ブリック
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ブリックは、戦いの第一線から身を引いたシニティーンの賞金稼ぎ、そして軍曹である。クローン大戦中、ブリックは惑星カミーノでクローン訓練生たちの訓練を支援するため、銀河共和国によって雇われていた。マスター・チーフの称号を与えられた彼とアルコーナの賞金稼ぎエル=レスは、様々なクローン訓練生分隊の訓練を行ったのである。ブリックは訓練に苦闘するドミノ分隊の不従順なメンバーたちを個人的に担当していた。ヤヴィンの戦いのおよそ21年前、ドミノ分隊の最終訓練が行われていたとき、ブリックは彼らのチームワークの無さに憤慨し、ドミノ分隊のメンバーたちを、欠陥クローンが送られるティポカ・シティの軍事総合施設のメンテナンス・クルーに転属させようと考えた。だが、最終試験に失敗したドミノ分隊にはもう一度テストをやり直すチャンスが与えられ、このとき彼らは完璧なチームワークによって合格を果たし、ブリックを感心させたのである。やがてドミノ分隊のメンバーたちは戦闘の準備が整ったクローン・トルーパーとなり、鬼教官に別れを告げたのだった。
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経歴
シニティーンのブリックは戦いから退いた賞金稼ぎである。クローン大戦中、銀河共和国は惑星カミーノで共和国グランド・アーミーの様々なクローン訓練生分隊を鍛えるため、このシニティーンを訓練教官として雇っていた。カミーノのティポカ・シティで、ブリックはもう1人の賞金稼ぎ、アルコーナのエル=レスと会い、2人は「マスター・チーフ」の称号を得てクローン訓練生たちの育成にあたったのである。ブリックの担当は、チームワークに苦心する部隊、ドミノ分隊の訓練だった。戦争の開始から1年後、ドミノ分隊の訓練が終わりに差し掛かっていたとき、ブリックとエル=レスはカミーノにおけるクローン訓練生たちの訓練を視察に訪れたジェダイ・マスター・シャク・ティと、都市の軍事総合施設で合流する。そして施設全体を見渡せる視察用デッキで、3人はシタデル・チャレンジと呼ばれる最終試練へ向けたドミノ分隊の演習を監視していた。この演習におけるクローン訓練生たちの目標は、巨大なタワーの頂上に立てられた旗を確保することである。だが分隊がこのテストに挑むなか、ブリックと他の2人はドミノ分隊のチームワークが機能していないことに気づき、彼らにテストの不合格を告げたのだった。
試験の終了後、クローンたちは兵舎の寝室へと戻った。ブリックはそこでドミノ分隊のメンバー、CT-782とCT-21-0408の喧嘩を仲裁し、それぞれにヘヴィ、エコーの愛称を付ける。そして翌日、ブリックとエル=レスはドミノ分隊と他のクローン訓練生分隊をハンガー・デッキの外に召集した。2人の賞金稼ぎの脇には、訓練生たちの最終試験を視察に訪れたコマンダー・コルト率いるランコア・バタリオンのARCトルーパーたちも立っていた。この最終試験に合格した訓練生は、戦闘準備が整ったクローン・トルーパーと見なされるのだ。ブリックはエル=レス、コルトと共に、エル=レスが訓練を担当したブラボー分隊の視察に向かった。そして視察デッキで教官たちが見守るなか、ブラボー分隊はドミノ分隊が挑戦する前に、コルトの言う「ARCトルーパー・タイム」で最終試験に合格したのである。
ドミノ分隊の試験中、ブリックはエル=レスに、分隊へ次の指示を与えるよう告げ、アルコーナの賞金稼ぎが指示を伝達した。だが、ドミノ分隊は負傷したメンバーの1人を見捨てたことで、任務に失敗してしまう。ドミノ分隊が試験に不合格となった後、2人の賞金稼ぎは試験場を後にし、クローン兵舎へと向かった。そこでブリックはエル=レスから、シャク・ティがドミノ分隊に再試験の許可を与えたことを知らされる。ブリックは失敗を続けるドミノ分隊を都市のメンテナンス・クルーに転属させるよう要求していたため、この決定に不服だった。その夜遅く、ブリックはドミノ分隊の訓練生の1人、CT-4040を呼びつける。ブリックは彼こそが部隊の不合格の原因だと考えていたのだ。だが、CT-4040は教官と真剣に向き合おうとせず、ブリックは彼を激高させるため、クローンを壁に叩きつけた。だが、ブリックはこのクローンに自分の前から消えるよう言い放ち、2人の激しい対面は終わったのである。
ドミノ分隊のシタデル・チャレンジへの二度目の挑戦のときがくると、ブリックはエル=レス、シャク・ティと共に視察デッキに立ち、試験場を見下ろした。ドミノ分隊のテストの前に、ブリックは訓練生たちのベルトからこの試験に必要な道具、アセンション・ケーブルを抜き取っていたのである。エル=レスはブリックの行動が不公平だと主張し、試験の中止を訴えるが、ドミノ分隊はシタデル・タワーのブラスター・タレットをよじ登るという奇想天外な作戦で成功を収め、テストに合格したのだった。分隊の発想力に感心したシャク・ティはブリックに、彼の大胆な行動がドミノ分隊に最善の努力を引き出させたのだと語る。そして試験の後、2人の賞金稼ぎはドミノ分隊の成功を賞賛し、彼らに別れを告げたのだった。
人物と特徴
厳格で機敏な、そして精力的な人物であるブリックは、戦うことに疲れたシニティーンの賞金稼ぎである。彼は軍事訓練を行うに当たって一切の妥協を許さなかった。苦戦中のドミノ分隊を訓練していたとき、シニティーンの鬼教官は分隊の訓練生たちに、当初は高い期待を抱いていたと語っていた。だが、彼らの度重なる失敗はブリックに失望を与えることになる。ドミノ分隊を思いやる仲間の賞金稼ぎエル=レスとは異なり、ブリックは失敗に寛容ではなかったのだ。また、このシニティーンはエル=レスに、出来の悪い分隊には全く関心はなく、大事なのはドミノ分隊の訓練後に受け取る報酬のことだけだと語っている。ドミノ分隊のCT-4040がティポカ・シティのハンガー・ベイでブリックと会ったとき、クローンが彼の前で冗談めいた言葉を口にすると、ブリックは躊躇せずにこの訓練生に暴力を振るった。そのユーモアのセンスと、何でも冗談として受け止めてしまう性格から、ブリックがCT-4040を「真のイタズラっ子(カタップ)」と呼んだのもこのときである。このクローンは「カタップ」の愛称を名乗るようになり、名付け親のブリックに感謝したのだった。
ドミノ分隊にシタデル・チャレンジのやりなおしの機会が与えられると、ブリックはテストの開始前に彼らのベルトからアセンション・ケーブルを抜き取った。エル=レスは彼の行動に疑問を呈するが、ブリックは、テストを合格できるのは最高の兵士だけであり、ドミノ分隊が合格を望むなら、機転を働かせる必要があるのだと返答した。だがクローンたちは訓練場に築かれたシタデルのタレットを登るという意外な行動を見せ、試験に合格する。ブリックも彼らの努力に感心し、訓練生たちを「創造的なクローン」だと称した。また、ジェダイ・マスター・シャク・ティもブリックの不正に気づいていたが、彼女はその行為がドミノ分隊から最善の努力を引き出しただけでなく、彼らそのものが実際によく訓練された部隊であるように見えたと語ったのだった。