ガーデュラ・ベサディ・ジ・エルダー
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ガーデュラ・ベサディ・ジ・エルダー、通称ガーデュラ・ザ・ハットは、タトゥイーンを支配していた多くの強大かつ貪欲なハットの犯罪王の1人である。あるとき、女性期だった彼女はアナキン・スカイウォーカーとシミ・スカイウォーカーの親子を所有していた。しかし、ポッドレース賭博に負けた彼女は2人の所有権をトイダリアンのジャンク商人ワトーに譲ることになる。事実、ガーデュラは過剰なギャンブル欲によって失敗と敗北を繰り返し、その長い人生を台無しにさせたのだった。また、彼女はガーデュラ・ザ・ヤンガーとデッカの母親としても知られている。
目次 |
経歴
犯罪とギャンブル
人生の大半を女性として過ごしていたハットの犯罪王ガーデュラ・ジ・エルダーは、タトゥイーンにおけるジャバ・ザ・ハットの親友であり、ライバルの1人でもあった。事実、両者の間にはロマンスの噂もあり、ガーデュラがタトゥイーンのモス・アイズリーにあるジャバのタウンハウスに招かれていた姿も頻繁に目撃されている。彼女はジャバより100標準歳ほど年上だが、犯罪行為による悪名の高さは同程度だと言われていた。ジャバもガーデュラの力と大胆さに魅了され、彼女を愛すると同時に支配したいと考えるようになったのだ。しかし、彼女もジャバに対する自分の影響力を知っており、自分を満足させ、あるいは征服しようとするジャバの幼稚な衝動にうんざりすることになったのだった。
ガーデュラはベサディ・カジディクと呼ばれるハットの有力な犯罪ファミリーの一員としてナル・ハッタで生まれた。しかし、彼女の氏族はナル・ハッタを揺るがしたハットの権力争いに遅れをとり、ジャバの属するデシリジク氏族ほど利益を上げていなかった。そして雲行きが怪しくなると、彼女は氏族の長老たちによる説得を受け、デシリジクからの保身のため、辺境のタトゥイーンへと送られることになった。だが、ガーデュラ自身も自分を無力な子供のように扱う長老たちに嫌気が差しており、タトゥイーンで状況を一変させることによって、一族を見返してやろうと考えていた。不毛な惑星に追いやられたことに混乱し、激怒しながらも、彼女は氏族が所有する小規模な犯罪組織の拠点をモス・テイクに移動させ、奴隷売買、密輸、高利貸しを行う強大な犯罪帝国に育て上げた。この事実は、ガーデュラがナル・ハッタに戻っても、氏族は安泰であるということを十分に知らしめたのだった。
その後、ベサディ氏族は、デシリジクがガーデュラの組織を監視させるため、ジャバをタトゥイーンに送り込んできたことを知った。このとき彼女がナル・ハッタに戻れば、ベサディ氏族が直接タトゥイーンを支配することになっただろう。皮肉にも組織があまりにも大きくなりすぎたため、彼女はそれを守るべく、さらにタトゥイーンに残ることを命じられたのだった。しかし、それだけでも不十分だとした氏族は、さらにベサディの立場を強化するため、彼女にジャバとの結婚を前提とした求愛をするよう命じてきた。結婚してしまえば、ガーデュラは思う存分満足できる方法で彼を殺害することができた。逆にジャバが魅力的なハットであれば、彼女はジャバをビジネス・パートナーとして迎え入れ、組織をさらに大きくすることもできるはずだったのだ。
しかし、ジャバと面会したガーデュラは、彼の粗暴な外観と自意識過剰さに失望することになる。だが、それでもガーデュラはこの縁談をビジネスとして割り切り、ジャバに対して適切な提案を行っていった。一方、ジャバもガーデュラに努力するだけの価値があると判断し、彼女の承認を得るために無数の戦略を試みたのだった。彼はガーデュラの愛を手に入れるため、彼女を自身の祝典に招待した。このとき彼女は即座に、ジャバがその獣のような容姿の内側に真の知性を隠していることを見抜いたのである。
ジャバはさらに次の計画として、ガーデュラの好物である小型のヌーナを送ってきた。そして1週間後には、ジャバは彼女の密輸船を襲撃するために海賊団を派遣し、そのときの略奪品を「贈り物」として彼女にささげたのである。その後もジャバはさらに自己をアピールし、彼女の自分への依存度を増大させようと試みた。しかし、ガーデュラの彼に対する嫌悪感はますます増大していったのだった。
ジャバの狡猾な作戦によって、ガーデュラのタトゥイーンにおける影響力は急速に低下し、逆にジャバの権力はますます増大していった。ガーデュラはようやく間違いに気づき、この惑星の適切な支配について、彼との再交渉を余儀なくされた。ジャバは両組織の統合に同意し、彼女がタトゥイーンとライロスにおける奴隷取引を完全に支配することを認めてくれた。その代わりに、彼はこれまでガーデュラが取り仕切っていた密輸とプロテクション・マネーの徴収権を要求してきたのである。ガーデュラはシミとアナキンのスカイウォーカー親子をはじめとする多数の奴隷を抱えていたため、この提案が自分にとって好都合なものであると判断したのだった。
しかし、彼女はジャバが主催するポッドレースの賭博に引き込まれてしまった。彼女はジャバにそそのかされ、レースとギャンブルの興奮に深入りしてしまったのだ。そしてナブーの戦いの6年前、ガーデュラはワトーと呼ばれるトイダリアンのジャンク商との賭けに破れ、スカイウォーカー親子を失ってしまった。さらに数年後、共和国が奴隷禁止法の施行を開始したことで、彼女はタトゥイーン外への奴隷輸出を行えなくなり、大きな損失を被ったのだった。
ガーデュラがタトゥイーンに池や小川、植木などを備えた広大な地下庭園を保持していることは有名な事実だった。ナブーの戦いの直前に、彼女はセブルバに報酬を支払い、庭園の生きた彫像として飾るため、ゴーストリングの子供たちの一団を購入していた。さらに、彼女は庭園に過酷な自然の生態系を再現させるべく、ゴーストリングたちを捕食する生物の輸入を計画していた。だが不運にも、彼女の計画はかつての所有物だったアナキンとその友人たちによって阻止されたのだった。また、ガーデュラはジャバの計画を阻止するために賞金稼ぎオーラ・シングを雇ったこともあった。ガーデュラは彼によるタトゥイーンの支配体制を打ち破り、それを自分のものにしようと考えていたのだ。
ブーンタ・イヴ・クラシック
ガーデュラはダグのポッドレーサー・パイロット、セブルバのサポーターをしていた。だが、セブルバが参加する予定だった運命のブーン・イヴ・クラシックの直前に、ガーデュラはジャバを陥れようと考え、勝ち目のなさそうなゼクストのレーサー、ガスガノが勝つだろうと思わせたのである。しかし彼女は予想通り自分の狡猾さに溺れ、アナキン・スカイウォーカーが優勝すると断言したジャバのアストロメク・ドロイド、R5-X2に騙されてしまう。ドロイドの計算では実際にはセブルバが優勝すると出ており、ジャバには正確な情報が伝わっていたのだ。彼女は敢えてスカイウォーカーが負ける方に賭け、それを確実なものとするべく、ダンサー兼執事のディヴァ・ファンクイータに、モス・エスパでスカイウォーカー少年のポッドレーサーに破壊工作を行う人物を探させたのだった。
その後、ファンクイータはナクノグのレーサー、アーク ”バンピー” ルースを雇い、仕事を実行させた。だが、ルースは間違ってベン・クワディナロスのレーサーに細工をしてしまう。この効果は明確に発揮され、レース開始後、スカイウォーカーはやや出遅れたもののトップの位置にまで躍り出たが、クワディナロスは他のレーサーたちが2周目に入ったときにレーサーが爆発するまで、スタート地点から一歩も動くことができなかったのだ。当然ガーデュラは賭けに大敗し、激怒したのである。
そしてレース終了後、ガーデュラはワトーに、アナキン・スカイウォーカーを売ってほしいと説得を試みた。だが、ワトーも賭けに敗北し、スカイウォーカーを手放していたのである。彼はクワイ=ガン・ジンからアナキンの奪回を試みるが、既にクワイ=ガンは少年をジェダイにするためコルサントへ連れて行った後だった。
一方、シミ・スカイウォーカーはワトーの奴隷のままだったが、数年後、彼は彼女を水分農夫クリーグ・ラーズに売却し、ラーズはシミを自由にした後、彼女と結婚したのだった。
ジャンドランド荒地での戦い
タトゥイーンのジャンドランド荒地でのタスケン・レイダーに対する攻撃は、結果的にガーデュラ・ザ・ハットにとっての究極的な勝利であり、かつ失敗でもあった。この一件の起源は、ハットたちがドレッドン・ザ・ハットの廃品武器の在庫を過剰に抱え、困惑していた時代にまで遡る。このときジャバはタスケンのキャンプに暴漢を送り込み、襲撃させるという名案を思いついた。サンド・ピープルたちの怒りの矛先を付近の集落に向け、市民に武器の必要性を喚起させたのである。その後、ジャバはドレッドンの過剰在庫の一部を暴騰した価格で売り続け、ハットの利益を増やしたのだった。彼は英雄であり続けたのである。
だが、ガーデュラはタスケン・レイダーを襲撃するために犯罪部隊のすべてを召集することを決め、正体不明のジェダイのリーダー、シャラド・ヘットを暗殺するため賞金稼ぎオーラ・シングを送り込んだ。彼女の計画はタスケン・レイダーの防衛網に風穴を開け、立ち向かう者を皆殺しにするというものだったのだ。これによってタスケンの脅威論に終止符を打ち、ジャバの武器販売利権を終わらせようとしたのである。彼女はナル・ハッタがこれを評価し、自分にタトゥイーンが任されることを期待していたのだった。
だが、ガーデュラによる権力の掌握計画は失敗に終わった。彼女はモス・エスパの宮殿への撤退を強いられ、結果的に恥をかき、ライバルであるジャバを利することになったのだ。オーラ・シングは二重スパイであり、ジャバは彼女から警告を受けていたのである。
またそのころ、ガーデュラはモス・アイズリーにガーデュラ・ウーラ・ホテルを建設していた。
ジャンゴ・フェット
ガーデュラは、恐るべきカルト集団バンド・ゴラの首領、コマリ・ヴォサと協定を結んでいた。ガーデュラはバンド・ゴラに出資し、麻薬とされるデススティックの輸送を行っていたのである。また、これらのデススティックは使用者を廃人と化した奴隷に変え、彼女はこうした人々もヴォサに送っていたのだった。分離主義勢力のリーダー、ダース・ティラナスは、このカルト集団を探し出し、壊滅させるために2人の賞金稼ぎ、ジャンゴ・フェットとモントロスを送り込む。フェットとその相棒、ザム・ウェゼルは、バンド・ゴラの手がかりを求めて銀河系を捜索し、ついにガーデュラへとたどり着いた。だが、変身能力を持つクローダイトのウェゼルは捕らえられ、ガーデュラの地下牢へ投獄されてしまう。彼女はガーデュラのキャニオン・クレイト・ドラゴンの餌食にされるのを待つことになったのだった。
だが、ガーデュラはザムがジャンゴ・フェットと共闘していたことを知らなかった。ジャバ・ザ・ハットから警告を受けたジャンゴは、その直後にガーデュラの宮殿へ侵入する。そして彼がウェゼルの解放を拒否すると、彼女は衛兵たちを集め、ジャンゴは捕らえられてしまった。ジャンゴはガーデュラの前へ連行され、彼女はフェットをクレイト・ドラゴンの餌とし、ウェゼルを売り払うよう命令する。だが、ジャンゴはクレイト・ドラゴンから脱出し、武装した衛兵たちの一団を打ち負かすと、ガーデュラの玉座の間へと飛び上がった。彼はハットにコマリ・ヴォサについて尋問するが、彼女は答えることを拒否し、挑む相手が悪すぎると告げる。するとジャンゴは彼女の背後に回り、彼女を玉座から猛獣の待ち受ける闘技場へと突き落としたのだった。ガーデュラはほんの数秒でドラゴンに飲み込まれてしまった。しかしクレイト・ドラゴンにはハットを消化することができず、彼女はこの惨劇を生き延びたのである。
再びジャバの元へ
クローン大戦中、ガーデュラは様々な事情から再びジャバのもとで働くようになり、ナル・ハッタのハット評議会で彼の代理を務めていた。このとき彼女と他のハット五大ファミリーの長たちは、ズィロ・ザ・ハットから評議会のこれまでの犯罪行為をすべて記録したホロ日誌に関する証言を聞いたのだった。ジェダイ・マスター・オビ=ワン・ケノービとクインラン・ヴォスが、賞金稼ぎキャド・ベインの手引きでズィロが脱獄したことを知らせるためナル・ハッタに到着したとき、ガーデュラは自分と他の評議会メンバーは既にそのことを知っているとケノービに伝えた。そして、ヴォスがズィロの脱獄の背後に評議会の暗躍があったはずだと主張すると、ガーデュラは、ヴォスが1人で来ていたら生きては返さないところだったと告げ、彼を脅したのである。その後、彼女と評議会は再びキャド・ベインを雇い、ちょうどサイ・スヌートルズの手引きでハットの牢獄から脱走したばかりのズィロと、彼が隠している日誌を捜索させたのだった。ところがガーデュラは何も知らなかったが、スヌートルズはジャバからもズィロの殺害と日誌の入手のために雇われていたのである。彼女はベインが到着する前にズィロを殺害し、ジャバに日誌を届けたのだった。
タトゥイーンでの奴隷売買
銀河内乱の時代、ジャバはタトゥイーンで奴隷売買を行っていた。だが、帝国が奴隷売買を違法化しようと計画していることを事前に察知したジャバは、ガーデュラと協定を結んだ。彼は奴隷売買のすべての利権をガーデュラに譲り、代わりにこの砂漠の惑星における他の非合法活動の利権をすべて手に入れたのである。そして帝国が奴隷禁止令を施行すると、その直後にガーデュラは逮捕され、姿を消したのだった。