ブースター・テリック
(ブースターから転送)
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コレリア生まれのブースター・テリックは密輸業者、そして雇われの宇宙パイロットとして銀河系を飛び回っていた。後に彼はインペリアル級スター・デストロイヤーの名目上の艦長になるが、密輸屋時代は小型スター・ヨット<パルサー・スケート>の初代オーナーに過ぎなかった。この出世振りはまさに彼の波乱万丈に満ちた人生を反映しているといえるだろう。
解説
ウェッジ・アンティリーズがガス・トリータで両親を失ったとき、この事件を引き起こした海賊への復讐を手助けしたのがブースター・テリックだった。しかし、ブースターはコルセックのハル・ホーンに逮捕され、ケッセルの刑務所で懲役5年の刑を宣告されてしまう。そのため2人は決して海賊を追い詰めることができなかった。やがて釈放されたブースターは、娘のミラックス・テリックが法に守られた自由な人生を歩んでいたことを確認する。彼女は父親と同じ運命を辿っていなかったのだ。そして彼女がローグ中隊、特にコラン・ホーンと深い関係にあることを知ったとき、ブースターは自分を拘留していた男の息子を支えているという奇妙な事実に気づいたのだった。
その後もブースターはウェッジに惜しみない支援を続け、ヤグダルを巡る宇宙ステーションに密輸業者の楽園を作るという計画も喜んで受け入れた。これは新共和国の任務を辞職したローグ中隊に隠れ家を提供するための計画だったのだ。彼はこの宇宙ステーションの防衛に力を尽くし、動作はするが役に立たない武器をいくつか配置する。さらには何も装備のなかったローグ中隊のXウィングのために、プロトン魚雷や震盪ミサイルをかき集めたのだった。
ローグ中隊はヤグダルの宇宙ステーションを無防備な状態にしたまま出撃し、イセイン・アイサードの軍を罠に誘い込むという大胆な計画を実行に移す。ブースターの偽装防衛網は<ルサンキア>のジョーク・ドライッソ艦長に500発のミサイルによる集中砲火の危険性を印象付け、彼に撤退を決意させたのだった。そして宇宙ステーションと<ルサンキア>の巨大な重力井戸によってパッシュ・クラッケンのエース中隊がハイパースペースから引き出されると、この短い戦いは終わりを告げたのである。このとき、ブースターは<ルサンキア>の勝利を想定していたインペリアル級スター・デストロイヤー<ヴィラランス>を無傷で捕獲した。そして、彼はエース中隊が自分の防衛網の一部であると豪語し、<ヴィラランス>の女性艦長ラックウィー・ヴァースチャに降伏を決断させたのである。
その後、ブースターとエース中隊は<ヴィラランス>をタイフェラへ運び、戦いの流れをローグ中隊に引き寄せた。この英雄的行為と論理武装を盾に、ブースターは<ヴィラランス>の所有権を要求する。新共和国のエイレン・クラッケンは始めにこれを躊躇したが、コラン・ホーンはクラッケンに対して、海難救助法の解釈からブースターに船の所有権を認めなければならないことを指摘した。宿敵の息子による助け舟にブースターは驚くが、これはミラックスとホーンとの婚約を承諾させるための見返りだったのである。このとき、密輸業者のタロン・カードも<ヴィラランス>の艦載兵器を除去して新共和国に売却してはどうかという提案を行い、取引きを手助けした。こうしてブースターは合法的に<ヴィラランス>を獲得し、<エラント・ヴェンチャー>と改名したのである。
ブースターは自分のスター・デストロイヤーを大幅に改造し、密輸業者や他のパイロットのための巨大移動雑居店へと作り変えた。しかし、その後何年たっても彼はこの船からほとんど利益を上げることができず、維持費だけで多くのクレジットを消費していったのだった。
やがてブースターはミラックスとアイエラ・ウェジリに呼び出され、<ルサンキア>の囚人の捜索に駆り出される。この戦いで彼らはローグ中隊と敵対していたイセイン・アイサードのクローンによる企みに気づくが、ディストナからローグ中隊を救出するには遅すぎた。それでも彼らは生存者のウェス・ジャンソンとエイシア・セイラーを何とか救助し、モン・モスマがローグ中隊の全滅を発表したときも、2人が生きているという秘密を守り通したのだった。その後ジャンソンはコルサントへ送り返されたが、エイシアはボサン社会を変えるために「死んだ」ままでいてほしいと頼まれたのである。
ボースク・フェイリャがブースターに仕事をもちかけてきたのはその直後のことだった。フェイリャはボサンのマーティアス(英雄のこと)の墓にエイシアの代わりとして埋葬されるべきボサンの遺体を求めており、それをブースターに手に入れてほしいと考えていたのだ。話を理解したブースターはこれ以上聞く耳を持たなかったが、手下に適当なボサンを殺害させてもいいというフェイリャの主張に驚かされる。ブースターはフェイリャに激しい憎悪を抱き、渾身の力で彼を殴りつけた。後に彼はアイエラにも、フェイリャは日陰で暗躍する卑劣漢であり、敵以外の何者でもないとまで言い放っている。
数年後、ウェイランドでカーマス・ドキュメントが発見されるという事件が起こると、ブースターは再び新共和国に助けを求められた。彼は偽装工作の一環として<エラント・ヴェンチャー>に<ティラニック>の偽名を使い、ドキュメントのコピーを手に入れるべく残存帝国軍の支配惑星ヤガ・マイナーへと向かう。しかし、帝国軍は<ティラニック>がボサウイの軌道上でクローキング・シールドを使った作戦に従事していることに気づき、ブースターを捕らえようと追跡を開始するのだった。しかし、彼は新共和国との和平を目指すペレオン提督の介入によって救われたのである。
そしてユージャン・ヴォングによる銀河系への侵略が開始されると、ブースターは<エラント・ヴェンチャー>に立てこもり、隠れ続ける道を選ぶ。しかし、ジェイセン・ソロとジェイナ・ソロは、ヤヴィン4のジェダイ候補生たちの救助を求め、彼に連絡を試みた。孫のヴァリンがその場にいることを知ったブースターはソロたちの呼びかけに応じ、ジェダイの救助に向かうのだった。その後、彼はさらに安全な場所が見つかるまで、ジェダイ・プラキシウムの候補生たちを匿うと約束したのである。