メイス・ウィンドゥ
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メイス・ウィンドゥは銀河共和国の晩年における主要なジェダイ・マスターである。惑星ハルーン・コル出身の人間男性であるウィンドゥは、ジェダイの粛清が行われる前の、ジェダイ最高評議会の最後のメンバーの1人だった。評議会において、彼はグランド・マスター・ヨーダに次ぐ2番目の地位にあるとみなされることが多かったが、実際にはウィンドゥはヨーダより800歳ほど年下だった。ウィンドゥの知恵と力は、彼の発する言葉の重みと同様に伝説的である。また、彼は多くの人々からジェダイ・オーダーにおける最高の剣士の1人だったと考えられており、ライトセイバー戦における近代的な7番目のフォーム、ヴァーパッドを考案したのも彼だった。事実、彼に勝ったことのある相手はヨーダとドゥークー伯爵の2人だけであり、クワイ=ガン・ジンとのスパーでは引き分けることが多かった。
メイス・ウィンドゥは生涯を通じてジェダイ・オーダーにその身を捧げてており、デパ・ビラバ、エチュウ・シェン=ジョン、イグニなど、多くのジェダイを訓練してきた。212人のジェダイを率いてジオノーシスの戦いを繰り広げ、恐るべき賞金稼ぎジャンゴ・フェットを倒したのもマスター・ウィンドゥである。彼はクローン大戦中も共和国への献身を続け、しばしば前線での激しい戦いにも参加した。そして戦争の最後の年、ウィンドゥはついにダース・シディアスと対決し、厳しい戦いの末、シスの暗黒卿を打ち破った。しかし、彼は最終的にアナキン・スカイウォーカーに裏切られ、その後シディアスによって議長オフィスの窓から吹き飛ばされ、殺害されてしまう。ウィンドゥの死はジェダイの粛清の始まりを告げる出来事となるのだった。
目次 |
経歴
生い立ち
幼い頃、まだ自分の名前さえも与えられていなかったメイスは、故郷ハルーン・コルの危険なジャングルで両親を失い、孤児となる。やがてメイスは彼の属するゴーシュ(ハルーン・コルに原住する遊牧民族コルナイの各部族の総称)の名前、ウィンドゥを与えられ、ちょうど生後6ヶ月のときにジェダイ・オーダーに引き渡されたのだった。ハルーン・コルはそこに住むすべての人々が生来フォースとの強い結びつきを持っており、正規の訓練を積ませるべき人材を求めて、ジェダイの使節がたびたびこの惑星を訪問していたのである。メイスもこうしたジェダイの1人に見出され、コルサントへと招かれたのだった。その後、彼は30歳という異例の若さでジェダイ評議会の重職に抜擢されることになる。
やがてメイス・ウィンドゥは、威厳と確信に満ちた言葉を発するジェダイ評議会の長老メンバーの1人となった。共和国の晩年に評議会の議長を務めていたメイスは、ヨーダと同等の発言力を持ち、彼と同様に深い英知と卓越した業績によって銀河系全域で尊敬を集めていたのである。また、彼はジェダイの歴史や哲学を深く探求しており、既に人生の大半をコルサントのジェダイ聖堂で過ごしている。彼がコルサントを留守にすることは極めて稀なことだった。
最強の剣士
しかし、長期にわたるコルサントでの滞在も、決して彼の戦士としての意識や力を鈍らせてはいなかった。メイスはジェダイ・オーダーで最高の剣士であり、フォーム7の戦闘スタイルを習得した数少ないジェダイの1人でもあるのだ。フォーム7はその攻撃的な本質から危険なダークサイドに近づきやすく、真に才能あるジェダイだけが到達することのできる最高のスタイルとされている。共和国末期の評議会に籍を置いたジェダイの中でも、メイスはおそらく最も勇敢かつタフな戦士であり、事実、過去に無数の戦いを勝ち抜いているのだ。
ジェダイ聖堂で学ぶパダワンたちの間で語り継がれる逸話に、メイスによるギャング・キラーズの逮捕劇がある。彼はライトセイバーを一度も使うことなく、この犯罪集団を一網打尽にしたのだ。その他にも、彼は2人のジェダイの死の原因を調査するため、共和国の要請でインチョアへの調査任務に赴いたこともある。メイスは死と直面しても冷静さを失わず、落ち着きを保ち、危険に立ち向かうことを決して恐れない。数え切れないほどの大胆な冒険を切り抜けてきた彼は、どんな過酷な状況にあっても弱者を守るため、無条件に自らを犠牲にする。そして、あらゆる敵を倒すため、完全にマスターしたジェダイの戦闘スタイルを貫くのだ。
ナブーの戦い
だが、評議会に籍を置くようになって約10年後、マスター・クワイ=ガン・ジンがタトゥイーンでシス卿と思われる戦士、ダース・モールと交戦したという報告を受けたマスター・ウィンドゥは驚きを隠せなかった。彼は他のジェダイたちと同様に、1,000年前にシスが絶滅したと信じていたのである。また、彼は「選ばれし者」の予言を信奉しており、クワイ=ガンがその可能性のあるアナキン・スカイウォーカーのテストを要求したときにもためらいを見せた。予言では選ばれし者がフォースにバランスをもたらすとされているが、それはダークサイドの一時的な増大をも意味していたのである。メイスはアナキンの巨大なミディ=クロリアン値を認めたが、この少年が歳を取りすぎていることを理由に一度は訓練を禁止する。しかし、クワイ=ガンの死後、ナブーの戦いにおけるアナキンの活躍を知ると、彼が選ばれし者であるという確信は強まり、アナキンをオビ=ワン・ケノービの弟子とすることに同意したのだった。
クローン大戦の勃発
その後、メイスはかつての弟子デパ・ビラバを引き連れてマラステアに向かい、レッド・イアロのテロリスト組織とラニックの人々との間に休戦協定を結ばせるために尽力した。また、その直後にはナー・シャダーで行われていたアック・ドッグなどの違法な動物売買の実態を暴いている。アック・ドックはメイスの故郷に固有の愛すべき、そして恐ろしい猛獣だったのだ。メイスはビラバの他にもこれまでに数多くのパダワンを育てており、伝説のエチュウ・シェン=ジョンもその1人である。エチュウは後の暗黒の時代を生き延びる数少ないジェダイの1人となるのだ。
メイスは戦士であるだけでなく、天性の外交官としても知られており、言葉の力は武力にも勝ると確信している。ドゥークー伯爵によって先導された分離主義運動が銀河系に拡大していったときも、彼はパルパティーン議長による交渉を強く支持していた。しかし、この対立はやがて共和国と分離主義勢力との武力抗争へと発展し、メイスは囚われの身となったオビ=ワンを救出するため200人のジェダイを率いてジオノーシスへと向かう。彼はジオノーシアンの処刑闘技場で無数のバトル・ドロイド軍団と交戦し、その戦いのなかでドゥークーの雇った殺し屋ジャンゴ・フェットと対峙した。しかし、銀河系最強の賞金稼ぎもメイスの敵ではなく、最強のジェダイ・マスターは難なくフェットの首を斬り落としたのだった。やがて無尽蔵に現れるドロイド軍との戦いは劣勢となり、一時は追い詰められるが、共和国のクローン軍団を引き連れたヨーダの加勢によって形勢は逆転し、彼は無傷でこの戦いを生き延びたのである。だが、メイスはこのときもはや交渉の時代が終わりを告げたことを思い知らされたのだった。
軍事指導者というジェダイにとって新たな役割を演じなければならないクローン大戦は、メイスにとって辛い時代だった。事実、すべてのジェダイがこの戦争で将軍の地位に就くことを承諾したわけではなく、一部の異なる意見を持ったジェダイたちはオーダーを離れていったのである。メイスはこうした反対派のジェダイを説得するべく準備された会合に赴くが、それは彼の命を狙う狡猾な罠だった。ドゥークー伯爵が放った新たな刺客アサージ・ヴェントレスが彼に襲い掛かったのだ。この戦いはメイスの勝利に終わり、アサージは敗走するが、メイスはこの脅威を評議会に報告する。この出来事はダークサイドの潮流が台頭したことを示す更なる証拠となるのだった。
また、クローン大戦の開始から4ヵ月後、メイスはクローンの一団を率いて独立星系連合軍の集結するダントゥイーンへと向かった。分離主義勢力はムーニリンストの周辺宙域を防衛するため、ダントゥイーンを集合地点として確保する計画を進めており、共和国が同じ行動に出ることを防ごうとしていたのだ。メイスの軍勢はサイズミック・タンクの凄まじい威力によって壊滅してしまったが、彼は一時的に武器を失ったものの、独力でドロイド軍を一掃し、タンクをも破壊することに成功したのである。
ハルーン・コルの紛争
そして、さらに2ヶ月後、メイスはかつてのパダワンであるデパ・ビラバが、彼の故郷ハルーン・コルの山中で正気を失ったという不穏な知らせを受けた。彼は行方不明となったビラバを捜索するため、故郷の不快なジャングルへと向かい、そこでこの戦争がもたらした恐怖の一面を垣間見ることになる。クローン大戦は銀河系各地の様々な部族間対立にも飛び火しており、ハルーン・コルの2つの種族、コルナイとバロワイの争いも激化していたのだ。このとき、メイスは彼の属するウィンドゥ・ゴーシュの人々が殺戮され、生き残りはもはや彼自身とカー・ヴァスターの2人だけとなっていたことを知らされる。しかし、メイスはジェダイの掟に従ってヴァスターを家族として受け入れることを拒否し、彼をドーシャライ(兄弟の意味)と呼ぶことさえも拒絶するのだった。だが、彼はビラバを捜索し、コルナイの人々をバロワイと分離主義者たちへの隷従から解放するため、ヴァスターの助力を受け入れたのである。
また、故郷にいる間、マスター・ウィンドゥはフォースを通じて未来に起こり得る衝撃的な出来事を予見していた。彼は何十億もの人々が死に、数多くの惑星が破壊されるであろう光景に恐怖を覚える。これはこのときからおよそ50年後に開始される、ユージャン・ヴォングによる侵略戦争のヴィジョンに他ならない。
シス卿との対決
ジェダイは銀河系の忠実な守護者だったが、クローン軍の指揮官として前線で戦争に直面する間、ウィンドゥは共和国の行く末に確信が持てなくなっていった。この戦争は何年も続いていたが、その間もパルパティーン最高議長は保安を名目に銀河憲法を修正し、さらに多くの権力を自らに集中させていた。用心深いメイスはパルパティーンに疑いの目を向け、彼がジェダイ評議会を直接の統制下におくのではないかという懸念を抱くようになったのである。
これを裏付けるパルパティーンの最初の行動は、ジェダイ評議会に彼の個人的な代理人を送り込むことだった。議長は彼と親しいアナキン・スカイウォーカーをジェダイ評議員の1人として指名する。驚くべきことに、評議会もそれに同意したのだった。彼らは議長の動向を知るために、アナキンを情報源として使うことを望んでいたのだ。それは緊張の時代を反映する難しい決定でもあり、同時にメイスは深い懸念をも抱いていた。彼は、アナキンとパルパティーンを近づけたままにしておくことが極めて危険だと感じていたのである。
やがて、彼の懸念は現実のものとなる。パルパティーン議長こそ、ジェダイによるあらゆる捜索を回避してきたシス卿、ダース・シディアスだったのだ。この事実を忠実にウィンドゥへ知らせたのはアナキンだったが、メイスはこの若者をまだ完全には信用していなかった。メイスは議長を逮捕するため、聖堂に残っていた最高の戦士、セイシー・ティン、エージェン・コーラー、そしてキット・フィストーを召集する。スカイウォーカーも同行を求めるが、マスター・ウィンドゥはそれを禁止した。彼はアナキンに、この問題が解決するまで、評議会の会議室に留まるよう命じたのだった。
4人のジェダイが元老院にあるパルパティーンのオフィスに踏み込んだ。そして、メイスが議長に逮捕を宣告すると、パルパティーンは突如として反撃に出る。赤い光刃のライトセイバーを振りかざしたパルパティーンは、清廉潔白な政治家の仮面を脱ぎ捨て、邪悪なシス卿の正体を暴露したのである。シディアスはティン、コーラー、フィストーを一瞬にして葬り去ると、ウィンドゥに襲い掛かった。その直後、メイスの命令に背いたアナキン・スカイウォーカーが元老院に到着したのだった。
ウィンドゥはシディアスの武器を弾き飛ばし、シス卿を議長オフィスの窓枠の隅へと追い詰めた。しかし、この暗黒卿は未だに元老院と法廷を自在に操ることができ、このまま囚人とするにはあまりにも危険な存在だった。ウィンドゥは止めを刺すべくライトセイバーを振りかざす。一方、アナキンは忠誠の板ばさみにあっていた。彼は最愛の妻の命を救うために神秘的な知識の探求を成し遂げなければならず、パルパティーンを必要としていたのである。感情を爆発させたアナキンは、反射的に自分のライトセイバーを起動し、パルパティーンを襲うメイスの腕を斬り落としたのだった。
勝機を得たシディアスはジェダイ・マスターに恐るべきエネルギー流を解き放つが、丸腰となったメイスにはシスの電撃を防ぐ術はなかった。電撃は内側からメイスの肉体を焼き焦がし、全身へと浸透していく。最後に彼の体は空へ舞い上がると、コルサントの上空へと飛ばされ、身動きすることもなく広大な都市景観の彼方へと落ちていったのである。
登場エピソード
外部リンク
ジェダイ評議会 (32 BBY) | ||
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ヨーダ | メイス・ウィンドゥ | キ=アディ=ムンディ |
プロ・クーン | セイシー・ティン | イーヴン・ピール |
ヤレアル・プーフ | オポー・ランシセス | ヤドル |
イース・コス | アディ・ガリア | デパ・ビラバ |
ジェダイ評議会 (22 BBY) | ||
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ヨーダ | メイス・ウィンドゥ | キ=アディ=ムンディ |
プロ・クーン | セイシー・ティン | イーヴン・ピール |
コールマン・トレバー | オポー・ランシセス | シャク・ティ |
イース・コス | アディ・ガリア | デパ・ビラバ |
ジェダイ評議会 (19 BBY) | ||
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ヨーダ | メイス・ウィンドゥ | キ=アディ=ムンディ |
プロ・クーン | セイシー・ティン | アナキン・スカイウォーカー |
コールマン・カジ | キット・フィストー | シャク・ティ |
エージェン・コーラー | スタス・アリー | オビ=ワン・ケノービ |