カーラス
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カーラス元老院議員は、クローン大戦中に銀河共和国の元老院で尊敬を集めていたグランの政治家である。パルパティーン最高議長の忠実な支持者であるカーラスは高度な外交力を持ち、共和国のためにしばしば危険な状況に身を置きながらも、数多くの任務をこなしてきたのだった。あるとき、彼は3週間にわたって人質となり、身代金と引き換えに釈放されたこともあったのだ。ヤヴィンの戦いの22年前、ウィークェイの海賊団オナカー・ギャングが独立星系連合の国家元首ドゥークー伯爵を人質として捕えたとき、カーラスは100万クレジット相当のスパイスを届けるためフローラムへ向かう任務を任された。外交護衛グループのクローン・コマンダー・ストーン率いるクローン・トルーパー部隊と共に、カーラスはスパイスの身代金を届け、ドゥークーを投獄するために共和国首都コルサントへ護送しようとしたのである。
フローラムに接近したとき、カーラスのシャトルはオナカー・ギャングを裏切った海賊の副官、ターク・ファルソの一味によって撃墜された。彼らはスパイスを自分たちのものにしようと目論んでいたのである。この墜落によってカーラスは死亡し、彼のチームの指揮権はジャー・ジャー・ビンクス代議員の手に委ねられることになる。ビンクスはこの尊厳ある議員の遺体をドシャー平原に埋葬し、任務の成功を誓ったのだった。
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経歴
共和国の議員
カーラスは種族の故郷キニエン出身の、銀河共和国の晩年を生きたグランである。彼は政治の世界に足を踏み入れ、ついには銀河首都コルサントを拠点とする銀河元老院の議席を得た。共和国の元老院議員となったカーラスは、そのキャリアを通じてパルパティーン最高議長の忠実な支持者として働き、共和国の外交官として多くの任務に従事したのだった。ある身代金の支払い任務の中で、彼は捕えられ、3週間にわたって迷宮に投獄されたこともあったが、彼は決して諦めず、ついに解放されたのである。そして共和国と独立星系連合との銀河系規模の抗争となったクローン大戦の時代までに、カーラスはしばしば危険な状況に身を置くベテラン外交官としての名声を獲得し、元老院における長いキャリアを称えられたのである。
ヤヴィンの戦いの22年前、戦争の最初の年、共和国がハットの犯罪王ジャバ・デシリジク・ティウレの息子ロッタの救出作戦に着手したとき、カーラスはコルサントに滞在していた。パルパティーン議長はこの救出によってジャバの歓心を買い、共和国グランド・アーミーがハット・スペース内全域におよぶ戦略的ハイパーレーンを自由に使えるよう交渉することを望んでいたのである。これは連合側も獲得に必死になっていることだったのだ。カーラスとローディアのオナコンダ・ファー議員は、議長がロッタの捜索状況に関するジャバからの通信を受けたとき、共和国行政府ビルの議長のオフィスでパルパティーンと会談していた。ホログラム通信を行いながら、パルパティーンはジェダイ・オーダーのメンバーがロッタの捜索を行っていると請け合ったが、ジャバは息子が戻ってこない限り協定を結ぶことはないと念を押す。その後、共和国はロッタを救出し、ジャバとハットとの協定を実現させたのだった。
フローラムへの身代金の輸送
同年のその後、共和国グランド・アーミーは戦争の早期終結を目指し、連合国家元首ドゥークー伯爵を捕えるための軍事作戦に着手した。だが共和国の努力は失敗し、その代わりに捕えどころのないシスの暗黒卿はアウター・リムの惑星フローラムを拠点とするウィークェイの海賊団、オナカー・ギャングの囚人となったのである。海賊たちの首領ホンドー・オナカーは最高議長のオフィスと直接接触し、100万クレジットに相当するスパイスを身代金としてシス卿を共和国の刑務所に引き渡すと申し出た。そして、ジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービが、海賊たちに捕えられたドゥークー伯爵が本物がどうかを確認した後、彼らがフローラムからホログラムを通じて報告を行っていたとき、カーラスは議長のオフィスでパルパティーン、ジェダイ最高評議会のジェダイ・マスター・メイス・ウィンドゥ、ナブーの代議員ジャー・ジャー・ビンクスらと会ったのだった。ドゥークーが確実に捕えられているというジェダイの報告を聞いたパルパティーンは、身代金のスパイスを届けるため、カーラスとビンクスをフローラムに派遣することを決定する。ジェダイがドゥークーの身柄を確保した際に、カーラスとそのチームがシス卿のコルサントへの護送を手助けることになったのである。
クローン・コマンダー・ストーン率いるコルサント・ガードの外交護衛グループから選ばれた4人のクローン・トルーパー分隊が、元老院の代表を務めるカーラスの指揮下に任命された。彼らはフローラムへのスパイス輸送任務を担当する外交団を形成し、これはカーラスの長いキャリアにおける最も重要な任務となったのである。大量のスパイスを乗せたニュー級アタック・シャトルで外交チームをフローラムへ運んだのは、マックともう1人のクローン・パイロットだった。やがて彼らがフローラム星系に到着すると、カーラスはパドメ・アミダラ議員や数人のジェダイ評議会のメンバーと共にコルサントのオフィスにいたパルパティーンと交信し、もうじき着陸すると報告した。カーラスは、着陸すればスカイウォーカーやケノービとの交信を確立するのに十分なシグナルを得られるだろうと告げる。そして彼らがフローラムの大気圏に入ると、マックがカーラスとビンクス、そしてクローン・トルーパーたちに着陸に備えるよう指示し、彼らはそれに従ったが、ビンクスは座席のセーフティ・ガードの操作でトラブルに遭遇したのだった。
このときカーラスたちは知らなかったが、ホンドー・オナカーの副官ターク・ファルソ率いる一団がオナカー・ギャングを裏切り、オナカーの基地へ届けられる前にスパイスの身代金を奪おうとしていた。ウィークェイの海賊バーブ・メンティアがフレアスター級アタック・シャトルを飛ばし、共和国シャトルに対して発砲してきたのである。カーラスはこれを裏切り行為と認識したのだった。そして、メンティアのシャトルから水平に発射された2発の魚雷が共和国シャトルのエンジンを破壊し、彼らは地面へと真っ逆さまに墜落して行った。このときシャトルが操縦不能となり、フローラムのドシャー平原に墜落までのわずか数秒の間に、カーラスはビンクスを彼の座席に戻すため、自分の座席の安全装置を解除していたのだ。激突の衝撃はカーラスの座席の安全装置を動作不能とし、シャトルを引き裂いた。その結果、議員は帰らぬ人となったのである。2人のクローン・トルーパー・パイロットも死亡し、残されたのはビンクス、ストーン、他3人のクローン・トルーパーと、積荷のスパイスだけだった。そのため、元老院のメンバーの地位にあるビンクスがこの任務の指揮官を引き継ぐことになる。分隊の軍曹の補佐を受けたビンクスは、カーラスを墜落現場近くの岩の下に埋葬し、彼の墓標として議員の愛用していた杖を残したのだった。
人物と特徴
カーラスは身長1.78メートルのグランであり、ピンク色の肌に卓越した視力をを与える3つの緑色の目を持っていた。彼は特筆するほどの長いキャリアにわたって共和国元老院の議員を務め、十分な政治的洞察力を身に付けたのである。種族の多くのメンバーと同様に、カーラスは深い忠誠心を持ち、共和国のさらなる利益のためにどんなことで進んで行った。彼は熟練の外交官として尊敬を集め、銀河系で最も不穏な相手との極めて危険な状況下における交渉を専門とするようになったのである。事実、カーラスは共和国にとって危険な任務を依頼された際にも、ほとんどその眼を閉じることはなかったのだ。また、パルパティーン最高議長の強力な支持者であるカーラスは、議長の信頼する仲間の1人であり、フローラムへのスパイスの身代金を運ぶ任務を受けたときも、それを名誉として捉えていた。彼はドゥークー伯爵を捕え、クローン大戦を終結へと導くことで、この任務が議員としてキャリアにおける最も重要な使命となると考えていたのだ。そのため、ジャー・ジャー・ビンクスをはじめとする同僚たちは彼の死を悲しみ、痛ましい喪失であると考えた。ビンクスは亡き議員の記憶を誇りとして最善を尽くし、カーラスが行うはずだったという信念のもと、彼の代理として海賊たちとの交渉にあたったのである。
公式行事の際に、カーラスは白と青のローブで正装していたが、これは野外での任務などで遭遇するあらゆる状況で、威厳と動きやすさを同時に満たしていた。また、彼はいつも古代の杖を携帯しており、これはビンクスによってフローラムの墓標に備えられたのだった。