シス卿オーダー
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ダース・ベインによるシス・オーダーは、凄惨を極めた第7次ルーサンの戦いによって前シス・オーダーが壊滅したとき、その結果を教訓として築かれたものである。正式にはシス卿オーダーとして知られるベインのシス・オーダーは、ダース・レヴァンのホロクロンを基本教義として構築されており、ベインはそれに基づいて二人の掟を定めたのだった。彼は最終的な目的を達成させるために、忍耐と裏切りからなる策略を利用したが、これこそがオーダーの原則を具現化したものだったのだ。そしておよそ1,000年後、彼らはついにジェダイと銀河共和国を打破することになる。
目次 |
歴史
ベインの改革
第7次ルーサンの戦い後、シス卿の唯一の生き残りだったダース・ベインはシスを存続させるための改革に着手した。内紛による崩壊を防ぎ、再び理念を見失うようなことを避けるため、ベインはただ1人の弟子を取り、1人のマスターが1人の弟子に代々「ダース」の名を継承させるという伝統を再開したのである。カーン卿の初期の宣言に基づき、ベインのシス・オーダーにおけるマスターと弟子は共に「シスの暗黒卿」の称号を名乗り、少なくとも名目上は同等の地位に立つようになった。この新しい邪悪なオーダーの教義は狡猾で捕らえ難く、欺瞞に満ちていたが、何よりも重要な柱は、最大の敵から得た有益な概念、すなわち忍耐だったのだ。
やがてベインは新しい弟子を取り、彼女にダース・ザナーの名を与え、新しいオーダーを開始させた。さらに彼は弟子に古代の巻物を研究させ、シスの魔術を学ばせた。彼らはシスの知識を永続させ、それが決して失われないよう、オーダーと共に存続させることを目指したのである。その後のベインのオーダーのシス卿たちも、忍耐、狡猾さ、秘密主義の利点を学び、ダースの称号を名乗っていった。この伝統はおよそ3,000年前に勃発したジェダイ内乱以前の時代にまでさかのぼるものである。
しかし、ベインの新オーダーはほどなくしてジェダイによって再び発見され、抹殺されたと思われるようになった。だが、ジェダイは二人の掟とダース・ベイン本人を発見したものの、ベインの死後も彼の創設した新しいシスが長く生きながらえることまでは予見していなかったのだった。
沈黙の時代
その後1,000年にわたってシスは姿を現すことなく銀河共和国の安定を揺さぶり続け、状況を注視しつつ、時が訪れるのを待っていた。そして何世紀かが経過し、ヤヴィンの戦いの188年前にダーク・ジェダイ抗争が勃発したとき、キブ・ジーンがジェダイに対し、シスは二人の掟を実践しながら生きながらえていると告げた。だが彼の警告は無視され、狂人の戯言として聞き流されてしまう。彼らの存在はダース・シディアスの最初の弟子、ダース・モールがジェダイ・マスター・クワイ＝ガン・ジンを襲うまで、闇に覆われたままとなったのだ。
分裂
ヤヴィンの戦いの1,000年前に行われたベインによる改革後のあるとき、ベインのオーダーの弟子の1人、ダース・ミレニアルは、シスは同時に師弟の2人のみしか存在してはならないと命じた二人の掟への厳格な追従を拒否した。ミレニアルは「力による支配」というカーン卿のより好戦的な哲学を信奉しており、数こそが力であるとして、ベインの信念に反対したのである。彼はマスター、ダース・コグナスを捨て、カーンの理想を追求するために姿を消した。ミレニアルは独自の概念に基づく第2のシス・オーダーの創設を目指したのである。
ミレニアルは、かつての古代シス帝国の辺境に位置するドロマンド・カス星系の第3惑星にたどり着き、新たなダークサイドの信仰を興した。これは後にダーク・フォースと呼ばれるようになり、彼の後継者すべてに信奉されることになる。一方で、ミレニアルの元マスター、ダース・コグナスは新しい弟子を見つけ、これまでどおり静かに、影の中でシス・オーダーを継続させていた。そしてその後何世紀にもわたって、有能なダース・ヴェクティヴズをはじめとする多くのシスたちが密かに現れ、消えていった。だが、最も偉大なシスはまだ現れていなかった。
パルパティーンの時代
やがてついに沈黙の時代が終わりを告げた。多くの人々からシス・オーダーの歴史において最も偉大なシスの暗黒卿とされるダース・シディアスが出現したのである。彼は過去何世紀にもわたって準備されたシスの偉大なる計画を実行に移した。ムーンのダース・プレイガスの弟子に過ぎなかったときにも、シディアスは独自の弟子、ザブラクのダース・モールを訓練していた。やがて、アナキン・スカイウォーカーの誕生（これはプレイガスが作り出した出来事だとされている）からほどなくして、シディアスはマスターを殺害し、自らをシス・マスターと宣言したのだった。復讐のときが訪れたのである。
シス・カルトの統一
だが、シディアスを超える期待を背負ったモールの弟子としての能力も、彼にとってはまだ不十分だった。また、彼らには対処が必要となる他の問題、すなわち初期のシス・カルトの残骸への対応が残されていた。多くの場合、これらのカルトは無害で統率がとれておらず、無計画に親に反抗する子供のような存在でしかなかった。彼らの多くはシスのイデオロギーに関する知識を持っておらず、フォースの力さえなかったのだ。しかし、なかにはシディアスにとって危険な存在となり得るものもあった。計画の成功を確実なものとするためには、彼らをシディアスの意思に従わせるか、あるいは壊滅させなければならなかった。
これらの1つにシスを中心とした傭兵団、サイアシアンのサン・ガードがあった。彼らはフォース感知者ではなかったが、驚くべき戦闘能力を誇っていた。彼らは全身を黒い装甲服に包んでおり、そのヘルメットは青いローブを羽織ったセネイト・ガードのものとよく似ていた（これが意図的なものなのか、あるいはただの偶然なのかは不明である）。シディアスはサイアサス星系でこのシスの傭兵たちを取り込み、役立つであろう場所で彼らを利用した。一部はコルサントにある彼の拠点の警備に当たり、機が熟すと、他の者たちにはさらに邪悪な任務を与えられたのだった。
また、ダーク・フォースの信奉者たち、すなわちダース・ミレニアルを祖とする1,000年前の異端の継承者たちも存続していた。彼らは、カダーンと名乗る小柄な堕落したジェダイによって組織された有能なフォース使いとシスの熱狂的信奉者からなる集団である。彼らは厳密にはシスではなかったが、その存在を知ったシディアスは潜在的な有用性を感じ取り、この秘密組織が発展させたミレニアルの教義に関心を抱いたのだった。やがて適切なときにシディアスはドロマンド・カスを訪れ、この預言者と彼の独自のフォース観に興味を持ったとして、カダーンに面会したのである。そして何度も行われた長い話し合いと討論の末、ついにシディアスはカダーンに自らの真の目的を告げたのだった。
カダーンは自分の運命を受け入れた。シディアスの命令に従い、彼はダーク・フォースの狂信者、特にフォースによって未来を予兆する力に優れた者たちからなる小規模なグループを用意した。彼らはダークサイドの預言者と呼ばれるようになり、カダーンはその最高預言者の地位に就いたのだった。そして新秩序が実現すると、カダーンはパルパティーン皇帝の最も信頼する、そして最も秘密の多い助言者の1人となったのである。
大いなる計画
ヤヴィンの戦いの52年前、ダース・シディアスは共和国政府への進出に着手した。彼は過去何世紀にもわたって温存されていた計画を一歩ずつ入念に実行に移し、20年後、ナブー侵略を画策することによって、銀河系の人々が長く忘れ去っていた「不正」を正す準備を始めたのである。この戦いの中で、弟子のダース・モールがジェダイ・パダワン・オビ＝ワン・ケノービによって倒されるという予想外の出来事があったが、この日はシスにとって比類なき勝利を達成した瞬間となった。シディアス、すなわちナブーのパルパティーン議員が銀河共和国の最高議長に選出されたのである。
さらに10年後、パルパティーンは元老院を操り、自身に更なる権力を集中させた。また、新しい弟子、ダース・ティラナスに独立星系連合を組織させ、銀河共和国からの脱退を実行させると、クローン大戦と呼ばれる長い血塗られた抗争を勃発させたのである。だが戦争が進むにつれ、ジェダイはパルパティーンの権力拡大に疑念の目を向けるようになったのだった。
クローン大戦が終わりに近づくにつれ、ジェダイはその勢力を大幅に消耗させていった。そしてついに、シスがかつての栄光を取り戻すときが訪れる。パルパティーン最高議長がアナキン・スカイウォーカーに、自分こそがダース・シディアスであることを告白し、彼を逮捕にしにきた4人のジェダイ・マスターを殺害したのだ。その後、彼は自らを銀河皇帝と称し、新秩序の公布を経て旧共和国を銀河帝国へと再編した。1,000年来類を見ない独裁国家を装った、銀河系規模のダークサイドの神政国家が誕生したのである。
そしてオーダー66の発令によってジェダイの粛清が開始され、パルパティーンからの命令を受信したクローン・トルーパーたちはジェダイの司令官を次々と抹殺していった。また、パルパティーンの3番目にして最強の弟子、ダース・ヴェイダーはジェダイ聖堂への襲撃を指揮した。この粛清によって当初の1万人いたとされるジェダイはほんの一握りにまで減少し、事実上歴史から姿を消すことになる。銀河系に暗黒の時代が訪れたのだった。
しかしヤヴィンの戦いの前年、ついに反乱同盟軍が帝国打倒のために立ち上がった。その後38年にもおよぶ銀河内乱は多くの人々を巻き込んだが、なかでも最も有名な人物はアナキン・スカイウォーカー、すなわちダース・ヴェイダーの息子、ルーク・スカイウォーカーである。
スカイウォーカーが帝国の恐るべき超兵器デス・スターを破壊した直後、皇帝とヴェイダーはこの若者の正体に気づいた。2人のシス卿はルークをダークサイドへ引き込みたいと考えたが、両者が抱く将来的な計画は異なっていた。ヴェイダーは皇帝を殺し、親子で銀河系に君臨するという野望を抱いていたが、パルパティーンはヴェイダーをこの少年と置き換え、4番目の弟子にしようとしていたのである。だが、どちらの計画も成功しなかった。当初からジェダイの予言にあったように、最終的にシスは終焉を迎えることになる。エンドアの戦いで第2デス・スターが破壊されたとき、ダース・ヴェイダーはアナキン・スカイウォーカーとしてライトサイドへの帰還を果たしのた。彼はダークサイドのマスターを倒し、相打ちとなってその生涯を閉じたのである。
アナキン・スカイウォーカーのライトサイドへの帰還と、ベインの改革によるシス・オーダーの最後のマスター、皇帝の死によって、フォースに均衡をもたらすという選ばれし者の予言が成就されたのだった。
パルパティーンの復活
しかし、死でさえもパルパティーンにとっては終焉を意味していなかった。これまでのシスたちとは異なり、パルパティーンには弟子と入れ替わるつもりはなく、自身のみを帝国の真のリーダーとして永遠に銀河系を支配しようと考えていたのである。エンドアの戦いによる死の前に、皇帝は肉体の死後も自分の精神を保存しておくことによって死から免れる方法を発見していたのだ。彼はいくつもクローンを用意しており、肉体を失った際に精神を転移させる準備をしていた。彼の主要なクローンは惑星ビィスに保管されており、忠実なダーク・ジェダイや遺伝子操作を行ったインペリアル・センチネルたちによって守られ、信頼できる科学者たちによって管理されていたのである。
第2デス・スターの破壊後、パルパティーンの精神は痛々しい肉体を持たない虚空の存在として漂うことを余儀なくされたが、やがて皇帝の手の1人、ジェン・ドローガの肉体へと乗り移った。ドローガはこの過程で発狂したが、彼はどうにかビィスへたどり着き、パルパティーンは自身のクローンに乗り移ることができたのだった。その後、彼は数年間ビィスに留まり、力と帝国の再建を行っていたのである。
エンドアの戦いによるパルパティーンの表向きの死は、銀河帝国の分裂を招いた。後継者不在のまま、好機を得たモフや他の高官たちは大将軍を名乗り、自らの王国を開拓していったのである。だが、皮肉にもこの状況は新共和国にとって有利に働き、銀河系の大半は新共和国によって奪還されたのだった。
そしてスローン大提督の死後、ついに復活した皇帝が動き出した。彼は暗黒の力を使って強力なフォースの嵐を作り出し、ジェダイ・マスター・ルーク・スカイウォーカーをビィスへと招いた。彼はそこでルークに正体を明かし、ダークサイドの力を披露する。だが、不死身の敵に直面したスカイウォーカーはダークサイドを内側から破るため、信じがたい行動に出た。彼はパルパティーンの前に跪き、皇帝の新しいシス・アプレンティスとなることを誓ったのである。
蘇ったパルパティーンの計画は、銀河帝国を闇の帝国、すなわち宙域総督やテクノロジーの優位性に頼る必要のない、フォースのダークサイドのみによって支配される全宇宙的規模の帝国に置き換えることだった。
皇帝とその忠実な帝国軍は銀河首都コルサントを奪回し、1年にわたって銀河系に大きな被害を与えたが、彼の肉体は死に掛かっていた。裏切り者のソヴェリン・プロテクター、カノア・ジャックスがパルパティーンの遺伝子素材に手を加えていたのだ。やがて、パルパティーンは惑星オンダロンで最終的な死を迎えることになる。ジェダイの粛清を生き延びたジェダイ・ナイト、エンパトジェイオス・ブランドが瀕死の中、皇帝の精神を自分と結合させフォースと一体となったのだ。こうしてシス卿オーダーは潰えたのである。
パルパティーン後のシス
ダース・ベインのオーダーはオンダロンにおけるシディアスの死によって滅亡したが、シスの継承は後継者を自称する2つの系統、ルミヤのシスとワン・シスが独自の後継カルトを作ることによって存続した。
階級構造
シスの存続を確実にするため、ベインは二人の掟を制定した。ベインのオーダーでは、2人のシスが共にシスの暗黒卿の称号を保持することになる。
シス・マスターは配下に仕える弟子を持つシス卿である。
シス・アプレンティスは、シス・マスターによる指導のもとで学ぶシスの訓練生である。
パルパティーンの時代
パルパティーンが自らを皇帝と宣言したとき、シスは歴史上初めて既知銀河系を政治的に支配することになった。だが、この新しい広範囲な権力を維持するには、帝国の至るところにダークサイドとの関わりに関係なく、従者や支持者を配置する必要があった。彼らは厳密な意味ではシスではないが、シスに準じる従者であり、一般にダークサイドの達人として知られていた。皇帝に仕えるフォース感知者である彼らはシスの支配を支え、従者、スパイ、諜報員、軍高官などとして働いていたのである。パルパティーンが死から5年後にクローンとして蘇った際には、ダークサイドの達人たちに特に重要な地位が与えられたのだった。
尋問官は帝国情報部の特別部門である尋問局のメンバーであり、ダークサイドの達人たちの最高位の階級である。
ダークサイドの預言者はダース・ミレニアルによって創設された、古代アウター・リムにおける背信者たちのシス・オーダーである。議論の余地はあるが、彼らは真のシスの一種だった。この預言者たちを再発見したダース・シディアスは彼らを自らの支配下に取り込み、皇帝の魔術師と名を変えている。
皇帝の手は、皇帝自らがフォースの訓練を与えた最高機密の特別な工作員である。彼らはその存在を隠されていたため、通常は互いに関する知識すら持っていなかった。最も有名な皇帝の手はマラ・ジェイドである。
ロイヤル・ガードは皇帝に直接使え、その警護を行う、厳選されたエリート・ストームトルーパーたちである。ロイヤル・ガードに選ばれるには未発達であってもフォース感知力を持つことが要求された。特に高度な技能を持つ者はソヴェリン・プロテクターに任命され、さらに高度な技能を持つ者にはダーク・ジェダイの指導者のもとでフォースの訓練が与えられていた。
ダーク・アコライトは独立星系連合において、スパイ、指揮官、将軍などとしてドゥークー伯爵に仕えていたダーク・ジェダイの一団である。彼らはフォースのダークサイドの訓練を受けていたが、シスの技法についてはほとんど教えられていなかった。アサージ・ヴェントレス、ソーラ・バルク、クインラン・ヴォス、セヴランス・タンなどは、よく知られたダーク・アコライトである。
名称からは別の意味が暗示されるが、ダーク・ジェダイはシスと同義ではない。だが、ダース・ヴェイダーはダーク・ジェダイとシスの双方の伝統から受け継いだ技を使っていた。また、カム・ソルサーのようにダーク・ジェダイがライトサイドに帰還することも多々あった。
既知のメンバー
登場エピソード
- エピソード1／見えざる脅威
- エピソード2／クローンの攻撃
- エピソード3／シスの復讐
- エピソード4／新たなる希望
- エピソード5／帝国の逆襲
- エピソード6／ジェダイの帰還
- クローン大戦（TVシリーズ）
- クローン・ウォーズ（映画）
- クローン・ウォーズ（TVシリーズ）
- スター・ウォーズ・ホリデー・スペシャル
