サティーン・クライズ
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サティーン・クライズは、クローン大戦時における平和主義のマンダロア星系の女公爵、新マンダロリアンの元首、そして中立星系評議会のリーダーである。かつて訓練中だったジェダイ、オビ=ワン・ケノービは、マンダロアを見舞った反乱と内戦から彼女を保護する任務を与えられたことがあった。サティーンとオビ=ワンは一時的に愛情を共有したが、彼は任務を外されてしまう。その後、公爵は政府を再建し、分派組織であるデス・ウォッチから反発を受けたのだった。さらにその後、オビ=ワンはジェダイ最高評議会の命によって、公爵が独立星系連合に向けた軍隊を創設しているという噂の真相を調査するため、惑星マンダロアへと派遣された。このときクライズ公爵はデス・ウォッチとして知られるフーリガンの存在をオビ=ワンに伝えている。そして爆破テロが発生し、2人はデス・ウォッチの本拠地とされる衛星コンコーディアへ向かった。彼らはそこでデス・ウォッチがドゥークー伯爵と同盟を結んでいることを掴み、プレ・ヴィズラ総督から攻撃を受けることになる。オビ=ワンはこの戦いを優勢に進めたが、ミサイルによって攻撃された。サティーンとケノービはコンコーディアを脱出し、コルサントへ逃れたのである。
宇宙船<コロネット>上で、サティーンとジェダイのオビ=ワン・ケノービ、アナキン・スカイウォーカーは、3体のアサシン・プローブからの奇襲を受けた。数人のクローン・トルーパー(ミキサーとレッドアイ)の命が失われたが、3体はすべて破壊される。そしてオビ=ワンは思案を巡らし、タル・メリク議員が公爵を殺害するためにドロイドのプログラムを行ったことを突き止めたのだった。メリクはサティーンを人質としてデス・ウォッチの司令部に援軍を要請する。そしてB2スーパー・バトル・ドロイドが船内に乗り込んできたが、スカイウォーカーと配下のクローンたちによって壊滅させられた。その直後にはオビ=ワンもメリクを発見するが、彼は船を爆破すると脅迫してきた。このときサティーンはオビ=ワンに本当の気持を告白し、オビ=ワンも同じ気持だったと告げる。そして彼女は自力でメリクからの拘束を逃れ、彼のブラスターを奪い取った。メリクは2人に、自分を殺せばそれは己の信念を曲げることになると訴える。だがその直後、彼はスカイウォーカーによって背後からライトセイバーで貫かれたのだった。
<コロネット>のコルサント到着後、サティーンは元老院での活動を開始した。パルパティーン最高議長は即座にデス・ウォッチを軍事的脅威であると断定し、共和国による介入の必要性を説く。一方、公爵は自分の立場を表明し、自分たちで攻撃に立ち向かうと宣言したのだった。元老院は次の会議で侵略の是非を評決することに決定する。そして元老院の会議の後、サティーンはエアスピーダーで立ち去るが、その直後にデス・ウォッチの暗殺者が仕掛けた爆弾による攻撃を受けた。辛くも墜落を逃れたサティーンはパルパティーン議長と彼のオフィスで面会するが、証拠が一切ないためこの事件は事故として扱われると告げられる。部屋を出た彼女は廊下でオビ=ワン・ケノービと会い、この暗殺未遂はマンダロアでの戦争を煽る試みと推測した。元老院は彼女が不在の状態で占領を可決したのである。
その後の夜、サティーンはコルサントの下層レベルへ向かい、共和国情報省におけるマンダロリアンの連絡員と接触した。彼女は元老院で再生されたジェレク副首相のホロが偽物だったことを知らされ、オリジナルの記録を受け取ったのだった。これを見ていたデス・ウォッチの暗殺者は連絡員を射殺する。そして、公爵が殺人を行ったと誤解した共和国当局が彼女の追跡を開始した。追跡を逃れたサティーンはオビ=ワンと会い、重要な知らせを伝える。その後、2人は暗殺者に立ち向かい、暗殺者とオビ=ワンの格闘となった。だが戦いはすぐに終わり、暗殺者はジェットパックを使って逃走した。公爵とジェダイはすぐに元老院へと向かう。サティーンは衛兵に投降し、その間にケノービは本物のホロを元老院へ届けることができた。オビ=ワンは真実のメッセージを公表し、共和国によるマンダロアへの侵略を回避させたのである。
目次 |
経歴
初期の人生
サティーン・クライズはマンダロア星系の惑星カルヴァラで育った。彼女には少なくとも1人の兄弟と、コーキーという名の甥がいた。その後、彼女はマンダロアの公爵に即位し、新マンダロリアンの指導者となる。これはヤヴィンの戦いのおよそ730年前に、マンダロリアンの暴力と戦争の伝統を放棄し、改革と平和を通じてマンダロアの再建と保護を行うために創設された平和主義政府だった。だが、真マンダロリアンと、マンダロアの戦士と氏族に基づく文化を保持しようと目論む分派組織デス・ウォッチとの間で、破壊的なマンダロリアン内乱が勃発する。このとき、サティーンの新マンダロリアンは分裂したマンダロリア社会に平和を訴えることしかできなかったのだ。この抗争に対応するため、銀河共和国は2人のジェダイ・ナイト、ジェダイ・マスター・クワイ=ガン・ジンとそのパダワン・オビ=ワン・ケノービをマンダロアでの長期任務に派遣した。彼らは惑星を脅かす敵対勢力から若き公爵を守りつつ、マンダロアで1年を過ごし、その間にサティーンとオビ=ワンは親密な関係を築いていくことになる。オビ=ワンの感情は彼女に向いていたが、彼は修行を続け、やがて別の任務へと旅立っていった。オビ=ワンは、このときサティーンが彼女と共に残ってほしいと言っていれば、そのために自分はジェダイ・オーダーを離反しただろうと信じていたのだった。
サティーンはカルヴァラとマンダロアの首都サンダリを拠点として新マンダロリアンを指導し、惑星の再建に乗り出した。彼女は首相と閣僚たちと共に政府を再建し、マンダロアの伝統であるマンダロアの下で組織された氏族グループを排除したのである。マンダロアはこの時代に繁栄し、長年にわたって惑星を支配した戦士の文化を廃した社会は近代的かつ平和な社会へと遷移していった。だが彼女の平和政府は、マンダロリアン内乱で敗北したデス・ウォッチとして知られる軍国主義グループと対立することになる。そしてサティーン公爵と他のマンダロリアンの政府高官たちはデス・ウォッチの根絶のために働き、ついに組織の残存メンバーすべてがマンダロアの衛星コンコーディアへ追放されたことを確認したのだった。
デス・ウォッチの捜索
銀河共和国と独立星系連合との間でクローン大戦が勃発すると、サティーンはこの凄惨な戦いから身を引きたいと考えるおよそ1,500の星系による政治組織、中立星系評議会を創設し、その主導的立場に就任した。しかし、公爵が採択した平和主義的スタンスはデス・ウォッチによるテロ活動を増大させることになる。彼らは公爵が太古から受け継がれたマンダロリアンの戦士道を侮辱していると考えていたのだ。一方で、銀河元老院には彼女が分離主義勢力の味方として戦うための軍隊を準備しているという噂も届いていた。
この反乱に関する噂を調査するため、このときジェダイ・マスターとなっていたオビ=ワン・ケノービがジェダイ最高評議会によってマンダロアへ派遣された。サティーンはオビ=ワンを歓迎し、すぐにサンダリの街へ散歩に案内した。その後、彼らは互いに再会できた幸せについて語り合う。そして2人が平和の維持者の何たるかについて討論していると、デス・ウォッチのメンバーが平和記念公園への爆破テロを起こしたのだった。オビ=ワンはその場にいることは危険だと判断するが、デス・ウォッチの爆破犯が逃亡を試みたため、追跡を開始する。後を追ったサティーンも2人に追いつくが、爆破犯は手すりを乗り越えて投身自殺してしまった。彼女は瀕死の男に話しかけた。そしてオビ=ワンが自分が殺したのではないと説明すると、彼女はだからまだ彼と話しているのだと告げたのだった。
その後、彼らはコンコーディアに渡った。オビーワンは鉱山の調査を開始し、それが既に放棄されていると推測するが、サティーンは彼の判断に反対だった。そしてサティーンとオビ=ワンはコンコーディア政府ビルのハンガーでプレ・ヴィズラ総督と数名の衛兵の歓迎を受ける。ヴィズラは爆破犯への対応のために衛兵を残し、サティーンと共同でデータパッドに犠牲者の家族への弔辞を書いた。その後、オビ=ワンは公爵に耳用の小型コムリンクを手渡し、スピーダー・バイクでその場を後にする。ジェダイが調査を始めると、ヴィズラは彼がどこへ行ったのかと質問するが、サティーンは瞑想に向かったのだと説明した。食事の後、クライズ公爵はヴィズラ総督と、誰が共和国にデス・ウォッチがマンダロアを乗っ取ろうとしているという誤情報を流したのかについて議論を開始する。また、彼女は外部の力がこの反逆集団を支援していることについても話し合った。ヴィズラもその外部勢力が分離主義同盟の中で極めて大きな影響力を持っているはずだと推測しはじめていたのである。彼は、そんな強力な組織がクライズの失脚を目論んでいるのだとすれば、それは光栄なことだと冗談を口にするのだった。
真実の露見
サティーンがヴィズラと議論している間に、オビ=ワン・ケノービは探していた鉱山に到着した。彼は内部に侵入し、そこがデス・ウォッチのマンダロリアン・アーマーとジェットパックを製造するために使われていることを突き止める。すると2人の戦士が彼に気づき、襲い掛かってきた。彼は岩石粉砕機へと続くベルト・コンベアに乗せられてしまう。彼は鉱山の中で機械によって潰されそうになり、コムリンクでサティーンを呼び出した。彼女はオビ=ワンのもとへ駆けつけ、彼が潰される前に機械を停止させる。すると2人のデス・ウォッチが戻り、公爵を攻撃しはじめた。だがオビ=ワンはフォースを使い、急いでその攻撃を妨害したのだった。
その後2人は作業用エレベーターに乗り、衛星の地上に出た。サティーンとオビ=ワンはデス・ウォッチの戦士たちとの奮闘を続け、ついに首領と対峙する。そして彼女はヴィズラ総督こそがデス・ウォッチの首領であることを知るのだった。サティーンの加勢もあり、オビ=ワンは数人のテロリストを倒すことができた。その後、公爵はヴィズラとオビ=ワンのライトセイバーによる戦いを目撃することになる。戦いはオビ=ワンが優位に立つが、ヴィズラは部下にジェットパックのミサイルを発射するよう命令する。ジェダイと公爵はエレベーター・シャフトに飛び込み、無事に逃げることができた。翌日、オビ=ワンは分離主義勢力がデス・ウォッチの背後にいることを確信していたが、サティーンはこれに懐疑的だった。オビ=ワンは和平の選択肢はないかもしれないと提案するが、サティーンはその意見に食い下がる。彼女は、マンダロアの危機に共和国の介入を望まないという立場を訴えるため、ジェダイのエスコートと共に共和国首都へと発ったのだった。
<コロネット>上での事件
デス・ウォッチの発見後、サティーン・クライズ、オビ=ワン・ケノービ、アナキン・スカイウォーカー、そして多数のクローンが、コルサントへ向けて<コロネット>でマンダロアを出発した。やがて船がハイパースペースに突入した直後、サティーンはオビ=ワンとアナキンを玉座の間へ呼びつける。彼らが到着すると、公爵は平和のための戦いがいかに不快なものかについてオビ=ワンと口論を開始したのだった。議論は激しく過熱するが、晩餐会の準備ができたことで中断されたのである。
晩餐会の最中、アサシン・プローブ・ドロイドが部屋に押し入り、衛兵たちを攻撃しはじめた。オビ=ワンは素早くドロイドを倒すが、残骸からさらに小さなアサシン・ドロイドが放たれた。サティーンは小型のドロイド停止装置を引寄せ、小型ドロイドへの発砲を開始する。やがてドロイドは1体を残して全滅し、オビ=ワンはアサシン・プローブを起動させた犯人を突き止めるための計画を発案したのだった。彼はドロイドをビンの中に閉じ込め、テーブルの周りを歩き出した。ドロイドは公爵や室内の議員たちに襲い掛かろうとしたが、主人であるタル・メリク議員の前では動かなかったのである。するとメリクはブラスターを取り出し、サティーンを人質に取ったのだった。
メリクは<コロネット>の艦橋に上がり、持ち場にいた乗員全員を殺害した。その後、ケノービは3体目のドロイドと格闘していたアナキンと連絡を取る。そして<コロネット>がハイパースペースから離脱すると、メリクはB2スーパー・バトル・ドロイドを載せたドロック級ボーディング・シップを召還したのだった。アナキンとクローン・トルーパーたちはドロイドを攻撃し、それを壊滅させる。一方、ジェダイ・マスターは艦橋でメリクと対峙するが、裏切り者の議員はエンジンに爆弾を連結していた。サティーンは自分のためにさらに多くの命を犠牲にしないでほしいと告げる。メリクは立ち尽くすオビ=ワンの前で船内の回廊を後ずさりしはじめた。このときクライズ公爵はオビ=ワンに愛を告白し、彼もそれに同意したのである。
サティーンは愛の言葉を有効に利用し、メリクのガードが緩んだ隙にヒールで彼の足を踏みつけた。メリクが苦痛でひるむと、彼女はブラスターを奪い取り、震える指でトリガーを支えながら銃口を彼に突きつけた。するとメリクは、サティーンが自分を殺せば彼女は平和主義の理想を捨てた偽善者になるだろうと訴える。さらにオビ=ワンが割って入ろうとすると、メリクは愛する女の前で冷酷な殺人者になれるのかと言い放った。だが彼はスカイウォーカーによって背後からライトセイバーで貫かれ、死亡する。アナキンは船を爆破しようとしていた爆破犯も始末したと告げた。その後、<コロネット>はコルサントに到着し、公爵と議員たちはパルパティーン議長と面会したのだった。
元老院でのトラブル
コルサントに到着したサティーンは、銀河元老院で自分の考えについて発言した。出席していた様々な議員たちの間でも、主にデス・ウォッチの話題が取りざたされていた。パルパティーン最高議長はデス・ウォッチを軍事的脅威とみなし、共和国が介入するべきだと主張する。だがサティーンはデス・ウォッチの脅威を否定し、マンダロリアンの関心事に対する内政干渉は行わないでほしいと強く要求した。すると、パルパティーンはジェレク副首相のホログラム・メッセージを再生し、彼女を驚かせる。この中でジェレクはデス・ウォッチについて、マンダロリアン政府が市民に提起するにはあまりにも大きな問題になりすぎたと訴え、マンダロアは共和国からの助力を要求すると明確に述べたのだった。尊敬すべき人物からの事実に反する言葉を、サティーンは信じることができずにいた。だが、ジェレクは以前に発生したカルヴァラの凄惨な爆破テロによって既に死亡していたため、彼女には反論することもできなかったのだ。パルパティーンはこのホログラムはマンダロア解放任務を進めるにあたっての重大な根拠になると告げたのだった。 共和国がマンダロアの自決権を踏みにじる光景を目の当たりにしたサティーン公爵は、故郷が占領されたかのような落胆を味わった。彼女の惑星が軍事目標とされてしまったのだ。その後、元老院は次回の会議でマンダロアの軍事制圧に向けた投票を行うことを決めた。サティーンは外の離着陸プラットフォームから足早に元老院ビルを出ようとする。オビ=ワン・ケノービが彼女の前に現れるが、彼女は怒りをあらわにし、彼の助言に耳を貸そうとしなかった。彼女は衛兵と共にエアスピーダーに乗り、元老院ビルを後にする。彼女らは順調に航行していたが、その途中、デス・ウォッチの暗殺者がエアスピーダーに事前に仕掛けておいた爆弾が炸裂したのだった。スピーダーは墜落をはじめるが、パイロットのアラミスの必死の操縦によって、付近のプラットフォームに辛うじて接近することができた。彼はサティーンに飛び降りるよう叫び、無事避難できた彼女の目の前でビルに激突したのである。
サティーン公爵は暗殺未遂事件の後に議長のオフィスでパルパティーンと面会した。残念なことに犯罪に関する証拠は何もなく、事件はただの事故として処理されたのである。マス・アメダはこうした攻撃こそが共和国による仲裁が必要となる証拠だと付け加えた。サティーンは苛立ちを見せながらパルパティーンのオフィスを立ち去り、再びオビ=ワンと顔を合わせる。彼はサティーンに、彼女がデス・ウォッチの明確な標的となっているという懸念を告げた。身の安全を省みなかった彼女は自分が正しかった証拠として、自分の命を狙う企てを知ったのである。何者かがマンダロアを戦争に導こうと画策しているのだ。その後2人が歩いていると、さらに悪い知らせを持ったパドメ・アミダラ議員が姿を現した。サティーンへの暗殺未遂を理由に、元老院がマンダロア占領に関する投票を行うというのである。この知らせに衝撃を受けたサティーンは、さらに侵略が翌日に開始されることを知るのだった。
逃走
その夜、サティーンはコルサントの日の当たらない階層に向かい、共和国情報省におけるマンダロリアンの連絡員、ダヴー・ゴレックと面会した。そしてこの密会の後、ダヴーは彼女にジェレク副首相のデータが記録されたデータディスクを手渡し、元老院で再生されたものは偽者だと告げた。このとき、2人の様子を伺っていたデス・ウォッチの暗殺者もサティーンとダヴーを発見する。彼はブラスターのトリガーを引き、ダヴーの心臓を撃ち抜いたのだった。サティーンはとっさに自分の武器を手に取るが、その行動は現場に到着した共和国当局の疑いを誘うだけだった。彼女は現場から逃走し、ポリス・ドロイドと2人のクローン・トルーパーに追跡されることになる。スピーダーで路地に消えた彼女はすぐに追っ手を振り払うと、コルサント・パークで落ち合うためオビ=ワンに連絡を取ったのだった。
オビ=ワンはすぐに到着し、ベンチで公爵を発見する。サティーンはオビ=ワンにディスクを渡し、アミダラ議員に届けるよう駆り立てた。サティーンはオビ=ワンが容疑者の仲間とみなされないようにするため彼を逃がし、元老院ビルへ続く階段のところで自首することを決めたのだ。そして2人が近くの路地へと歩き出すと、デス・ウォッチの暗殺者が彼らの近くにサーマル・デトネーターを投げつけた。一時的に聴力を失ったオビ=ワンは暗殺者を殴りつける。戦いはエスカレートし、暗殺者は張り出しへ蹴り飛ばされるが、彼はジェットパックで逃亡したのだった。そしてサティーンは元老院ビルでセネイト・コマンドーに投降し、オビ=ワンはビル中へと消えたのである。
彼はパドメと会い、素早くメッセージを伝えた。彼女は急いで会議へと向かい、議員たちにジェレク副首相からの真のメッセージを披露する。真実が公表されたことで、マンダロアへの侵攻はデス・ウォッチの計画と共に消滅したのだった。翌朝、パルパティーンはオフィスでクライズ公爵に真実を暴いてくれた感謝と謝罪を伝える。一方、サティーンはこの不穏な時代における不滅の友情について、オビ=ワン・ケノービに感謝を示したのだった。
腐敗との戦い
密輸取引
クローン大戦におけるマンダロアの中立性は、惑星の交易ルートの閉鎖をもたらし、マンダロリアン政府は密輸業者との取引を余儀なくされていた。この状況に助けを差し伸べるため、パドメ・アミダラがサティーンとの面会に訪れ、問題の解決策について協議することになる。その後、パドメとサティーンが新設された病院を訪れたとき、惑星中で大規模な病が発生していることが判明した。調査の結果、密輸業者が儲けを増やすため積荷のお茶に毒性のあるスレーブンを添加し、輸入量の水増しを行っていたことが判明する。パドメとサティーンはこのお茶の出所を突き止め、それを封鎖するために倉庫へと向かった。そしてムーガンの密輸業者たちとの戦闘後、サティーンは毒入りのお茶による被害の拡大を防ぐため、倉庫を完全に焼却させたのである。
裏切りの発覚
サティーンからの要請に基づき、パドメ・アミダラはマンダロリアン政府内の汚職の解明のため、マスター・ヨーダにジェダイの派遣を依頼した。そしてジェダイ・パダワン・アソーカ・タノが状況調査のため、国立ロイヤル・アカデミーの教師を装って送り込まれたのだった。サティーンの甥コーキーとその友人たちの助けを得て、アソーカと学生たちは闇市場取引の背後にアルメック首相がいることを突き止める。その後アルメックはサティーンを逮捕し、彼女に自白調書へのサインを強いることで反逆の汚名を被せ、自らがマンダロアでの権力を手に入れようとしたのだった。それを拒んだサティーンは拷問を受け、続いてコーキーも拷問を受けた。だがアソーカがサティーンと学生たちを解放すると、サティーンはアルメックを反逆罪で逮捕し、投獄する。マンダロリアン政府に蔓延る汚職は一掃されたのだった。
その後、彼女はオナコンダ・ファー議員の葬儀に参列し、彼の遺体を故郷ローディアへ運ぶフリゲート艦を見送っている。
ケノービの”死”
クローン大戦の後期、オビ=ワン・ケノービが賞金稼ぎラコ・ハーディーンによって暗殺されるという事件が起こった。実は、クライズを含むジェダイ評議会以外の人々は知らなかったが、これはケノービによる偽装工作だったのだ。そのため、サティーンはケノービの葬儀にも参列し、彼の棺が墓の中へと沈むとき、彼女は涙を流したのだった。
失脚
その後のあるとき、サティーンはシャドウ・コレクティヴと呼ばれる犯罪組織が都市の様々な場所を攻撃しているという報告を受け、即座にデス・ウォッチの犯行を疑った。彼女は宮殿の外に集まった民衆を静めようと努力するが、そのとき彼女の前にプレ・ヴィズラが現れ、自分たちは攻撃者ではないこと、そして犯罪者を倒し、根絶することを約束する。その後、クライズは追放され、刑務所へ連行された。彼女はアルメックの独房の隣室に収監されたのである。そしてその直後、ヴィズラの元同盟者であるダース・モールとサヴァージ・オプレスが彼女の独房の前に現れ、他に政治犯はいないかと尋ねた。サティーンの間接的な言葉から、シスの兄弟はアルメックを傀儡の首相に選ぶ。そして、モールはデス・ウォッチの支配を賭けてヴィズラに挑み、彼を倒したのだった。アルメックは首相に返り咲き、サティーンがヴィズラを殺害したと宣言してマンダロリアンの民衆たちを欺いたのである。
逮捕からしばらく経った後、コーキーたちサティーンの忠実な支持者が、彼女の妹でありモールを裏切ったデス・ウォッチの元副官ボ=カターン・クライズと手を組み、彼女を刑務所から解放した。彼らはサンダリの郊外にまでたどり着き、オビ=ワン・ケノービに助けを求めるメッセージを送信するが、再び捕えられてしまう。その後、ケノービがデス・ウォッチの兵士に変装し、サンダリに侵入したのだった。ケノービはサティーンを連れて刑務所から逃走するが、彼らは見つかってしまい、既に修理が必要な状態だったケノービの脱出用の船<トワイライト>もデス・ウォッチのジェットパックから発射された3発のミサイルによって致命的なダメージを受けてしまう。サティーンとケノービは船を放棄せざるを得ず、捕えられたのだった。そして、モールは彼らを玉座の間へ連れて行き、フォースでサティーンの首を絞めた後、ケノービを苦しめるために彼女をダークセイバーで刺殺したのである。サティーンは最後の力を振り絞り、ケノービに永遠の愛を告白したのだった。
旧文化の復活
サティーンは戦争におけるマンダロアの中立と平和を維持するために努力しつづけたが、この彼女の生涯にわたる仕事は最終的に成功を見ることがなかった。ヤヴィンの戦いの20年前、元ARCトルーパーのアルファ02がマンダロアに現れたとき、彼女の生前の努力は頓挫させられることになる。このときスパーと名を変えていたアルファ02は、共和国グランド・アーミーから逃亡した脱走兵だった。彼はマンダロアで現地の警察官フェン・シャイサと会い、ジャンゴ・フェットの後継者として働くよう説得されたのである。新たなるマンダロアに就任したシャイサはマンダロア・ザ・リザレクターを名乗り、新マンダロリアンに勝利した。スパーはマンダロリアン・プロテクターと呼ばれるスーパーコマンドーの新しい軍隊を創設し、彼らの先端文化にマンダロリアンの戦士道を取り戻したのだ。そして彼は独立星系連合に加わり、彼が敵と見なす銀河共和国と対立したのである。
人物と特徴
サティーン・クライズ公爵は頑固な平和主義者であり、平和のための戦いについても、不快で矛盾したものだと考えていた。彼女は平和に身を委ね、デス・ウォッチ、戦争、そしてジェダイの信念の一部にさえも反対していたのである。彼女は平和主義者だが、体内に不活性剤を保持しており、自分自身を守ることを恐れてはいなかった。彼女の信念に従えば、交渉の際に武器を持つものは平和を求めていないのだ。こうした信念から、サティーンはジェダイが自ら戦争に向かっていくことも快く思っていなかった。それは彼らが反対していたはずのことすべてなのである。