インターギャラクティック銀行グループ
(IGBCから転送)
| ||||||||||||||||||||||
|
インターギャラクティック銀行グループ(IBCまたはIGBCと略されることも多い)は、銀河共和国における通商組合の1つである。このグループはムーニリンストを支配する銀行グループ評議会や、他の巨大金融機関の連合体だった。その名が示す通り、IBCは銀河系外にまでその影響力を及ぼしており、既知銀河系からその最も近い衛星銀河にいたるまでのおよそ半分の領域を支配していた。
クローン大戦中、IBCは独立星系連合と同盟関係を結んでいた。当時、この巨大金融機関のトップに君臨していた人物は、惑星ムーニリンスト出身のムーン、サン・ヒル会長である。一方で、トニス家もIBCを監督する有力な一族の1つだった。さらにIBCは銀行グループの軍事部門としてイオトラン・ガードを保持していた。
歴史
インターギャラクティック銀行グループの創設時期は、銀河共和国の誕生以前にまで遡る。ヤヴィンの戦いの1,000年前、IBCは既に強大な組織となっており、セストリアのようなコアの惑星に拠点を置く他の銀行よりも、業務処理においてはるかに誠実な存在として知られていた。
IBCはシスの偉大なる計画において重要な位置を占めており、シス卿ヒーゴ・ダマスク(ダース・プレイガス)は、カミーノで作られた秘密の軍隊や両陣営で使用される武器の製造資金から、最終的に分離主義運動が代替経済を支える際に必要となる資金にいたるまで、この計画で必要な費用の大半をIBCから調達していた。また、ダマスクは友人の息子であるサン・ヒルを教育し、グループの会長職を譲る準備もしていたのだった。
クローン大戦前の分離主義運動に伴う経済的な激動は、IBCに大きな利益をもたらした。新しい多くの独立惑星が経済支援を求めて支持を変えたため、IBCは銀河系で最大の金融機関となったのである。一方で、消費者への表向きの親しみやすさとは逆に、IBCは耳当たりのよい「集金および保安部門」と名付けられた大規模ドロイド軍を保持していた。彼らは巨大な車輪を持つヘイルファイヤー・ドロイドを見せつけることで、迅速かつ冷酷なペースで借款交渉を進めることができたのだ。
ヤヴィンの戦いの22年前、IBCは18四半期連続の増益を達成し、これによってインターギャラクティック貨幣交換システム社による貨幣管理のもと、1日当たり18%という新しい金利が設定された。この決定に際しては、通信理事長ロー・ヴァピートも賛同した500人の部下たちに6スロットの高級サーマ=スライスを配ったほどである。この計画は間近に控えたクローン大戦に向けて、IBCとその新しい提携企業を大いに助けたのだった。
分離主義危機の間のあるとき、パルパティーン最高議長は多くの惑星基金を密かに解体し、非課税および会計不用の秘密口座をいくつか開設した。これによって(ヤロウ工業社などの)IBCと提携するいくつかの企業は大きな利益を得ることができたのである。それと引き換えにIBCは銀河元老院で、皇帝となる前に支援を求めていた議長を支持したのだった。この計画を実行するにあたって、パルパティーンはいくつかの惑星から何十億ものクレジットを密かに消費している。ジャーナリストのキーツ・フリーリィがその全容を発見したが、彼をそれを公表することができなかった。
クローン大戦中、IBCはバトル・ドロイドを含む保安部隊を独立星系連合に提供した。これらのバトル・ドロイドの一種であるIGランサー・コンバット・ドロイドは、通常のB1バトル・ドロイドを凌ぐ性能を誇っていた。これらのドロイドは実際にムーニリンストに拠点を置き、IBCから莫大な設備投資を受けていた兵器開発企業、フラット・デザイン・システムズ社(PDS社)によって開発されたものである。だが、PDS社はIBCへの返済が不能な状態となったため、IBCによって会社の資産を差し押さえられ、IGランサー・ドロイドもCISの軍隊に加えられたのだった。さらにIBCは同社が用意していたIGシリーズ計画をホロワン・メカニカルズ社に売却した。その後IBCはホロワン・メカニカルズ社に、グリーヴァス将軍のエリート・ボディガードとなるIG-100マグナガードを発注している。IBCはCISと共和国の双方の間で立ち回り、戦争を通じて莫大な利益を上げたのだった。
ムーニリンストの戦いの間、銀行グループのドロイドが共和国部隊の攻撃を受け、その後、ジェンダイの賞金稼ぎダージがIBCの新型IGランサー・ドロイドを指揮した。だが、ダージはジェダイ将軍オビ=ワン・ケノービとの戦いに敗れ、サン・ヒルも顧問たちと共に共和国の捕虜となってしまう。しかしその後、サン・ヒルは共和国から脱走する機会を手にしたのだった。
銀河元老院でIBCの利益を代表していたのは惑星スキピオ出身の人間の元老院議員、ラッシュ・クローヴィスである。だが、彼とロット・ドッド議員との取引や、分離主義勢力のドロイド軍に向けた新しいドロイド工場の建造計画が暴露されてしまう。しかし、銀行グループは戦争全体を通じて共和国から事業を認可されていた。IBCが元老院での議席を維持することができた理由は、これらを迫害した場合の共和国経済に対する打撃があまりにも大きかったためである。IBCは通商連合と同様に、中立の立場で両陣営とビジネスを行っていると主張し続けたのだった。その後、銀河元老院は軍備拡大の資金を調達するために新しい貸付枠を開くため、銀行グループに対する規制緩和法案を成立させた。銀行グループは戦争を通じて両陣営を支持し続けたのである。
また、IBCはグリーヴァスの人体改造にも資金を提供し、その見返りとして彼を資金回収エージェントとして利用した。これと同じテクノロジーは、後にダース・ヴェイダーの命を救う際にも利用されている。
ムスタファーでサン・ヒル会長が死亡した後も、IBCは多くの戦犯企業がたどった運命を免れ、帝国クレジットの債権者として銀河帝国の時代まで生き延びることができた。だが、帝国法は金融組織の支配権を人間のみに与えており、帝国経済におけるムーンたちの力は大きく制限されてしまったのである。
帝国によるIBCへの監視の目は厳しく、銀行グループには反乱同盟軍への支援を行う余地はなかったが、やがては双方との取引を実現させたいと考えていた。そして新共和国が樹立すると、IBCは両政府の債権者となったのである。そしてヤヴィンの戦いの138年後、銀河連邦三頭政治が創設されるまで、IBCは帝国による支配下に置かれていたのだった。