域はダゴバほど広くはなかった。地表では天然資源が露天掘りによって常に採鉱されており、それらは加工と輸出のため衛星ナー・シャダーに運ばれていた。また、ナル・ハッタの首都はビルボーサであり、この惑星にはガージャ造船所があった。
ナル・ハッタはハッティーズ語で輝ける宝石を意味するが、これは付近に広がる巨大な放射性のガス雲に由来する。このガス雲の中には惑星ガナスがあった。
この惑星は古代氏族会と呼ばれる最古のハット・ファミリーによって統治されていた。彼らは本拠地からナル・ハッタとナー・シャダーの両方の活動を監視していたのである。
歴史
ハット帝国
ハットの起源は惑星ヴァールにあると言われているが、伝説によるとこの惑星は2つの太陽を持つ緑に恵まれた惑星だったという。ハットたちはその2つの太陽がブラックホールと衝突し、これによって引き起こされた爆発と流星の雨がヴァールを焼け焦げた砂漠の惑星にしてしまったと信じていた。この禍でほとんどの原住生物は絶滅してしまったが、ハットだけは生き残り、繁栄を続けたのだとされている。この説は明らかな科学的矛盾を含んでいるが、今日のヴァールが荒廃した惑星であるのも紛れもない事実である。
他の種族と同様にハットも多くの惑星に進出しており、ヴァールを逃れた彼らが新しい故郷として選んだ惑星がナル・ハッタだった。彼らは銀河系の暗黒街で実力者となっていたため、こうした惑星を買い取るのに十分な富を持っていたのだ。
ヤヴィンの戦いの15,000年以上前、ヴァールを逃れたハットたちが最初に関心を示した場所はイトーブ星系である。黄色く輝くイトーブは居住可能な4つの惑星を含む6つの惑星を有しており、なかでも最大の惑星エヴォカーはその大きさに反して極めて人口が希薄だった。このときエヴォカーで暮らしていた種族は原住のヒューマノイド、エヴォカイである。ハットの入植者たちはまずエヴォカーに小さな土地を入手すると、その後ビジネス上の取引を通じ、伝説的とも言える貪欲さでその所有権を膨らませていったのだった。ハットは比較的原始的な種族だったエヴォカイに近代テクノロジーを分け与え、その見返りに少しずつ土地を奪っていったのである。
旧共和国
ヤヴィンの戦いの15,000年前、ハットの故郷の惑星ヴァールの崩壊後、ハットたちはアリー出身のヴィピットの法律顧問と結託し、エヴォカイから新しい故郷に相応しい惑星エヴォカーを買い上げた。ハットは法的手段と暴力的手段を巧みに織り交ぜ、自分たちをこの惑星の支配者に仕立て上げると、それをナル・ハッタと改名したのである。エヴォカイたちもハットが惑星を丸ごと買い取ろうとしているなどとは思いもよらず、建設チームが到着したときに初めて彼らの本心に気付いたのだった。やがてエヴォカーの地表のいたるところにハットの宮殿、アミューズメント・パーク、その他の建造物が造られた。そしてついにエヴォカイの最後の建造物が破壊され、宮殿やテーマパークに姿を変えられてしまう。古代の記念碑もハットの聖堂に置き換えられたが、エヴォカイたちにはなす術がなかった。さらにハットたちは草木の生い茂る山地の熱帯雨林を破壊し、惑星を彼らの考える楽園へと変えたのである。
エヴォカイは銀河共和国に訴えを起こしたが、ハットの用意した法的な抜け道はジェダイでさえ見破ることができないほど巧妙なものであり、共和国もこの契約は完全に合法的なものであると認めるしかなかった。やがてエヴォカイの多くがハットによって追い払われ、後に密輸業者の月、ナー・シャダーと呼ばれるようになる第5衛星へと移住したのである。そしてハットたちは残されたエヴォカイの農業や、当初のままの地形をすべて破壊し、惑星上から元の姿を完全に消し去った。ナル・ハッタに留まったエヴォカイたちの大半は奴隷となり、ナル・ハッタの都市建設に従事させられたのである。
都市で奴隷となることを逃れていた少数のエヴォカイたちが集結し、ハットとその利益に打撃を与える反乱組織を結成したこともあったが、最終的に彼らは敗北し、処刑されてしまった。一方、移住したエヴォカイたちは契約労働者として搾取され、衛星での都市建設に従事させられていた。建造が始まったばかりだったナー・シャダーの垂直都市も、ナル・ハッタと共に急速に成長していったのである。やがてナル・ハッタの都市が完成すると、惑星で働くエヴォカイたちは衛星へ移住させられ、ナ・シャダーで働く仲間たちの支援をさせられた。そして5世紀後、ついに月の全体が都市化されると、ようやくエヴォカイたちはハットによる強制労働から解放されたのである。だが、彼らはナー・シャダーの地下都市で難民となり、この衛星で実践された様々なテクノロジーによって、未開人へと変化を遂げていったのだった。
この当時、ナー・シャダーはコルサントに匹敵する星間交易拠点だった。そしてヤヴィンの戦いの4,000年前、オートミアン・パボル・ハイパースペース・ルートが壊滅したため、交易ルートが変わるまでの間、ナル・ハッタとその衛星は、密輸業者、海賊、その他の犯罪者たちにとっての天国へと発展していったのだった。
ヤヴィンの戦いの3,951年前の暗黒大戦の間、ナル・ハッタはエクスチェンジから購入した難民たちをナー・シャダーの難民セクターで奴隷化していた。
またヤヴィンの戦いの3,681年前にシス帝国と銀河共和国との間で始まった銀河大戦のとき、ハットたちは中立を維持するとで、惑星を完全に無傷のまま残すことができたのだった。
クローン大戦中もナル・ハッタはハットの本拠地であり続け、この銀河系規模の戦争からも大きな影響を受けず、平穏を保っていた。この当時ナル・ハッタにはハット大評議会が置かれており、タトゥイーンの事業に専念していたジャバ・ザ・ハットはガーデュラ・ベサディを代理として評議会に立てていたのである。
ヤヴィンの戦いの21年前、脱獄に成功したズィロ・ザ・ハットはナル・ハッタへ逃亡したが、評議会の多数に及ぶ犯罪情報を記録したホロ日誌の提供を拒んだため、評議会によって再び投獄されてしまう。そして評議会の牢屋から逃れた後、彼はガールフレンドのサイ・スヌートルズと共に濁った沼地を横断し、ママの小屋へと向かったのだった。ズィロは彼女から宇宙船を借りたのである。
銀河帝国
銀河内乱の間、銀河帝国は名目上ナル・ハッタを支配していたが、その大部分において通常の事柄はそれまで通りハットの有力氏族が取り仕切っており、帝国がこの星系に踏み込むのは反乱軍シンパや他の犯罪者の捜索を行うときだけだった。
ユージャン・ヴォング帝国
ユージャン・ヴォング大戦の最中、ナル・ハッタはこの外銀河のエイリアンによる軌道爆撃の後、ヤヴィンの戦いの28年後のハットの協定への報復として征服された。イトーブ星系がユージャン・ヴォングの最も恐ろしい数隻の戦艦に包囲され、多くの目的のため、いくつかの有機生命体がナル・ハッタとその衛星ナー・シャダーへ送り込まれたのである。様々な種類のバクテリアが住人たちの大半を殺傷し、その残骸がナル・ハッタの土に還ったのだった。
惑星上のテクノロジーはすべて破壊され、それらも土へと吸収された。その結果、ナル・ハッタは生命のない荒れ果てた惑星へと変ったのである。しかし、ハットたちはユージャン・ヴォングの支配下でその後2年間生き延びたのだった。ユージャン・ヴォングはヴォングフォーミングによって、ナル・ハッタの生命のない荒れ果てた地表を彼らにとって快適な環境へと変化させ、その結果、惑星の地形は二度目の完全な変異を遂げた。このプロセスが進む中、ユージャン・ヴォングはイトーブ星系の外にも手を伸ばし、ハット・スペース全体を飲み込むと、ハット帝国を荒廃させたのである。
結果としてハットの暗黒街が組織され、ヤヴィンの戦いの28年後、新共和国がこの惑星へと進攻した。やがて戦争が終わると、ハットとレジスタンス運動はナル・ハッタを放棄し、砂漠の惑星タトゥイーンに拠点を移すことになる。ハット・スペースの先にあるアーカニス・セクターのこの惑星は、歴史的にハットの影響力が強い惑星だったのだ。
レガシー時代
ユージャン・ヴォングの努力に反し、彼らが導入した動植物は確固としたハットの生態系に阻まれ、ナル・ハッタやナー・シャダーで繁栄することができなかった。ヤヴィンの戦いの29年後、彼らはヴォングフォームした惑星と衛星を放棄する。そして数十年後、ハットがついにナル・ハッタとその衛星を奪回したのだった。また、ヴォングフォームされた惑星やナー・シャダーでシェルターに避難していたため、ユージャン・ヴォング大戦を生き延びた幸運な犯罪者たちも存在した。
そしてヤヴィンの戦いの40年後、衛星と同様にナル・ハッタはファイヴ・ワールドと正式な同盟を結ばず、独立した状態を維持していた。一方で、第2次銀河内乱の際には連合に加わったが、ハットたち自身は比較的中立の立場をとっていた。その1年後、ハットの暗黒街はついに仲間の犯罪組織に加わり、同様に連合へと吸収されていったのである。