ジェイナ・ソロ・フェル
(ジェイナから転送)
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解説
ジェイナ・ソロは僅か5分の差でハン・ソロの最年長の子供になった。彼女とその双子の弟ジェイセン・ソロは、銀河中心部を奪還しようとするスローン大提督の目論みの最終日に、コルサントで生まれたのだった。こうした戦乱の時代に、レイアとハンは子供たちを危険から遠ざけるため、様々な安全な惑星に隔離していた。しかし、ソロの子供たちは何度も誘拐されかけ、やがて両親は家族一緒になって暮らすことを決意したのである。
コルサントでは、双子はC-3POとウィンターによって育てられていた。レイアは新共和国国家元首だったため、可能な限りの努力はしたものの、家族のために捧げる時間は極限られたものでしかなかった。ジェイナが年を取るにつれ、レイアはますます遠い存在になっていき、彼女はいずれ憤慨するだろうことに気づき始めていた。
頑固なジェイナは機械いじりの才能を開花させ、これは父の誇りでもあった。9歳のとき、彼女は既に<ミレニアム・ファルコン>を飛ばしており、簡単な修理であれば父を手伝えるようにもなっていた。
そして14歳になるころには、ジェイナは既に有能なパイロットだった。彼女はヤヴィン4にあるルーク叔父のジェダイ・アカデミーに参加し、素晴らしいフォースの才能を磨きながら、ローバッカ、テネル・カー、ゼックといった新しい、そして長く付き合うことになる友人たちを作っていった。やがて第二帝政や多種族同盟などによる攻撃を生き延びたジェイナは、マラ・ジェイドの弟子となる。2人は意気投合し、ジェイナはジェダイとして、そしてパイロットとして成長していったのである。
ユージャン・ヴォングによる侵略が始まると、彼女はXウィングの操縦技術を認められてローグ中隊に迎え入れられる。ローグ11となって飛んでいるジェイナの通称は「スティックス」だった。イソアでの任務の最中に、彼女はジャグド・フェルと名乗る仲間のパイロットと出会う。彼はチスの防衛軍と共に飛ぶ新共和国の協力者だった。ジェイナは自分の中で何かが動くのを感じ、ジャグド・フェルの操縦技術とその氷のように冷静な振る舞いに心から敬服したのだった。
ジェイナはカラーバでユージャン・ヴォング軍に撃墜され、足と胸を負傷してしまう。さらに強い磁場に晒されたことによって一時的に視力を失ってしまった。彼女はデュロで治療に当たっていたが、その間にユージャン・ヴォングはこの古代惑星を奪うべく侵略を開始していたのである。
ユージャン・ヴォングによる危機は、若いジェイナにとって非常に辛い試練となっていた。彼女は成長期を迎える前に戦争の厳しさと直面することを強いられたのだ。それでも絶え間ない冒険に満ちた10代の日々のなかで、彼女は何とか死の教訓を免れていた。しかし、チューバッカの死とそれに続くソロ家の苦境で、ジェイナは自分の個性を形作る決して拭い切れない教訓を学んだのだった。
レイアは娘が子供たちの中で最も実践的であると信じている。瞑想的なジェイセンは優柔不断によって引き篭ることが多く、衝動的なアナキンは結果を無視して無謀な行動に走ってしまいがちである。だが、ジェイナは自分の行動を計算し、頃合を見計らうことができていた。もっとも、彼女にも怒りっぽいところがあり、頑固な性格から口論を起こすことも多い。ときとしてジェイナは消極的な弟や、自分たちから遠ざかってばかりいる母親を叱り付けることもあったのだ。
辛い戦争が続くなか、ジェイナの気性は彼女自身を破滅へと近づけていった。アナキンを失い、ジェイセンが行方不明となったことでジェイナは激怒し、フォースのダークサイドに触れたのである。彼女の実践的な考えは、叔父によるジェダイの教えにあった思いやりや信念を危険なほどに蝕んでいった。やがて、彼女はオーダーをより先制行動的な方向へと改善するべきだと主張するキップ・デュロンと行動を共にするようになる。
弟の命を奪われるという最悪の結果を招いた任務から逃れるとき、ジェイナはノム・アノアの宇宙船<クスター>を盗み取った。しかし、コルサントはすでに敵の手に落ちていたため、彼女はジェダイの奇襲部隊の生存者を引き連れてヘイピーズ星団へと向かう。ところが、ヘイピーズでは前クイーン・マザーのタア・チュームが現クイーン・マザーのテネニエル・ジョーを排除しようと企んでいたのだ。タア・チュームは息子のイソルダー王子とジェイナを結婚させようと考え、必然的にジェイナはこの陰謀劇に巻き込まれてしまうのだった。
<クスター>を詳しく調査した結果、ジェイナはユージャン・ヴォングの宇宙テクノロジーの基礎となっている原理を発見する。宇宙空間にあるユージャン・ヴォングの生物兵器はそれぞれが固有の重力サインを持っており、それによって互いを識別していたのである。彼女はこの知識をユージャン・ヴォングに対して使うための計画を立案した。そしてその危険な賭けは大成功を収めることになる。ジェイナのトリック作戦によってユージャン・ヴォングは敵味方を識別できなくなり、甚大な被害を受けたのだ。彼女はこれを機に<クスター>を<トリックスター>と改名している。ジェイナの評判は新共和国の工作員による巧妙な情報操作によって膨らんでいった。新共和国の高官たちが彼女を「女神」や「偉大なる者」として称えると、ユージャン・ヴォングは彼女を隠匿の女神ユン=ハーラと結び付け、心理的動揺を引き起こしたのである。
その後、ジェイナはジャグド・フェル大佐に随行するようになり、ボーレイアス、オブロア=スカイ、エバック9で疲れ知らずの戦いを続けていた。2人は一応互いの感情を探ってはいたが、それは戦争を背景とした危険な恋だった。やがてジェイナは中佐に昇進し、銀河連邦自由同盟の旗のもと、かつての新共和国を再建しようという両親を支えるべく、宇宙を飛び続けている。