シーヴ・パルパティーン
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シーヴ・パルパティーン、またの名をダース・シディアスは、銀河共和国最後の最高議長であり、銀河帝国の初代皇帝でもある。また、彼はダース・ベインの掲げたルール・オブ・トゥーに従った最後のシスの暗黒卿であり、これまでに存在したなかで最強のシス卿であると考えられている。パルパティーンは何十億もの知的生命体を犠牲とした銀河系規模の抗争、クローン大戦を勃発させるなど、複雑な計画を駆使して自らの帝国を築き上げたのだった。
目次 |
経歴
人生の初期
パルパティーンの少年期や青年期に関する正確な情報は極めて入手が困難である。その家系や近親者、幼年期の記録は新秩序の初期に謎の消失を遂げている。これらは一般的には、彼とシスとの関係を隠蔽するために消されたと見られているが、その一方で、実際にはナブーで生まれたパルパティーンという人物など存在しないという可能性もある。そのため、シスとなる前のダース・シディアスに関する情報は完全に不明であり、パルパティーンという人格も彼が政界に進出するために作られたものかもしれないのだ。
ダース・プレイガスとダース・シディアス
若き日のパルパティーンに関する正確な情報を得ることは難しく、したがって彼がいかにしてシスとなったのか、どのようにしてフォースのダークサイドに魅入られたのかは完全に謎である。しかし、どういうわけか彼のフォース感知能力はジェダイ・オーダーに気づかれることがなく、代わりにムーンのシスの暗黒卿、ダース・プレイガスの関心を引いたのだった。プレイガスはパルパティーンの資質を慎重に見極め、彼をシス・オーダーのカルトへと招き入れた。そして、ダース・ベインの時代からの伝統に従い、プレイガスは彼にダースを冠するシスの名前を与えたのである。パルパティーンはシス・アプレンティス、ダース・シディアスとなったのだ。
ダース・シディアスは何十年にもわたってプレイガスの下で修行を行ったが、それがいつから始まり、いつ終わったのかを示す証拠は一切残されていない。その間、プレイガスはシディアスにダース・ベインの伝統に則った訓練を与え、ベインの時代について記録された数多くのシス・ホロクロンを与えたのだった。ジェダイはこれらのホロクロンが聖堂の公文書館に保管されていると誤解していたが、それらは精巧に造られた偽物であり、シスに関する誤った情報が記録されていた。その後、本物と偽物のホロクロンがそれぞれ誰の手に渡ったのかは分かっていない。
プレイガスの下で、シディアスはシスの歴史を深く学び、古代シス卿やベインをはじめとする最近のシス卿に関する知識を身につけた。ベインの教えはオーダーの基本を顕著に表したものであり、プレイガスの教えは厳しいものだった。だがその結果、パルパティーンはベイン以来最強の暗黒卿の1人となったのである。
ダース・プレイガスの殺害
ダース・プレイガスは不老不死の研究に取り付かれていた。彼は禁じられた教えを探求し、死に瀕した者を救える、あるいは死んだ者を蘇らせることさえできる知識を手に入れようと考えていたのだ。ジェダイとシスは共に何千年にもわたって死から逃れる方法を追及してきたが、いずれも成功を見なかった。ダース・サイオンやダース・アンデデューといった最強の古代シス卿たちがこの秘密を掴んでいたとされるが、それらは既に失われていた。その後、プレイガスは無から新しい生命を作り出すという究極の秘術の研究に着手する。そしてついに、プレイガスはミディ=クロリアンに影響を与え、フォースそのものから直接生命を生み出す実験について、シディアスに語ったのだった。プレイガスはこうしてできた子供に驚異的な潜在能力があるはずだと考えていたのだ。
シディアスは即座にプレイガスの真意を疑った。彼の目的は新しい弟子を作ることであり、自分とその子供を置き換えるつもりであると考えたのだ。シディアスはプレイガスから学べるだけのことを学び、既に密かに自分の弟子ダース・モールを準備していた。その直後、彼は寝ているプレイガスを殺害し、シス・マスターの称号を手にしたのである。彼は同じことを繰り返さぬよう自分の弟子に目を光らせ、モールにはプレイガスに関する知識をほとんど教えなかった。シディアスは常に用心し、プレイガスのように迂闊に寝りにつくことさえ避けたのだった。
プレイガスは死んだが、辺境の砂漠の惑星タトゥイーンに彼の実験の成果を示す証拠が存在した。当時30歳の奴隷の女性、シミ・スカイウォーカーがアナキン・スカイウォーカーという名の男の子を出産したのである。アナキンの少年時代には謎が多いが、シミは彼の父親についてまったく知らず、やがてアナキンは歴史上最も強いフォース感知力を持つ人物として知られることになる。シディアスはいずれ彼がダース・モール以上に強力な弟子となることに期待し、彼の成長を注視し続けたのだった。
ダース・モールの訓練
プレイガスを殺害する直前に、パルパティーンは若いザブラクの少年をイリドニアの家族のもとから連れ去り、シスとしての訓練を始めていた。シスがザブラクを弟子に選んだことは前例がないわけではない。太古の昔、ザブラクの武勇に気づいていたシスはイリドニアと価値ある接触を行い、法外な報酬でザブラクを傭兵として雇っていたのだ。そのため、シスの文化が滅びて久しい時代にも、ザブラクの文化にはシスの影響が残されていた。ザブラクには大きな苦痛に耐える力が備わっていたのだ。だが、若いモールにはパルパティーンの非情な訓練に対する準備ができていなかった。それでもモールは師に絶大な尊敬の念を抱いており、完璧な忠誠を誓っていたのである。
やがて、モールの最後の試練のときが訪れた。パルパティーンは彼を辺境の隔離された惑星へと送り出し、そこで1ヶ月にわたって彼をアサシン・ドロイドの標的とさせたのである。そして最後の日、モールは洞窟の入り口で待っていたパルパティーンを発見する。モールは数日間飲まず食わずで疲れきっていた。それでもパルパティーンはモールに戦いを挑み、モールはなす術なく敗れてしまう。パルパティーンは無様な弟子を見下ろし、モールがこの様では別の弟子を用意するしかないと語った。するとモールは激怒し、殺意を持ってパルパティーンに襲い掛かった。パルパティーンは油断したが、モールの武器を取り上げる。だが、モールは素手でも攻撃を続け、最終的には敗れたが、あわや師の腕に噛み付こうかという勢いだった。この結果に満足したシディアスは、モールに修行の終わりを告げ、彼がシス卿であると宣言したのである。
シディアスの計画は極めて複雑であり、無意識に動いてくれる手駒がその計画に気づいたり、あるいは干渉したりすることを決して許さなかった。その点でダース・モールは優れた道具だった。彼はシディアスの真の計画に対するあらゆる障害を排除するため、密かな暗殺者として銀河系の各地に派遣されることになる。一例として、最終目標を実現させるため、シディアスはモールに銀河系で最大の犯罪シンジケートであるブラック・サンを攻撃させた。シス卿は周到に準備した計画を彼らに台無しにされることを懸念していたのだ。
最後の準備
パルパティーンはジェダイ絶滅の壮大な計画に着手する前に、サン・ガード、ツンドの魔女、ダーク・フォースの従者たちなど、数多くのダークサイドの支持者たちと接触を行い、直接の支配下に組み入れた。実際には、ツンドの魔女たちは最後のメンバーであるロカー・ゲプタによってほぼ壊滅させられていたが、パルパティーンはツンドの秘密に関心を示し、ゲプタにセントラリティのスクリヴィナーの称号を与えたのだった。さらに、パルパティーンはダーク・フォースの関係者を集め、元ジェダイ・マスターのカダーンをリーダーに任命した。後に彼らはダークサイドの預言者たちと呼ばれるようになる。
政治家パルパティーンの台頭
パルパティーンはダース・シディアスとしての素性を慎重に隠しつつ、若いときから政治家としてのキャリアを歩み始めた。ナブーでは12歳から20歳までの間、公共の奉仕に就くことが義務付けられており、彼もこの流儀に従って政治の世界へ足を踏み入れたのである。しかしナブーの多くの人々とは異なり、彼は通常許容される以上の年齢になるまで政界にとどまっていた。彼はナブーの地方政界に入り、さらに上を目指したのである。だが、実際には当選よりも落選することが多く、一連の政治的地位をことごとく逃していったのだった。
やがて、銀河元老院でナブーを代表するヴィダー・キム議員がエアスピーダーに乗った正体不明の狙撃犯によって暗殺されると、30歳のパルパティーンは彼の後継者として立候補した。このとき、ナブーの人々は、彼をナブーとチョーメル・セクターの他の35の提携惑星を代表するセクター議員に選んだのだった。この暗殺事件にパルパティーン、プレイガス、あるいは他の仲間が関わっていたかどうかは不明である。しかし、この事件で利益を得たのはパルパティーンだけだった。
多くの腐敗した議員が数々の不正を行い私腹を肥やしているなか、パルパティーンはコルサントの元老院を蝕むあらゆる疑惑や汚職から一線を画していた。彼は物静かで口数も少なく、野心や狡猾さとは無縁の政治家だったのだ。彼の有益な助言や聡明な政策はときとして政敵たちをも懐柔し、やがて彼自身も議会で一目置かれる存在となったのである。
ヤヴィンの戦いの33年前、シディアスの影の同盟者ウィルハフ・ターキン副総督は、彼の故郷エリアドゥで開催された通商サミットで、シディアスの画策した通商連合重役会の虐殺に加担した。このサミットを主導する通商連合を襲撃した海賊もパルパティーンが黒幕であり、その結果、ヌート・ガンレイが連合の総督として権力を得たのだった。
その直後に、パルパティーンはネビュラ・フロントによってアーガウ銀行から盗まれたとされる700万クレジットを秘密裏に動かし、ヴァローラム家の口座へと送金した。同時に、パルパティーンの補佐官セイト・ペスタージは、この不正な金の動きがフィニーズ・ヴァローラム議長の政敵によって暴かれるよう手配する。そして、オーン・フリー・ター議員が内政委員会でこの事実を暴露し、これによってヴァローラムの権力は極めて不安定な状態へと陥ったのだった。
その1年後、シディアスは通商連合のニモイディアンの幹部たちに、元老院決議案BR-0371、すなわち主要な辺境の交易ルートに対する関税法案への抗議行動として、ナブーの封鎖を行うよう指示した。シディアスはニモイディアンたちに自分がパルパティーンであることを隠していたが、自らがシス卿であること、そして元老院に対してある程度の影響力を持っていることを明かしていたのである。
ナブー危機
数年後、パルパティーンはナブーの元首ヴェルーナ王という難敵に直面した。両者に政治的合意はほとんどなく、彼はヴェルーナに対し、外交により積極的になるよう説得していた。結局、これは外交政策における危険な懸念を生じさせ、ついにはヴェルーナの失脚を招くことになる。パルパティーンはヴェルーナの後継者アミダラ女王が彼の有益な助言を熱心に聞いてくれると感じ、喜んだ。彼が初めてアミダラと対面したのは彼女の戴冠式のときである。その後、アミダラが銀河元老院に嘆願するためコルサントを訪れるまで、2人は一度も直接顔を合わせていなかった。
扱いやすい君主を得たパルパティーンは、予定通りに計画を実行に移した。通商連合は憤り、恐怖し、その弱い心を彼に操られていた。ヴァローラム最高議長も実質的に彼の影響下にあり、これも優位な点だった。パルパティーンは状況のあらゆる側面を掌握していたのである。ゲームは次の一手を打つべきときを迎えた。このナブー危機は他のあらゆる計画の交差点であり、共和国に最初の大きな一撃を与えることになる。
関税問題に端を発する通商連合のナブー封鎖事件は、パルパティーンを銀河政治の主役に抜擢することになる。元老院にはナブーの悲劇に対する同情だけでなく、腐敗しきった共和国を変えることができるのは彼だけだという期待感もあった。その一方で、元老院が調停のためジェダイの特使、クワイ=ガン・ジンとオビ=ワン・ケノービをナブーへ派遣すると、シディアスはニモイディアンたちに彼らの抹殺を命令する。しかし、ニモイディアンはこれに失敗し、ナブーでもアミダラ女王を取り逃がすという失態を演じたのだった。シディアスは弟子のダース・モールを投入してアミダラの捜索を行うが、彼女は元老院で故郷の惨状を訴えるべくコルサントへと逃れ、皮肉にもパルパティーンとの対面を果たすことになる。このとき彼は、アミダラの一行が途中で立ち寄ったタトゥイーンで、フォースから生まれたアナキン・スカイウォーカーを発見したことに驚きを隠せなかった。
ナブー問題について協議する特別議会の最中、パルパティーンはアミダラ女王に、リーダーシップを失ったヴァローラム最高議長の不信任案を動議するよう勧めた。議会は満場一致で動議を受け入れ、続く選挙にはパルパティーンの他、オルデランのベイル・アンティリーズ、マラステアのエインリー・ティームが候補者として選出された。だが、状況は悲劇の主役となったパルパティーンが圧倒的に優勢であり、彼はついに最高権力の座を手に入れる。議長となったパルパティーンは、共和国にはびこる不正を一掃し、銀河系に正義と秩序をもたらすと公約した。そしてこのときは、誰もがそのとおりになると信じていたのである。
シディアスはその後のナブーの戦いでダース・モールを失うが、この一連の計画での最大の目的は達成されていた。シディアスの真の目的はヴァローラム元老院議長を失脚させ、銀河元老院の新議長の座を手に入れることにあったのだ。彼にとってはモールも通商連合も、そのための道具に過ぎなかった。このときジェダイ・オーダーはシディアスの正体はおろか、その存在に関する手掛かりさえ何一つとして掴んでいなかったのである。
パルパティーン政権下の共和国
ヤヴィンの戦いの28年前、パルパティーンが官邸での任期を終えると、通常通り議長選挙が行われることになった。しかし、彼の改革に向けた最善の努力が妨害されているという事実(もちろんこれは彼自身が画策したことである)、彼自身による陰謀、そしてより優れた資質を持つ有力な対立候補がいなかったこともあり、パルパティーンは難なく再選を果たす。同時に、これは共和国の歴史における最後の議長選挙となった。4年後に行われるはずだった次の選挙の直前に、彼は銀河憲法の改定を断行し、自身の任期を無期限に延長したのである。
新たなる弟子の捜索
モールを失った後、シディアスは早急に新しい弟子を探す必要性に迫られた。共和国を分裂させ、征服するための計画を続けるには、必要な準備を行い、共和国の加盟惑星に紛争の種をまくことのできる弟子が必要だった。モールには明らかにこのような政治的手腕が欠けており、狡猾で雄弁な話術も持ち合わせていなかった。
理想としては、シディアスの要求に沿ったフォース感知力の高い若者を見つけ出すことだったが、それは不可能だった。辺境の惑星出身の議員だった当時は、ダース・モールを幼少時代から鍛え上げる時間があったが、議長として多忙を極めているときに同じようなことはできなかった。シスとしての使命のために政治家としてのキャリアを危険に晒すわけにはいかず、かといって政治的キャリアのためにシスの使命を犠牲にするわけにもいかなかったのだ。
しかし、運命は彼に完璧な候補者をもたらした。共和国とジェダイ評議会に不満を持つジェダイ・マスター、ドゥークーである。シディアスの望みどおり、このジェダイは既にフォースの道を十分に熟知しており、モールのような獰猛さはないものの、剣士としても完成された腕を持っていた。さらに、彼は忍耐強く、知性に溢れ、カリスマ性をも持ち合わせていた。これらはすべてシディアスが計画の次の一手を打つために必要としていたものだったのだ。そして最も重要なことは、シディアスが彼をシスとして利用するための内面の弱さを持っていたことである。
一方で、パルパティーンは同時に他にも数人のシスの候補者を訓練していた。その1人がヴァーゲアである。彼女はパルパティーンの計画と誇大妄想に気づいたとき、彼を殺害しようとした。しかし、彼女は失敗し、銀河系から逃亡したのである。
ドゥークーはジェダイ評議会に対し、シスの脅威が想像以上に深刻であると説いていた。シスは常に2人で行動している。1人はナブーで死んだが、ジェダイはもう1人の捜索になかなか乗り出そうとしなかった。ドゥークーには彼らの先見性の無さを受け入れることができず、もはや意見の一致を求める必要性さえ失っていた。彼はかつての弟子だったクワイ=ガン・ジンによって見出されたスカイウォーカー少年よりむしろ、自分こそが選ばれし者なのではないかと信じるほど傲慢になっていたのである。
ドゥークーは自ら謎のシスの捜索を開始したが、先に彼に接近してきたのはシディアスの方だった。ドゥークーは明らかにシスに魅了されており、少なくともジェダイにシスの脅威から銀河系を救う力はないと信じていた。長い議論の末、シディアスは共和国が内部から腐敗しており、それを食い止めるには新しい秩序が必要であるとドゥークーを説得したのだった。ドゥークーは自分たちの分離主義思想による改革案が同一のものであると確信し、ほどなくしてシディアスの申し出を受け入れた。ドゥークーの助力と引き換えに、シディアスは彼にダークサイドの知識を与え、彼はそれを自分たちの描く理想の実現のために利用することになる。
ドゥークーは自分とシディアスはパートナーであると信じていた。しかし実際には、初期から主導権を握っていたのはシディアスである。シディアスにとって、ドゥークーはモールと同様に必要な道具に過ぎなかった。彼は自分と対等のパートナーなど必要としておらず、求めてもいなかった。これはシスの手法ではなく、特に彼の手法ではなかった。彼にとってドゥークーは、アナキン・スカイウォーカーがダークサイドに転向する準備が整うまでの便利な代替物でしかなかったのだ。
クローン軍
共和国グランド・アーミーとして採用され、後に帝国軍のストームトルーパー部隊の中核となるクローン軍の創設に関しては謎が多いが、一般にはジェダイ評議会の元メンバーで、ドゥークーの親友でもあったマスター・サイフォ=ディアスの発案であると考えられている。他のジェダイたちに幻滅していたドゥークーは、サイフォ=ディアスにだけは多くを打ち明けていた。しかし、ドゥークーの幻滅が深まるにつれ、サイフォ=ディアスの困惑は増していった。彼は暗黒の時代の到来を予見していたが、ジェダイ評議会がそれに対してほとんど対策を講じていなかったのだ。そこでサイフォ=ディアスはパルパティーンに、闇の到来によって共和国の運命が危機に瀕していること、そしてジェダイがその事実から目を背けていることを相談する。彼らは混乱を避けるため、平和に慣れきった共和国に警笛を鳴らさぬよう、秘密裏に行動する必要があるという認識で一致した。パルパティーンはジェダイに何も告げず、未来の共和国を守るべき大規模なクローン軍の開発を依頼するため、サイフォ=ディアスを遺伝子工学に長けたカミーノアンの元へ派遣したのである。
しかし、シディアスはサイフォ=ディアスが沈黙を守れるとは考えていなかった。そのため、シディアスは彼を殺害させるためにドゥークーを送り込み、ドゥークーは一切躊躇することなくかつての親友を殺害したのだった。これによって彼はシスが求める古代の契約を満たし、ダークサイドに祝福されたのである。シディアスは彼にシスの名、ダース・ティラナスを与えた。一方で、クローン計画はそのまま進んでおり、ティラナスがサイフォ=ディアスの役割を引き継ぐことになる。計画の第一段階は成功し、ジェダイはそのことにまったく気づいていなかった。サイフォ=ディアスは口を封じられるまで、誰にも計画のことを口外していなかったのだ。この状態を保つため、ドゥークーは惑星カミーノの情報を、シディアスがシスにとって潜在的な価値があると判断した他の37の星系(ダゴバやドロマンド・カスなど)と共に、ジェダイ公文書館から完全に消し去ったのだった。
ティラナスの次の任務はクローン軍のためのDNA提供者を探すことだった。いずれはシスの敵と戦うことができるよう、彼らのテンプレートとなる人物には高い闘争本能と卓越した訓練、そして経験が必要だった。シディアスは新しい弟子にこうした基準に沿う人物の捜索を命じ、多くの考察と厳しい試練の末、ティラナスは旧マンダロリアン・ショック・トルーパーの最後の生き残りである完璧な候補者、ジャンゴ・フェットを見出した。フェットは莫大なクレジットに加え、彼の息子であり弟子となる自分の純粋なクローンの提供を条件に申し出を受け入れる。ティラナスは同意し、パルパティーンのストームトルーパー部隊の前身が創設された。この軍隊は共和国の崩壊後、パルパティーンの帝国の創設に役立つことになるのだ。
分離主義危機
ヤヴィンの戦いの24年前、パルパティーンの指示のもと、ドゥークー伯爵は通商連合を中心とするいくつかの巨大企業を統合した。パルパティーンの議長としての権力を磐石のものとするための道具、独立星系連合が創設され、分離主義運動が始まったのだ。これらの組織は自衛のために所有していた大規模な軍隊をドゥークーに提供することを約束していた。共和国を転覆させる力を持つようになった連合は、元老院にとって脅威的な存在となったのである。
パルパティーンの任期の終わりに革命的政府が出現したことによって、元老院はこの年の銀河共和国議長選挙を中止し、分離主義危機への対抗策として彼の任期を無期限に延長することを決定する。しかし、分離主義運動はパルパティーンの平和的交渉や、共和国の団結と理念を守ろうとする保守派委員会の設立といった試みに反して激しさを増していったのだった。
こうしたなか、共和国に防衛のための軍隊を求める意見が広がりはじめたが、軍隊設立法案への支持は元老院の多数を占めるには至らなかった。しかし、その後2年の間に、マラステアのアクス・モウをはじめとする多くの議員が暗殺される。これらの事件に犯行声明を出したテロリスト・グループは一切なく、パルパティーンの予想した通り、激しさを増す分離主義勢力に疑いの目が向けられることになる。さらに、ジェダイもこの暴力の連鎖に対して後手に回ってしまい、エインリー・ティームは元老院でジェダイを痛烈に批判したのだった。もはや結論は明らかであり、ジェダイと司法省に秩序を維持する力がないのであれば、軍隊にそれを求めるしかなかった。人々は結論を決めかねていたが、パルパティーンだけはこの議論を楽しみながら見届けていたのである。
軍隊設立法案の採決の直前に、パルパティーンは再び共和国の多数の加盟惑星を訪問し、交渉による平和的解決を目指すと宣言した。だが、それは完全な欺瞞であり、彼がしぶしぶながら元老院が法案に賛成することを期待しているのは明らかだった。
登場エピソード
- エピソード1/見えざる脅威
- エピソード2/クローンの攻撃
- エピソード3/シスの復讐
- エピソード5/帝国の逆襲
- エピソード6/ジェダイの帰還
- クローン大戦(TVシリーズ)
- クローン・ウォーズ(映画)
- クローン・ウォーズ(TVシリーズ)