ウリック・ケル=ドローマ
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解説
ジェダイへの道は得てして容易ではなかった。かつての英雄、そして悪漢の道をも歩んだウリック・ケル=ドローマのジェダイ・ナイト道は、おそらく最も過酷な試練の1つと言えただろう。オルデランで生まれたウリックは、ジェダイ・ナイトたちが繁栄し、共和国が拡大を続けた4,000年前の時代に活躍した。彼の母も尊敬を集めた強力なジェダイだったが、彼女は良き指導者となるのに必要な感情的距離が不足していたとして、2人の息子ウリックとケイへの訓練を拒否した。人生の初期に歩むべき道を与えられなかったウリックは、別の分野を学ぶことに集中したのだった。
若き日のウリックは純粋な心と目的を抱いていた。彼を傲慢だと称する声もあったが、彼には無限の信頼を置けるという声も多かった。オルデランの上流階級にいる人々はそんな彼の飽くなき大望と一定の成功を嘲笑の対象とした。ウリックは1つの分野を達成しただけでは満足できず、挑戦が少なくなるにつれ急速に疲労感を抱くようになり、他の冒険へと目を向けていった。ウリックは学術的にも肉体的にも秀でた人材として名を馳せるようになり、彼の誠実さを疑う人々を失望させたのである。
大人になるにつれ、ウリックはフォースの強さをますます増大させていった。もはや母にも彼が受け継いだ資質を否定することはできず、ウリックと弟のケイはアーカニアのジェダイ・マスター、アーカ・ジェスのもとへ修行に出されることになった。時は冒険と探索の時代であり、ジェダイの番人たちが新しい星系の秩序と正義を維持するために送り出されていた。そして当時のジェダイ・マスターたちは、ジェダイ・ナイトとなることへの挑戦の準備ができた複数の弟子を取ることが許されていたのだ。
ウリックは既にフォースに関する天性の才能を持っていた。彼はマスター・アーカの修行によってその技能にさらなる磨きをかけ、ジェダイのライトセイバーを自在に操る術を学んだ。彼は弟のケイやトゥイレックのトット・ドニータらと共に学んでいた。彼らは戦闘ドロイドとの戦いを通じて格闘技術を磨き、アーカ・ジェスから多くの話を聞くことによって英知を養っていった。
3人のジェダイ候補生はすぐに最初の実戦任務を与えられた。アーカ・ジェスはオンダロン星系での任務を与えられており、彼は何世紀にもわたる内乱で分断されたオンダロンに平和をもたらすため、ケル=ドローマ兄弟とドニータを派遣したのだった。
ジェダイたちは宇宙船<ネビュロン・レンジャー>でオンダロンに到着した。<レンジャー>はイジズの街に着陸する前に辺境のビースト・ライダーの戦士たちから襲撃を受けたが、辛うじて逃れたのだった。そこで彼らはオンダロンの支配者であるアマノーア女王とその娘ガリア王女に謁見した。ジェダイたちは2人の王族から病の治療のため長く隔離されているオミン王のことを聞き、それによると王は後年になって回復してきているというのだ。
ウリックがオンダロンで戦士としての力量を示すには数時間と掛からなかった。ビースト・ウォリアーのエリート特殊部隊が王宮を襲撃し、ガリアを誘拐したのだ。ガリアを救出し、アマノーア女王の目に映るジェダイ像を改めるため、ウリックは仲間のジェダイと共にビースト・ライダーの領域である荒野へと向かうのだった。
<ネビュロン・レンジャー>はオンダロンの森林上空を猛攻するが、ビースト・ライダーたちのシーカー魚雷による反撃を受けた。トット・ドニータは巨大なボマ・ビーストと会話する能力を活かし、ジェダイをビースト・ライダーの要塞まで運んでくれるようにと頼んだ。彼らは要塞を襲撃したが、そこではビースト・ライダーのオーロン・キラとガリアの結婚式が行われていた。ジェダイたちはガリアとキラが恋に落ちていたことを知って驚いた。平和を願っていたのは辺境の戦士たちであり、戦争を続けていたのは都市住民の方だったのだ。
ジェダイたちはイジズの隠された秘密をさらに学びつづけ、この街がダークサイドに包まれていることを知った。400年前、フリードン・ナッドと名乗るシスの修行者がオンダロンにダークサイドの力をもたらした。オミン王とアマノーア女王はナッドの末裔であり、ダークサイドに満ちていたのだ。
ジェダイたちはイジズに潜入するためビースト・ウォリアーと力を合わせ、アマノーアの退位を要求した。だが彼女はそれを拒否し、大規模な戦いが開始された。この戦いでウリックの弟は大怪我を負ったが、なんとか生き延びることができた。やがてアーカ・ジェスが到着し、ジェダイの戦いの瞑想によって戦況が大きく変わった。彼らはビースト・ウォリアーたちの士気を上げ、より重武装のイジズ軍を打ち負かしたのである。
ジェスは光の力を使ってアマノーア女王の闇を払った。ダークサイドは瞬時に敗れたが、ジェスはウリックに最初の任務が失敗であることを告げた。ウリックは自分たちは流血を避けるためにできる限りのことをしたと反論したが、ジェスはイジズを覆うダークサイドを見抜けなかったことで弟子を叱責したのだった。
アマノーアが死ぬと、ガリアは夫オーロン・キラと力を分け合い、王位を継承した。これはオンダロンで内乱を継続させていた亀裂の修復に役立ったが、挑むものがない新政府の支配を拒絶し、旧体制を擁護する保守派も存在していた。こうした保守派、すなわちナッディストたちは、アマノーアの葬儀の日に暴動を起こした。ウリック、ケイ、トットの3人はこの抗争の最中におり、ジェダイのオス・ウィラム、デイス・ディアス、ショーネブ・クルー、クァール・トック、キス・カーク、そしてノーミ・サンライダーもそれに加わった。
ナッドの暴動の間、アーカ・ジェスは邪悪なオミン王に捕らえられてしまった。オミンはもはや死にかけた人間でしかなく、ダークサイドの力によって生き長らえ、激怒していた。彼の損傷した肉体は金属フレームに支えられた状態だったのだ。更なる成長を遂げたウリックはオミンの態度と師への脅迫に激怒し、オミンの側近ウォーブ・ナルを切り捨てた。やがてウリックはライトセイバーでオミンの金属の体を切断し、暗黒の中心を切り裂いた。動けなくなったオミンは無力のまま死んでいった。フリードン・ナッドの魂はオミンの命を要求し、1人または2人のジェダイがダークサイドに属しているという謎めいた事実を告げた。そして、ウリックが「偉大なる者」の1人となるだろうと宣言したのだ。
ナッドは暗黒卿が再び支配者として君臨するという古代シスの予言を唱えた。テタン星系から戦争状態にあったオンダロンに2人の堕落したフォース感知者を導き、彼らをシスの継承者としたのはナッドだったのだ。サタール・キートとその従兄弟アリーマはエンプレス・テタ星系でクラースと呼ばれる秘密結社を設立し、ダークサイドとシス魔術の研究を行っていた。クラースは絶え間なく成長し、星系の支配層からキートの両親を転落させるクーデターを起こしたのだった。
この突然の事件はウリック・ケル=ドローマを戦いに引き戻した。彼とノーミ・サンライダーは調査のためエンプレス・テタ星系に派遣された。だが、アリーマは彼女の攻撃的なフォースの真の力を隠すためにシスの幻術を使い、ウリックの共和国機動部隊は真の襲撃者を特定することが困難だった。クラースのケイオス・ファイターの1機が共和国の司令船<リライアンス>に激突し、シールドと装甲を貫いた。この爆発で多くの命が失われ、ウリックも飛散した破片によって怪我を負った。ノーミは彼を看護し、ウリックは徐々に彼女に心を惹かれていった。そして共和国機動部隊は新たなる戦術計画を練るため、エンプレス・テタ星系から撤退したのだった。
この新たなる脅威について話し合うため、ジェダイたちは惑星デネバのメルー山に集まった。そこでウリックは大胆かつ無謀な計画を提案した。クラースの陰謀はテタの社会にあまりにも根深く浸透していた。彼は、まずそれを排除しなければならないと主張した。そして、そのための唯一の方法は、1人のジェダイがクラースに潜り込み、内側から崩壊させるために彼らの秘密を学ぶことだというのだ。ジェダイ・マスターたちは彼を愚か者であると考え、暗黒の道を進むことへの必然的な結果を警告した。だがその討論が終わろうとしていたとき、クラースがデネバに対してバトル・ドロイドを使った奇襲を開始した。マスター・アーカ・ジェスをはじめとする多くのジェダイが機械の襲撃者たちに殺害されてしまった。ウリックが師を腕に抱くと、老アーカニアンのジェダイは静かに光の中へ消えていった。
ウリックはマスターの死に対して自分を責め、クラースを滅ぼすためにその中へ身を投じる決意をしたのだった。ノーミはダークサイドを過小評価すべきではないと抗議したが、彼の揺るぎ無い自信は彼女の言葉を受け付けなかった。そして彼は自分の任務に備えるため、ジェダイ学者ウード・ブナーが保管するシス・ホロクロンを研究した。
立ち去るとき、ウリックは弟のケイと別れの言葉を交わした。ウリックの任務を最も不安視していたのはケイだった。そして彼は兄が二度と戻ってこないことを心配していた。2人は抱き合い、ウリックは戻ってくることを約束したのだった。彼はノーミとも最後のキスを交わし、そしてテタン星系のシナガーの都市へ向かう密輸業者に変装した。
シナガーに到着したウリックは、クラースの冷徹な絶対的支配の実情を垣間見た。アリーマがクラースに反抗したカーボナイト取引業者を公開処刑しようとしていたのだ。だがこの商人は突如自由になり、アリーマに襲い掛かった。突然の展開に驚いたシスの首領は、一転して命を危険に晒されることになった。これはウリックに対する数多くの試練の1つだった。彼は駆けつけ、忠誠を示すためにアリーマを襲う商人を殺害したのだ。
アリーマはウリックのハンサムな容姿と無鉄砲さに魅了されたが、一方でサタール・キートは彼を信用するには至らなかった。シナガーの鉄の要塞の地下深くで、サタールはウリックに厳しい拷問を与え、彼の真の目的を探ろうとした。捕虜を弄ぶサタールはシスの毒が塗られた刃をウリックの脇に突き刺し、彼の血流に猛毒を流し込んだ。この毒を取り除くにはダークサイドを完全に受け入れ、毒を燃焼させるしかないのだ。
ノーミはウリックと接触するため、ケイとトットを引き連れて密かにシナガーに向かった。彼女はウリックがクラースについて学んだことを突き止めようと試みたのだ。彼女はクラース軍の捕虜となる覚悟を決め、ウリックは彼女にクラースの地下牢に捕らえられるようにと指示した。彼は密かにノーミと通信し、もう少しクラースに留まる必要があると告げた。彼はクラースについて多くを学んだが、さらに多くを学ぶ必要があったのだ。だが、サタールはこの通信を傍受し、ウリックとノーミ、2人の処刑を命じたのだった。
素性を明かされたウリックを混沌が飲み込んだ。彼の血はシスの錬金術によって毒され、心はアリーマの誘惑によって汚されていた。ウリックは友情と忠誠心、そして愛情を見失ってしまったのだ。ノーミは衛兵から逃れ、ケイとトットに助けを求めた。ジェダイたちはクラースの兵士たちと戦い、あと一歩で脱出できるところまできたが、背後にはウリックが控えていた。怒り狂ったウリックはマスター・アーカの敵であるサタールを殺したが、それでも怒りは収まらなかった。ケイがウリックを船に乗せようとすると、ウリックは弟に殺されたくなければ自分から離れろと命令した。彼の運命は決められたのだ。彼はダークサイドと共にあった。彼はジェダイたちを逃がし、自分はシナガーに残るのだった。
ジェダイはシナガーに大規模な攻撃を行うべく軍隊を再編成し、一方でアリーマはウリックをさらに暗い道へと誘惑し続けた。彼女はウリックに巨大な力が込められた古代シスの護符を与えた。ジェダイはシナガーを攻撃し、ノーミとケイは鉄の要塞に潜入した。ウリックはノーミとケイの理性の言葉を拒絶した。アーカの死を阻止することができなかったときの自分のように、彼はこうした言葉を弱く、効果のないものだと見なしたのだ。ウリックはシスの護符を武器のように振り回し、かつての友人たちを撃退した。
ついにジェダイたちはウリックを残していくことを決心した。彼は自らの意思でここに来たのだ。彼は自分の決心と共に生きるだろう。だが、ケイには兄と別れる準備が整っておらず、他のジェダイたちは出発する際に彼を断念させなければならなかった。
ジェダイたちが立ち去ると、1人の見知らぬ男が鉄の要塞に堂々と足を踏み入れてきた。マサッシの護衛を脇に従えたかつてのジェダイ、そして現在ではシスの新参者となったエグザ・キューンである。クラースが銀河系征服計画を発動したのに伴い、キューンも暗黒の道を追従した。彼をシスの惑星コリバン、そしてヤヴィン4にあるシスの要塞へと導いた道である。そしてついに、キューンは自分に挑戦し得る他の唯一のシス、ウリック・ケル=ドローマを見つけ出したのだ。
ウリックとキューンは猛烈な憎悪による冷酷なライトセイバー戦を展開した。戦いが進むにつれ、両者が付けていた護符がシスのエネルギーの注入によって1,000年の眠りから目を覚まし、生命を宿した。2つの護符から1,000年前に栄えた強大なシス帝国の古代映像が投影されたのだ。古代シスの魂は、2人の戦士を価値あるシスの後継者であると宣言した。エグザ・キューンにはシスの暗黒卿の称号が与えられ、ウリック・ケル=ドローマはその弟子とされた。そしてウリックの額には彼の地位を示す二股に別れたシスの刺青が与えられた。古代シスはキューンとケル=ドローマに共和国を滅ぼすべき破壊者となり、シス帝国を復活させよと命じた。こうしてシス大戦の火蓋が幕を開けたのである。
6ヵ月後、ウリックとアリーマは大将軍として手を組み、エンプレス・テタ星系を支配していた。しかし、彼らの星系に対する抑圧的な支配はマンダロリアンと呼ばれる遊牧民の決起を促した。やがて両者の対立はクアーでの個人的な決闘へと発展した。マンダロアはハーカルの平原での決闘を要求した。マンダロアの武器はバジリスク・ウォー・ドロイドであり、ウリックの武器はライトセイバーだった。この戦いは、マンダロアの攻撃の間、ウリックがハーカル上に敷かれたチェーン・ネットの上に踏み留まっていなければならないというものだった。彼が勝てばテタおよびマンダロアの連合軍の忠誠を手に入れることができるのだ。ウリックのジェダイとしての訓練は有益なものだった。彼はマンダロアを打ち負かし、遊牧民たちの忠誠を手にしたのである。
新たな軍隊を手に入れたウリックは、エグザ・キューンの保身的な命令に背き、共和国の心臓部であるコルサントへの侵攻を試みた。こうして巨大都市惑星の上空で壮絶な戦いが繰り広げられることになった。ウリックは共和国の軍事司令センターの制圧、およびその近郊で製造中の新兵器の入手を試みた。彼が戦略室で命令を与えている間、マンダロアは武器貯蔵庫の掌握に成功し、ウリックは艦隊司令部に衝突経路上に展開するよう命令した。だが司令部はそれを拒否し、ウリックがフォースを使おうとしたそのとき、ジェダイの一団が司令センターに突入した。ノーミとケイはライトサイドの力でウリックの能力を阻止し、彼を拘束したのだった。
ウリックは居並ぶ銀河元老院の高官たちの前に追い立てられたが、自分の罪を悔やむことを拒絶した。彼は共和国を無用の長物であると非難し、来るべきシスの黄金期について訴えた。そしてキューンが捕らわれた弟子の救出のために訪れた。キューンは元老院最高議長を圧倒し、シスの勝利を宣言した。もはや共和国にはウリックを連れ戻すキューンを阻止する力は無かった。
シス大戦の次の戦場にはクロン星団が選ばれた。アリーマは自らの命を犠牲にして星団の超新星を爆発させ、その破壊的な衝撃波をジェダイの要塞惑星オッサスへ差し向けた。絶望的状況のなか、ジェダイたちは宝物や工芸品を持ってオッサスを脱出した。混乱のなか、キューンとウリックもオッサスに到着し、古代ジェダイの宝物庫の略奪を開始したのだった。
ケイ・ケル=ドローマは再び兄と対峙した。2人はライトセイバーで交戦し、ウリックは弟を殺害してしまった。彼は自分の行動に呆然となった。愛する弟の死はかつての自分の中枢を動揺させるのに十分だったのだ。ノーミは愕然としたウリックを見て取り乱し、彼をフォースで攻撃した。彼女はウリックの力を取り除くために自分の力を使ったのだった。そしてこの攻撃は成功し、ウリックはフォース感知能力を失った。彼はもはやただの人間であり、その邪悪な魂は完全に打ち砕かれたのだった。
ジェダイはオッサスを放棄し、シス大戦の終結に向けて動き出した。ウリックがエグザ・キューンの本拠地であるヤヴィン4の位置を明かしたのだ。そして、ジェダイと共和国の連合軍はウリックの裏切りによってキューンの野望を阻止することに成功したのである。
力を失ったウリックは、やがて視力さえも失ってしまった。彼は過去を捨て、姿を隠した。そして10年後、彼は素性を隠したまま、ホゴーンと名乗る運に見放された宇宙パイロットを雇った。ホゴーンはウリックをキューンの敗北地であるヤヴィン4の焼け焦げたジャングルへと運んだ。そこには彼に取り付こうとする亡霊たちや、痛々しい記憶の数々が存在していた。そのため、ウリックはより隔離された場所を求めた。
ホゴーンはウリックを徐々に氷河期が訪れつつある氷の惑星レン・ヴァーへ連れて行った。ウリックは氷の山の頂にある見捨てられた要塞で暮らすことを決めた。城の周辺を散策していたウリックは氷の洞窟に落下し、そのまま数時間倒れ、死の覚悟を決めた。だが、彼は死ななかった。ウリック、もしくはキューンの手によって殺された人々の魂が彼の脳裏を過ぎった。彼はケイ、そしてマスター・アーカの幻影を見た。しかし、それがフォースによって映し出されたものなのか、それとも死に瀕した心から映し出されたものかは、彼にも分からなかった。フォースは失われたが、ウリックはそれでも強大な力を内に秘めていた。彼は生きようとしたが、その理由は自分自身にも分からなかった。
そのころ、反抗的な10代を迎えたノーミの娘、ヴィマ・サンライダーがウリックを探していた。彼女はジェダイの道を学ぶことを望んでいたが、ノーミはジェダイの指導者として多忙を極めており、彼女を鍛えることができなかったのだ。ヴィマは師を探すため、ウリックをレン・ヴァーへ連れて行ったのと同じパイロット、ホゴーンを雇った。ホゴーンはウリックの映像を見て驚いた。彼は自分が犯罪者を乗せていたのだと勘違いし、衝撃を受けたのだ。彼はヴィマをレン・ヴァーへと連れて行ったのだった。
レン・ヴァー宮殿の誰もいない不気味な回廊で、ヴィマはウリックと遭遇した。だが、ウリックにはノーミを彷彿とさせるヴィマの青い大きな瞳しか見ることができなかった。ウリックにとって彼女は苦痛を思い出させる存在でしかなく、彼はヴィマと関わりを持ちたくなかった。ヴィマは自分をジェダイとして鍛えて欲しいと懇願した。すると突然、凄まじい氷の嵐が起こり、2人を一時的なシェルターに追い立てた。
2人はグロウキューブの暖かい静かな光の中で会話を交わした。ヴィマはジェダイになりたいという願望を訴え、ウリックはそれには高い、そしてときには恐ろしい代償を払うことになると警告した。ヴィマはウリックに降りかかった運命についてすべてを知っていたが、それでも彼をノーミと愛し合った偉大なジェダイの戦士として見ていた。ウリックはヴィマの訓練を開始し、ライトセイバーの作り方、そして使い方を伝授した。フォースを感じることはできなかったが、彼はまだこの優雅な武器を使いこなすことができた。ウリックがヴィマに訓練を与えると同時に、彼女はウリックに再び人生を謳歌する方法を教えた。そして2人はアーカ・ジェスとアンデュア・サンライダーの記憶を称えるため、各自のライトセイバーで洞窟に巨大な氷像を掘るのだった。
やがて娘を求めてノーミがレン・ヴァーを訪れた。ノーミとウリックは互いに見つめ合った。2人は1,000もの言葉を交わしたが、その間には何も浮かんではいなかった。ノーミは娘とかつての恋人が造った巨大な氷の彫刻を見上げた。そしてついに、ウリックは平和を見つけるのだった。
その瞬間、相棒の死に対する復讐に燃えたキャサーのジェダイ・ナイト、サイルヴァーが、ウリックを殺すために現れた。サイルヴァーはウリックに襲い掛かり、白熱したライトセイバー戦が繰り広げられた。だがウリックは戦いを拒み、復讐はジェダイの歩むべき道ではないと説明した。ついにはサイルヴァーも自分のセイバーを置くのだった。
しかし、ウリックが殺されたのはその直後だった。ジェダイの崇拝者だったホゴーンがブラスターを発射し、ただの人間となったウリックの心臓を貫いたのだ。ホゴーンにとって、これは悪漢を死に至らしめた英雄的行為だった。だがウリックにとっては最後の休息であり、光のなかで死ぬ最後のチャンスでもあった。ノーミは彼の死に瀕した体を抱きしめた。ウリックは最後にもう一度許しを求めたが、ノーミは既に彼を許していた。彼はヴィマに、闇の中に光を与えてくれたこの少女に、自分が身に付けていたリング・ネックレスを与えた。生命の力を失ったウリックの肉体はきらめく光の中へと消えていった。もはや彼がフォースの呼びかけを耳にすることはなかったが、それでも彼はジェダイの心の中で生き続けることだろう。