クロナル
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ブラックホールのコードネームでよく知られるクロナルは、かつてのダークサイドの預言者であり、ヤヴィンの戦い後にダース・ヴェイダーと共に反乱同盟軍の抹殺に従事した謎の多い帝国情報部長官である。預言の達人だったクロナルは、パルパティーン皇帝によって預言者から銀河帝国へと招聘された。だが、彼はダークサイドでの瞑想に身を任せた結果、内向的かつ肉体的に脆弱なパラノイア気質になってしまった。また、パルパティーンのモンスター・メーカーと言われたクロナルは、数人のシススポーンや他のシスの魔術の装置を作り出している。時が経つにつれ彼はさらに内に篭るようになり、ダークサイドに蝕まれると同時に確実に狂気に取り付かれていったのである。
銀河内乱の間に追放された後、クロナルは大将軍として復帰し、シャドウスポーンと名乗るようになった。シャドウスポーンは皇帝のロイヤル・ガードやシャドウ・ストームトルーパーの大隊を意のままに利用し、新共和国の惑星を次々と荒廃させていった。彼とその帝国分派は死と破壊を撒き散らし、略奪、テロ、大量殺戮を繰り返した。そしてアウター・リムを征服したシャドウスポーンは惑星ミンドアに基地を築き、そこを活動拠点としたのだった。シャドウスポーンの脅威に反応した新共和国は、彼を討伐するため新しく将軍に任命されたルーク・スカイウォーカーを送り込み、命を賭けた反抗作戦を開始する。ミンドアでスカイウォーカーへの罠を計画したシャドウスポーンは、この戦いに敗北したが、彼は生き残り、やがて復活したパルパティーンに仕えることになる。
目次 |
経歴
人生の初期
帝国の時代には、ブラックホールの出自に関する噂が無数に存在していた。彼がパルパティーンの党派に属するかつての元老院議員補佐だったと信じる者もいれば、コルサントのジェダイ公文書館で助手として働き、最終的にフォースのダークサイドに魅了されたのだという噂もあった。
事実によると、当初のクロナル卿はドロマンド・カスに拠点を置くフォース感知者のカルト集団、ダークサイドの預言者の1人である。この間に彼は娘のサリスを授かるが、彼女には両親に関する記憶がなかった。クロナルと他の預言者たちがサリスに度重なる虐待を与えるなか、彼女はこの中の誰かが自分の父親だと推測したが、それが誰なのかは決して分からなかったのだ。預言者としてのクロナルはパルパティーンの調査官ジェレクの訓練にも手を貸しており、手始めに彼にジェダイの谷に関する伝説を教えている。
クロナルの預言能力は絶大であり、その極めて正確なビジョンはパルパティーンからも高く評価されていた。しかし同時に、クロナルは仲間の預言者たちの裏切りを恐れていた。クロナルの力を無視できないと気づいたパルパティーンが彼に帝国情報部のトップの座を用意したとき、クロナルは時を得たと考えた。彼はブラックホールのコードネームを手にし、ダークサイドの預言者から帝国情報部長官へと転身したのである。
帝国情報部
クロナル卿は目立たずひっそりと帝国情報部に加わったため、彼の存在に気づいた者はほとんどいなかった。彼自身もパルパティーン皇帝以上に極めて孤独を好む性格だったのだ。彼の仕事の大半はドロイドや代理人などの様々な隠れ蓑を通じて行われていた。極稀に姿を見せるときも、クロナルは画像歪曲装置の付いたホログラム送受信機を通じて出現し、ブラックホールのコードネームを使っていたのである。多くの人々に対して、ブラックホールは身長1.8から3メートルほどの漠然としたヒューマノイドの姿でしかなく、その体には光り輝く星々がちりばめられているか、またはダークサイドの預言者のローブを羽織っていた。頭部には何の特徴もなかったが、目は見えたり見えなかったりで、送信される音声は性別さえも分からないように変調されたものだった。
クロナルの本当の姿が小柄で貧弱なしおれた老人であることを知る者はほんの一握りしかいなかった。ダークサイドに踏み込んだクロナルはかつての自分に残っていたものを捨て去っていたのである。ダークサイドに肉体的、精神的健康を吸い取られた彼は、特別に作られた生命維持室の中で過ごすことを余儀なくされた。従者を助けるため、パルパティーンは彼に球形の本体に昆虫型の脚が付いたニモイディア製のメクノ=チェアを贈っている。
情報部の長として、クロナルは帝国のホロネットに対する事実上制限のないアクセス権と支配権を与えられていた。彼は帝国宇宙軍のあらゆるホロネット装置や、民間にいまだ存在していた数少ない装置をも支配し、どこにでも姿を現すことができたのだ。彼は銀河系の莫大な情報にアクセスしながら、私室でスクリーンに次々と表示されるデータを眺め、瞑想を行い、フォースのダークサイドから得られるビジョンを待ちながら過ごしていたのである。
また、クロナルには専用のインペリアルI級スター・デストロイヤー<シンギュラリティ>と、TIE/LNスターファイター航宙団の第123ナイトストーカー・グループ、独自のシャドウ・ストームトルーパー部隊などが与えられており、彼はそれらすべてを黒いスタイジアン=トリプラズマチック・ポリマーでコーティングすることで、センサー・ステルス性を向上させていた。そして帝国情報部の長の地位に就いてほんの数年後、クロナルは自分の命が危険に晒されていると確信し、<シンギュラリティ>に移動した。それ以来、彼は残りの人生の大半を移動しながら過ごすようになったのだった。
闇の従者
情報部での地位に加え、クロナルはパルパティーンの個人的な代理人、皇帝の手の1人でもあった。手の多くは卓越した戦闘能力を有していたが、ブラックホールは恐怖とパラノイアを道具として使っていたのである。
ブラックホールはシスの魔術と遺伝子工学の双方に熟達しており、この技能を使って様々な生物をシススポーンへと転移させたことから、モンスター・メーカーの異名でも呼ばれていた。ある実験に使われる1組の被験体を捜していたクロナルはタジン・ギャストに協力し、チュンバー計画によってコワキアン・モンキー=リザードとガモーリアンを手に入れる。彼は魔術の実験でこの2体の生物を双子のダーク・ジェダイ、ピカルーン・C・ブードルとゴークへと作り変えたのだった。後にこの2人はジェレクの部下となっている。
また、クロナルはテクノロジーとフォースとの溝埋めに関わったパルパティーンの数多くの従者の1人でもある。彼は闇の科学を用いて帝国に存在するすべてのフォース検出装置の改造を行った。ミンバンのタイセン・クリスタルとライトセイバー作成から得た技術によって、クロナルはフォース検出装置に検出したあらゆるフォースを増幅させる能力を与え、同様に対象者のダークサイド傾向を調べられるようにしたのである。こうした過程で、彼はシスの巻物として何千年もの間保存されていた、太古に死んだシス卿ベリア・ダーズーの数多くの秘密を利用したのだった。
ヴァージッドVの事件
ヤヴィンの戦いのおよそ1年後、反乱同盟軍が新しい戦術を開始した。彼らは帝国との直接対決に完敗したが、一方で新兵の勧誘活動に注力していたのである。この計画を知ったクロナルは即座にダース・ヴェイダーに報告した。クロナルは反乱軍の志願者を1人ずつ抹殺していく機会を希望したが、ヴェイダーはこれが帝国への憤怒を招くだけになることをわきまえていた。その代わりに、彼は情報長官に帝国が関与した痕跡を残さず彼らを誘拐するよう命じたのである。クロナルはルーク・スカイウォーカーとレイア・オーガナが現地の支持者と接触するためにヴァージッドVへ向かったという情報を入手し、彼らの追跡を開始した。彼はストームトルーパーに捕らえた2人の反逆者を気絶させるよう命じ、彼らの誘拐に成功する。そして、クロナルのトルーパーたちはさらに2人の反逆者、ファラッドとパクシンを捕らえたのだった。
クロナルのストームトルーパーは4人の反逆者を宇宙港へと連れて行き、情報部長官が尋問を開始した。パラライズ・ビームが反逆者を麻痺させ、クロナルは彼らに交互に尋問ドロイドを使用する。最初の3人は連絡員の名前を知らず、最後に残ったレイアがドロイドによる心理探査に直面した。だが、クロナルを目撃していたC-3POとR2-D2が宇宙船に侵入し、パラライズ・ビームを切断した。ルークはクロナルに襲い掛かるが、実体のないホログラムに手が空振りし、ただ驚かされただけだった。反逆者たちは船で宇宙港へと逃走し、クロナルと彼の兵士たちがその後を追う。クロナルは彼らを撃つよう命じたが、既に周囲は目撃者であふれていたのだった。
その後、ヴェイダーはクロナルの失態に激怒し、謝罪を受け入れず、反逆者の拘束と連絡員の抹殺を命じた。クロナルは彼らを追い、ルーク・スカイウォーカーが反乱軍の連絡員との接触に向かうと、トルーパーたちに彼を追跡させた。しかし、現地の反乱軍支持者たちは周到な準備をしており、彼らの助力によってルークは容易に追跡をかわすことができた。クロナルは逃走経路を封鎖してルークを捕らえるよう命じるが、ルークは兵士たちを避けて会合場所に到着する。しかし、運はすぐに長官に味方した。フリーリーと呼ばれる現地のギャング団のメンバーがレイア・オーガナを捕らえることに成功し、身代金と引き換えにレイアの解放を申し出ていたのである。スパイの1人、ルバーンを通じてそれを知ったクロナルは、彼に兵士を連れてフリーリーを捕らえるよう命じた。彼らはこの任務に成功し、クロナルは尋問を行うが、ルークの出現によって妨害されてしまう。ルークはホログラム送受信機を切断し、フリーリーの隠れ家へと向かったが、クロナルもその場所を知っており、兵士たちを襲撃に向かわせた。弁明に嫌気が差した彼は兵士たちに攻撃を命じるものの、最終的に彼らは失敗し、反逆者たちは逃走したのだった。
その後、反乱軍は状況報告を通じてブラックホールとの遭遇に関する情報を得ることになった。彼らはC-3POにこの謎めいた人物に関するあらゆる情報を提供するよう命じ、彼の記憶に残されたヴァージッドVの事件とブラックホールの容姿に関するデータを反乱軍のスーパーコンピューター、ミストレス・メノスに入力した。ミストレス・メノスはデータを相互参照し、帝国艦隊に潜入した反乱軍スパイから諜報網を突き止めると、ヴェイダーとブラックホールが初期に遭遇したときの姿を発見したのだった。
失踪
狂乱状態とパラノイアが強まるにつれ、帝国のクロナルへの依存度も低下していったが、彼が依然として反乱同盟軍にとって厄介な敵であることには変わりなかった。同盟軍はブラックホールへの独自の攻撃を開始し、彼のスター・デストロイヤーへ侵入した。彼らがどのようにして乗り込んだのかは謎だが、ヴァージッドの事件後にクロナル卿はアウター・リムへと追放され、完全に姿を消していたのである。その後、コルサントではクロナルの失踪によってイセイン・アイサードが帝国情報部長官となり、権力を掌握していた。一方で、追放されたクロナルは古代シスの研究を行い、大量の知識を集めていたのだった。彼は近代テクノロジーに関する専門的知識も身に付け、銀河系の一部の支配に乗り出す自信を深めていたのである。
エンドアでパルパティーンが死亡したと思われたとき、クロナルは追放状態から復帰し、自らの計画を実行に移した。彼はコルサントへ向かい、セイト・ペスタージ皇帝と共にダークサイド教会を設立する。これはダークサイドの預言者の偽物であり、帝国の精神とモラルの隙間を埋める試みの一環だった。また、クロナルはパルパティーンが生き延びていることに気づいており、パルパティーンのダークサイドの達人の1人として新たに仕えるようになった。そしてエンドアの戦いのおよそ1年後、彼はマスターのためにかつての教え子ジェレクと接触し、彼にジェダイの谷の捜索を命じたのである。ジェレクは恭順の意を示し、自身のスター・デストロイヤー<ヴェンジャンスII>をビィスのパルパティーンの元へと向かうクロナルに差し出したのだった。
またエンドアの戦い後のあるとき、クロナルは惑星トレイリアに姿を現し、魔術の実験のため原住民のトレイリアンたちを誘拐した。彼はこの惑星の住人をダークサイドの戦闘種族に作り変え、新共和国に対抗しようと考えたのである。クロナルはトレイリアのジャングルに隠された研究所からこの実験を指揮し、実験で作り出した数人の生物たちによって厳重な警備を敷いていた。彼は自分の創造物と任務の成功に満足したが、創造過程は不完全であり、その結果彼の戦士たちは不安定で命令に不従順だった。トレイリアでの計画は最終的には失敗に終わったのである。
ミンドアの反抗
ヤヴィンの戦いの5年後、クロナルはシャドウスポーンと名乗るようになり、新共和国に対抗する数多くの帝国分派の1つを担う大将軍となった。パルパティーンの死後、皇帝のロイヤル・ガードの多くがかつてのマスターの後を追い、殉死によってその数を大きく減らしたが、これに参加したかった一部のガードマンたちはシャドウスポーンの勢力に加わった。シャドウスポーンはインナー・リムを掌握し、戦略的に重要となる惑星ミンドアを本拠地としたのだった。彼はシャドウ・ストームトルーパーを配置し、テロや海賊行為を行い、さらに新共和国の惑星に対する無差別の大量殺戮を行った。シャドウスポーンの目的は銀河系における新共和国の支配体制を破壊し、帝国、そしてシスの恐怖を復活させることだった。彼は自らを新銀河皇帝と宣言し、銀河帝国の完全なる復興を目指したのである。
シャドウスポーンの破壊的な権力欲を見過ごせなくなったルーク・スカイウォーカーは、新共和国の将軍となって彼に対する反抗を開始した。スカイウォーカーはシャドウスポーンによって征服されたインナー・リムの惑星の解放を目指し、結果的に何千もの死者を生むことになる、長い血塗られた戦いの連鎖を招いたのだった。一方で、シャドウスポーンも自分が重大な障害に直面するであろうことを予言しており、これがスカイウォーカーであることを確信していた。大将軍はやがて訪れる対決を心待ちにし、ルークに向けた罠を張り巡らしたのだった。
戦いを終結させるため、シャドウスポーンの兵士たちはスカイウォーカーの攻撃に備えてミンドアに立て篭もった。シャドウスポーンは新共和国の英雄たちを罠におびき寄せようとしていたのだ。一方、スカイウォーカーは、フェン・シャイアのマンダロリアン・プロテクター、ハン・ソロ、レイア・オーガナ、チューバッカ、C-3PO、R2-D2、ローグ中隊のパイロットたちの助けを得て、即座に惑星への攻撃を開始したのだった。
シャドウスポーンとシャドウ・ストームトルーパーはスカイウォーカーたちを相手にミンドアの戦いを繰り広げた。彼自身もシスの魔術で鍛え上げたライトセイバーで敵と戦ったが、敵の力を過小評価していた。やがて、マンダロリアンが新共和国側に加勢したことによって流れが変わり、この厳しい戦いもついに終結する。シャドウスポーンの部下たちは壊滅し、両陣営におびただしい犠牲者が出たのだった。この戦いによって極めて多くを失ったことに気づいたスカイウォーカーは戦争に嫌気が指し、新共和国軍から身を退くことになる。
その後の活動
帝国内乱の最盛期、パルパティーンは裏切り者のマラ・ジェイドの拘束を命じていた。彼女は帝国を離れ、ヤヴィンの戦いの9年後にルーク・スカイウォーカーのクローンを殺害すると、パルパティーンのテレパシーによる指令を断ち切っていたのだ。クロナルは一端は彼女を捕らえたが、その後、彼女は新共和国によって救出されている。
こうした一連の出来事の後のクロナルの居場所については、推測の域を出ていない。その間に、かつてブラックホールのストームトルーパーの一員だった帝国軍のリーダー、カノア・ジャックスは、パルパティーンの最終的な死の後に権力を掴み、クロナルの軍の一部を自身の戦力に組み込んでいた。このときクロナル卿はコルサントの奥深くに作られた秘密の研究所でイリク・イズマレンの人体改造を行い、ナイアックス卿と呼ばれるサイボーグを作っていたと考えられている。
人物と特徴
狡猾なクロナル卿は、パルパティーンの最も強力なダークサイドの魔術師の1人である。しかし、彼はダークサイドにあまりにも深く染まりすぎたため、肉体と精神を大きく蝕まれていた。小柄でひ弱な老人となったクロナルは、生命維持装置に頼らなければ生きていけない体になり、正気を失わせるダークサイドのビジョンとその過度な使用によって、精神的にも苦しんでいたのだった。彼は自分の生命に対する存在しない脅威に怯えるようになり、自身を外界から隔離した。クロナルが自分の部隊を黒一色に染めたのも彼の奇癖の1つだが、これには戦略的な優位性もあった。また、彼は敵を操ることに長けており、敵を直接意のままに弄んでいた。気性の激しい邪悪なクロナルは自軍の兵士たちに新共和国の惑星を瓦礫と化すよう命じ、エンドアの戦い後の無差別大量虐殺によって死体の山を築いたのだった。やがて、ミンドアで彼は熱望していたルーク・スカイウォーカーとの対決を向かえるが、罠がことごとく破られたことで自らの無謀さを晒してしまう。その結果、彼は敗北し、兵士たちを1人残らず失ってしまったのである。
力と能力
ブラックホールの力の源流の大部分は恐怖とパラノイアである。彼と会話をした人々は、気温の変化がなかったにもかかわらず、著しい冷気を感じたと主張している。この恐怖の一部は彼の物理的な存在によるものだが、クロナルは実際にフォースを通じて他人に恐怖を誘発させることができたのだ。
クロナルは、マインド・トリック、読心術、幻術、癒しなど、他にも多くのフォース・パワーを使うことができた。また、彼は言語能力にも長けており、ボシーズ語、ハッティーズ語、ニモイディアン語などを話すことができた。