<マレヴォランス>
(マレヴォランスから転送)
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<マレヴォランス>は、クローン大戦中に活躍したサブジュゲーター級ヘヴィ・クルーザーである。この船は独立星系連合のグリーヴァス将軍の旗艦だった。この巨大戦艦はヴェネター級スター・デストロイヤーの4倍以上の全長を誇り、船体の両側面に敵艦を航行不能にできる2基の巨大イオン・キャノンを装備していた。この船が最初に共和国部隊と遭遇したのは、ヤヴィンの戦いの21年前、ジェダイ将軍アレス・ニューンとクローン・コマンダー・カイトがプー星系の調査を行っていたときのことである。グリーヴァスはヌーマの艦隊にイオン・キャノンの砲撃を浴びせる機会を掴み、それを壊滅させることに成功した。そしてヌーンとの交信が途絶えた後、ジェダイ最高将軍プロ・クーンが<マレヴォランス>と交戦するため、艦隊を率いて出撃したのである。
クーンの艦隊が撃破された後、彼がジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーによって救出されたことで、<マレヴォランス>の存在は共和国の知るところとなった。ドゥークー伯爵は<マレヴォランス>をリンデリア星系付近の大規模なクローン・トルーパー医療センターへと送り込む。そしてカリーダ・ショールズ医療センターへ向かう途中、<マレヴォランス>はリンデリア星系内を通過中の共和国医療輸送船団を壊滅させた。だがこの戦艦が医療センターを攻撃する前に、スカイウォーカー将軍率いるBTL-B Yウィング・スターファイター部隊が医療センター付近で戦艦を妨害し、そのイオン・キャノンとハイパードライブを破壊したのだった。
その後、パドメ・アミダラ議員が<マレヴォランス>内で人質となり、スカイウォーカーとジェダイ最高将軍オビ=ワン・ケノービが彼女の救出に向かうことになる。そして戦艦を脱出する前に、スカイウォーカーは船の航法コンピューターを不正に操作した。敗戦が濃厚になったことを悟ったグリーヴァスは自身の戦闘機で脱出する。<マレヴォランス>に搭乗していたバトル・ドロイドたちはハイパードライブが修復できたと信じていたが、機能不全を起こした航法コンピューターによって<マレヴォランス>は付近の月へと激突したのだった。
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特徴
<マレヴォランス>はサブジュゲーター級ヘヴィ・クルーザーである。全長4,845メートルのこの戦艦は、2基のツイン・イオン・キャノンを装備していた。これが砲撃されると、キャノンから発射された波動が遠距離にわたって広がり、巨大な衝撃となって敵の宇宙船を航行不能とする。そしてイオン・キャノンが敵戦艦を航行不能とした後、船体のいたるところに配置されたおよそ500基のターボレーザーが一斉に火を吹き、船を破壊するのだ。多くの人々がこの船の大きさについて予測を行うなか、専門家たちもホロネット・ニュースでこの戦艦の大きさについて議論を行っていた。
この巨大戦艦の内部にはレール・ジェット・システムが構築されており、船内全域にわたってホバートレインが弾薬、補給品、ときには兵員の輸送を行っていた。これらの車両は大型兵員トランスポートとよく似ていた。16基の巨大亜光速エンジンを持つ<マレヴォランス>には強力なハイパードライブも搭載されており、あるとき独立星系連合のグリーヴァス将軍が、<マレヴォランス>の速度であれば共和国部隊を簡単に出し抜くことができると語っていたほどである。また、この船には2基のトラクター・ビーム砲塔も搭載されており、貨物船や小型宇宙船をドッキング・ベイの1つに引き寄せることができた。さらに船内には多数のヴァルチャー級ドロイド・スターファイターが収容されており、敵の戦闘機を殲滅することもできた。また、<マレヴォランス>には「ポッド・ハンター」の愛称で知られるドロック級ボーディング・シップが少なくとも1機用意されており、ロケット・バトル・ドロイドを乗せて、射出された敵の脱出ポッドを探し出し、それらを破壊していた。また、<マレヴォランス>にはグリーヴァス将軍の専用宇宙戦闘機<ソウルレス・ワン>も積み込まれていた。
歴史
<マレヴォランス>の出現
<マレヴォランス>はサラスタンのラグル・スクモングの設計をもとに、クオレンの分離主義者たちによってパマントで建造された、このクラスの第1号艦である。この戦艦はグリーヴァス将軍が<インヴィジブル・ハンド>の前に旗艦としていた船であり、銀河共和国第4艦隊をはじめとする多数の共和国機動部隊を壊滅させたのだった。また、<マレヴォランス>には少なくとも1隻の姉妹艦<デヴァステーション>の存在も知られていた。
巨大戦艦<マレヴォランス>が最初に発見されたのは、ジェダイ・マスター・アレス・ニューンとクローン・コマンダー・カイトが3隻のヴェネター級スター・デストロイヤーを伴ってプー星系の調査を行っていたときのことだった。このとき<マレヴォランス>を指揮するグリーヴァス将軍は、共和国部隊に砲撃を浴びせる機会を得たのである。キャノンからの第一波がスター・デストロイヤー<ローダブル>のシールドを消滅させた。ニューンとカイトは旗艦を退却させようとするが、船は<マレヴォランス>からの激しい砲撃によって破壊されてしまったのである。
共和国が謎の超兵器の噂を知ったのはこれらの機動部隊の壊滅後だったが、この攻撃による生存者が1人もいなかったため、<マレヴォランス>に関する詳細な情報は謎のままだった。事実、生物兵器として改造された巨大なスペース・スラッグや、クローキング装置を装備した宇宙船が使われたという推測が一人歩きしている状況だったのだ。その後、ジェダイ・オーダーに分離主義勢力の新型超兵器に関する情報が届くと、ジェダイ・マスター・プロ・クーンが数隻のヴェネター級スター・デストロイヤーを率いて「謎の超兵器」、すなわち<マレヴォランス>の捜索および破壊任務に志願した。ヴェネター級クルーザー<トライアムファント>の艦上から、クーンは<マレヴォランス>を追跡し、アブレガド星系へと向かったのである。
アブレガドの戦い
アブレガド星系で巨大戦艦<マレヴォランス>を追跡していたクーンは、自分が敗北した場合に備えて、この兵器に関する情報を可能な限り多く集めようとしていた。やがて連合国家元首ドゥークー伯爵がグリーヴァス将軍の働きぶりを監視するため<マレヴォランス>に到着し、将軍に共和国機動部隊の通信を妨害するよう命じる。そのため、クーンとクローン・コマンダー・ウルフがホログラムを通じてジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーとそのパダワン、アソーカ・タノに情報を送ろうとしたが、接近していた<マレヴォランス>によって交信が途絶えてしまったのだった。
<マレヴォランス>が前進する共和国艦隊の射程範囲外に出ると、グリーヴァスはバトル・ドロイドにイオン・キャノンの発射を命じた。すると、その巨大な衝撃波が艦隊を通過し、スター・デストロイヤーのシールドを無効化させる。戦いが続くなか、無防備となった共和国のスター・デストロイヤーは即座に<マレヴォランス>の無数のターボレーザー・キャノンによる激しい砲撃に晒されたのだった。そして、クーンと数人のクローンが脱出ポッドで艦隊から射出された後、ドゥークーはバトル・ドロイドにポッド・ハンターを招集させ、生存者の追跡と抹殺を命じたのである。
クーンからの最後の報告をもとに、スカイウォーカーとタノは、スカイウォーカーの貨物船<トワイライト>でハイパースペースを離脱した。2人のジェダイはそこで大量の瓦礫を発見し、戦闘があったことを推測する。ジェダイはクーンの捜索に向かうが、グリーヴァスは既に脱出ポッドで逃れたクーンとその部隊を探すため、ポッド・ハンターを送り出していた。バトル・ドロイドたちはクーンのポッドを除くすべての脱出ポッドを破壊していたが、クーンとその配下のクローン・トルーパーによって破壊される。その後、クーンと生き残りのクローンを救助した<トワイライト>が接近中の<マレヴォランス>を発見したため、クーンはスカイウォーカーに貨物船のすべてのシステムを停止させるよう命じたのだった。しかし、彼らは2-1B外科医ドロイドが起動したままであることを見落としており、<トワイライト>は<マレヴォランス>によって発見されてしまう。クーン、スカイウォーカー、タノは船のパワーを再起動し、現在地からの脱出を開始した。グリーヴァスはイオン・キャノンの発射を命じるが、ジェダイの逃走阻止に失敗し、彼らはハイパースペースへと突入してしまう。戦艦とそのイオン・キャノンの存在が共和国に知られてしまったことから、クーンの部隊をほぼ壊滅させたという事実にも関わらず、ドゥークーはこの戦いを敗北と捉えたのだった。シス卿は共和国からこの戦艦の秘密を守りきれなかったグリーヴァスの失態に大いに機嫌を損ねた。グリーヴァスに対する信頼を失った彼は、シス・マスターと次の計画について協議するため船を去ったのである。
リンデリアでの抗争
リンデリア星系で、<マレヴォランス>はこの星系を通過していた数隻の共和国ペルタ級フリゲートを妨害した。これらのフリゲート艦を護衛していたヴェネター級スター・デストロイヤーが医療船団を守ろうとするが、グリーヴァスは<マレヴォランス>の無数のレーザー・キャノンで医療船団を攻撃する。そして<マレヴォランス>が小艦隊を壊滅させた後、フリゲート艦の1隻が砲火を逃れ、逃走を開始した。グリーヴァスは逃げるフリゲート艦に向けてイオン・キャノンの発射を命じる。電気を帯びたイオン波がフリゲート艦のパワーを奪い取り、その後<マレヴォランス>が重砲火を直接浴びせることで、船を破壊したのだった。
ホログラム通信を通じてグリーヴァスの仕事を監視していたドゥークー伯爵はサイボーグ将軍に、ナブー星系の近くにある、6万を超える負傷したクローンを収容した共和国のカリーダ・ショールズ医療センターのことを伝える。ドゥークーはこの医療センターを<マレヴォランス>の次の標的として指名したのだ。このことは、伯爵がアブレガドでの失敗でグリーヴァスを完全に見放したわけではないことを示しており、グリーヴァスはこの新しい任務に満足したのだった。
<マレヴォランス>の破壊
医療ステーションへ向かう途中、マスターであるダース・シディアスから情報を得たドゥークーはホログラムを通じてグリーヴァスと交信し、共和国が<マレヴォランス>を攻撃するため、戦闘機の小グループを出撃させたことを伝えた。グリーヴァスは<マレヴォランス>のハイパードライブがそれほど高速でないことを承知しており、カリーダ星雲を迂回するために戦艦の航法コンピューターに座標の再計算をさせなければなからなかった。一方グリーヴァスを阻止するため、スカイウォーカーとタノはコーンセイヤー社製の新型快速爆撃機、BTL-B Yウィング・スターファイターを入手していた。彼らの中隊は迅速に発進し、オビ=ワン・ケノービ将軍の艦隊が星雲を迂回する間、<マレヴォランス>より先に到着するため、医療センターへの近道となるカリーダ星雲に突入する。やがて巨大戦艦が医療センターに到着し、脱出する医療フリゲート艦への砲撃を開始した。星雲内から姿を現したスカイウォーカー率いるシャドウ中隊も<マレヴォランス>と交戦する。ヴァルチャー・ドロイドが<マレヴォランス>から発進し、共和国部隊に襲い掛かった。そして彼らがスカイウォーカーの爆撃機と遭遇すると、グリーヴァスはバトル・ドロイドに、接近する部隊へのイオン・キャノンの発射を命じた。イオン波がヴァルチャー・ドロイドとスカイウォーカーの2機のYウィングを停止させる。だが、共和国中隊は2基の大型イオン・キャノンにダメージを与えることに成功し、オーバーロードによるイオン・キャノンの爆発がこの過程で船のハイパードライブにも損傷を与えたのだった。
共和国によって<マレヴォランス>が航行不能にされた後、ドゥークー伯爵は再びグリーヴァスと交信し、マスターが戦艦の現在位置に元老院議員を送り込んだことを知らせた。パルパティーン最高議長をもう1つの顔として使うシディアスがパドメ・アミダラと彼女のプロトコル・ドロイド、C-3POを、インターギャラクティック銀行グループの幹部たちとの和平交渉へ派遣したのである。だが、アミダラは状況を十分に認識しておらず、彼女とドロイドは<マレヴォランス>のトラクター・ビームによって捕えられてしまった。しかし、戦艦のハンガー内で彼らのヌビアン・ヨットが破壊された後、2人は船内で逃走を開始した。艦内に配備された消防ドロイドが破壊された船の現場に急行し、消火を開始する。その一方で、スカイウォーカーとケノービは議員の救出を計画し、<トワイライト>で緊急エアロックから<マレヴォランス>に乗り込んだ。グリーヴァスがB1バトル・ドロイドとB2スーパー・バトル・ドロイドの分隊を率いてすかさず艦橋を離れると、アミダラは<マレヴォランス>の通信ボックスを使ってスカイウォーカーと接触する。議員はグリーヴァスと彼の部下たちが通り過ぎるのを待ち、レール・ジェット・システムに入った。侵入者の存在に気付いたグリーヴァスはバトル・ドロイドたちにこの巨大戦艦の内部システムの防衛と、ハイパードライブの修理を命じたのだった。
レール・ジェットの室内で、バトル・ドロイドがアミダラとC-3POを攻撃しはじめた。スカイウォーカーとケノービは室内でアミダラと遭遇し、離れ離れになったレール・クラフト内でスカイウォーカーがアミダラを救助すると、ケノービはC-3POの救助に向かった。ケノービはC-3POをジェット・レールの外側にフォース・プッシュし、ハイパードライブの機関室へと入る。グリーヴァスがケノービと対決するが、ジェダイ・マスターはレール・ジェットから逃走した。このときグリーヴァスは気付いていなかったが、スカイウォーカーとアミダラが艦橋に侵入し、そこにいたバトル・ドロイドをすべて破壊していたのである。アミダラがバトル・ドロイドの残骸を倉庫に隠すと、スカイウォーカーが戦艦の航法コンピューターに細工を行い、2人は立ち去った。一方、グリーヴァスはケノービを追い、ジェダイとライトセイバー戦を繰り広げるが、ケノービは再び逃走し、<トワイライト>でスカイウォーカー、アミダラ、C-3PO、R2-D2と合流する。そして敗戦を認識したグリーヴァスも、専用宇宙戦闘機<ソウルレス・ワン>で<マレヴォランス>を脱出したのだった。その後、<マレヴォランス>のドロイドの乗員たちが、ハイパードライブの修理が終わったと信じ、連合スペースのセクター4に向けてジャンプの準備を行った。だが、スカイウォーカーとアミダラによって破壊されたドロイドたちは、ハイパースペース・ジャンプの準備を行っているB1バトル・ドロイドの分隊に連絡を行っていなかったのだ。バトル・ドロイドたちは、入力した座標に巨大戦艦が反応しないことに気付き、グリーヴァスに連絡する。将軍は半狂乱でドロイドに航法コンピューターのリセットを命じるが、彼らは失敗し、結果として船は衛星に激突して大破したのだった。辛うじて脱出したグリーヴァスは、<マレヴォランス>を死守しろというドゥークー伯爵からの命令を一方的に切断し、秘密の隠れ家へと帰還する。一方、<トワイライト>も彼らの帰還を待つ共和国艦船と無事に合流することができた。こうして<マレヴォランス>の脅威は終わりを告げたのである。
指揮官と乗員
<マレヴォランス>の指揮官はグリーヴァス将軍であり、彼はこの船を旗艦としていた。一方で、この船の整備と艦橋での操艦を担当していたのはバトル・ドロイドたちである。グリーヴァスはバトル・ドロイドたちに命令を与えていたが、グリーヴァスとバトル・ドロイドとの関係は、彼が<マレヴォランス>を指揮している間に揺らいでしまった。
アブレガドの戦いの間にはドゥークー伯爵もこの船に乗艦し、グリーヴァスに助言を行っていた。その後もシス卿はもう1人の指揮官として振る舞い、ホログラムを通じて将軍の働きを監視していたのである。彼は戦闘計画を編み出し、共和国部隊に対する攻撃を支持することですことでグリーヴァスを支えたのだった。