ハリー・バートーニ
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ハリー・バートーニは、共和国の銀河元老院で故郷カミーノを代表していた高齢のカミーノアン女性である。共和国グランド・アーミーにクローン・トルーパーを提供していたカミーノアン科学者たちのクローニング工場は、クローン大戦中の分離主義勢力に対する共和国の戦争努力の中で必要不可欠な存在だった。その結果、クローンの生産元としてカミーノは銀河元老院での議席を獲得したのである。バートーニ議員は、主として自国民のさらなる利益の追求と、共和国が分離主義勢力による反乱を確実に鎮圧できるようにするため、クローン・トルーパーの増産を強く提唱していた。彼女の政治的立場は元老院の多くの保守派同盟者によって支持されていたが、同時に反戦派の議員たちからは批判の的とされていた。バートーニの主な政敵は、ナブーのパドメ・アミダラ、ローディアのオナコンダ・ファー、オルデランのベイル・オーガナだった。
目次 |
経歴
カミーノの元老院議員
ハリー・バートーニは、分離主義運動の解決に対する外交的失敗の後、ヤヴィンの戦いの22年前に勃発した銀河系規模の抗争、クローン大戦の結果として政治の世界に足を踏み入れた。武装勢力による反乱が隆起し、銀河共和国はその主権を独立星系連合によって脅かされるようになったのである。しかし同時に、アウター・リム・テリトリーに位置する惑星カミーノが、10年にわたって極秘に進められていた計画、すなわちクローンの兵士のみで構成される大規模な軍隊の製造を明らかにした。戦争の恩恵によって、クローンの製造はカミーノの最も価値ある産業となり、カミーノは共和国の加盟惑星として銀河元老院に代表を送り込めるようになったのである。コルサントに拠点を置く共和国政府の立法機関に議席を与えられたカミーノは、元老院議員としてバートーニを選出したのだった。
政治家としてのバートーニは、元老院内に敵と味方の双方を作っていた。片側で、彼女の戦争支援政策は、反逆者たちとの交渉を通じて法を無視した反乱を終結させたいと願うパドメ・アミダラやオナコンダ・ファーなどの反戦派議員たちから反発を受けていた。だが他方で、彼女はアンバラのミー・ディーチ議員や、マス・アメダ副議長から強い支持を受けていたのである。やがて、クローン・トルーパー製造の維持と拡大を強く推進するバートーニ議員とその同調者たちは、500万体のクローン・トルーパーの増産を認可する元老院の法案を可決させ、政治的勝利を手にした。そして戦争後期になると、バートーニはアメダやディーチ議員たちの前で、クローンの初期のアーマーを改良したフェーズII・アーマーのホログラム・ディスプレイを発表したのである。
元老院での多数派工作
平和主義と外交努力によってクローン大戦の勃発を阻止する試みは失敗したが、パドメ・アミダラ議員は分離主義勢力との交渉を訴え続けていた。オナコンダ・ファー、ベイル・オーガナ、モン・モスマなどの心を同じくする議員たちの支援によって、アミダラは個人の理想を実現するための法案を提出する。これが可決されれば、クローン・トルーパーの製造が停止され、共和国グランド・アーミーは追加兵力を得られなくなるのだ。だが、この法案はカミーノの経済的利益を脅かすことにもなり、バートーニは共和国を戦略的窮地に追い込むであろう法案について、アミダラとその同調者たちに憤慨した。その後、彼女はアミダラたちの祝宴の場を突如訪問し、彼らを共和国への陰謀を企てている分離主義勢力の支持者だと告発したのである。
バートーニとアミダラとの対決の直後、ファーが突然床に倒れ、死亡した。このローディアンの議員の不審な死は、タン・ディヴォ警部補率いるコルサント保安部隊による捜査によって調べられることになる。そしてファーの遺体の検死結果から、彼が毒殺されたことを示す証拠が発見された。アミダラは即座にバートーニとディーチの犯行を疑ったが、彼女には動機以外にその推理を支える根拠が欠けていたのである。
元老院での連続殺人
アミダラはすぐさまディーチのオフィスで両者と対峙したが、バートーニは彼女の推理を非論理的だとして退ける。彼女は、ファーの政治家としての無能さが自身の資金獲得に大いに役立ってくれたと主張した。同様にディーチも殺人の訴えを否定し、亡きライバルを尊敬していたと告げるが、バートーニはこのローディアンを全く尊敬などしていなかったと付け加える。だがディーチは、ファーが死亡前の夜にコルサント・ドックで何者かと密会を行っていたという情報を提供した。そしてアミダラとオーガナがその現場を調査に向かったとき、彼らは謎の攻撃者によってあわや殺されかけたのだった。アミダラとオーガナは、ディーチが彼らの殺害を企てたのだと推測した。その後、2人の議員は再びディーチとの対決に臨んだが、アンバランの議員は既に殺されていたのである。ディーチの死によって、疑いの目はバートーニに強く向けられたのだった。
暴かれた真犯人
オナコンダ・ファーの補佐を務めていたロロ・パーズが、バートーニに殺されかけたと訴えたとき、タン・ディヴォ警部補は殺人未遂の容疑でこのカミーノアンの議員の逮捕状を請求した。バートーニはすぐに逮捕され、コルサント保安部隊によって議長の特別室へと連行される。そこで彼女は、アミダラやパルパティーン最高議長をはじめとする議員たちの前で、ディヴォによる尋問を受けたのだった。バートーニは無罪を訴え、パーズへの襲撃も、ファー殺害への関与もすべて否定する。彼女曰く、その2人には殺す価値すらないというのだ。そしてディーチに関しても、バートーニは政治的同盟者を殺害する動機はないと主張したのである。
しかし、ディヴォはバートーニが殺人犯であると確信していた。明らかにされたのは疑惑と状況証拠だけだったが、CSFの将校は、彼女がファーの死の直前にアミダラのオフィスを出たという事実から、バートーニが彼を殺害したと断定したのである。彼はファーが密かに会っていた人物もバートーニであり、真実を隠蔽するためにディーチも殺害したのだと考えていた。さらにファーの遺体の検視結果から、彼を死に至らしめたのはカミーノアンによって作られた毒薬であることも判明した。それはローディアンにのみ致死の作用を及ぼすように作られていたのである。ディヴォは、彼女がカミーノアンであることから、ファーを殺害する動機、手段、機会があったと主張し、バートーニが犯人であるという結論を下したのだった。
だが、アミダラは警部補の推理に欠陥があることに気付いた。その毒は他の議員たちも飲んだが、その中にはロロ・パーズも含まれていたのである。パーズもローディアンであるため、彼女も毒を飲んだのなら死んでいたはずなのだ。アミダラが真実に近づいたそのとき、パーズが隠し持っていたブラスター・ピストルを取り出し、かつての友人であるアミダラを人質にとった。パーズは自分がファーとディーチを殺したことを自白し、アミダラが説明を要求する。パーズはファーを密かに嫌悪しており、彼をローディアに対する反逆者と見なしていたことを告白した。彼女の見地からすると、ファーのクローン大戦への反対姿勢はあまりにも弱すぎたのである。この瞬間に、2体のCSFポリス・ドロイドがパーズの背後に出現し、彼女の不意を突いた。そしてアミダラがその隙をうまく利用し、ローディアンの顔面を殴打して武器を奪う。こうしてロロ・パーズの犯罪が明らかになり、ハリー・バートーニはディヴォによる告発から逃れることができたのだった。
元老院での勝利
共和国行政府ビルでの事件の後、銀河元老院はアミダラの法案に対する採決を行った。だが、大多数の議員はクローン・トルーパーの製造の継続を支持して法案に反対票を投じ、バートーニとその同調者たちはアミダラとその支援者たちに対する大きな政治的勝利を収めたのである。そして会議が閉会すると、パルパティーン議長が敗北したアミダラを慰め、自分もバートーニの考えには反対だと告げた。だが、彼は多数派が支持した結果だと付け加え、多数決こそが民主主義の根幹であることにアミダラも同意したのである。その一方で、パルパティーンはバートーニの見地にも一定の理解を示していると告白した。彼は、共和国から必要とされる兵士を奪いつつ、その一方で防衛力を強化することは、元老院にとって偽善に他ならないだろうと語り、自分の意見を擁護したのである。
人物と特徴
ハリー・バートーニはその意見の裏に強い決意を持つ人物だった。彼女の政治的見識と強い人脈は、銀河元老院内の同調者たちと故郷カミーノの人々の間で大きな尊敬を集めていた。政治家としての彼女の最大の関心事は、クローン・トルーパーの生産などによる故郷の利益を代弁することである。また、彼女は銀河共和国に忠誠を誓っており、分離主義者たちを反逆者と見なしていた。バートーニは共和国の敵に対して激しい憎悪を抱いており、同様に彼女の立場に異を唱える政敵たちとも争っていたことから、元老院内に反逆者がいるという疑いを抱いていた。クローンの継続生産を強く支持するバートーニは、共和国の軍縮によってクローン大戦を終結させたいと願うナブーのパドメ・アミダラを、その政治思想から敵と見なしていたのである。
バートーニ議員は極めて好戦的で露骨な政治家だった。中にはこのカミーノアンの代表が自身の政治的キャリアを積み上げるために、不正行為や道徳を無視した活動を行っていると疑う議員たちもいたほどである。彼女はカミーノが共和国に加盟し、元老院での議席を得て以来、自分の惑星にとってクローン・トルーパーがいかに重要な存在であるかをよく認識していた。そのため、このカミーノの最も価値ある商品の削減や撤廃を求める法案はバートーニによってすべて反対されていたのである。