RC-1262
(デルタ62から転送)
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RC-1262、別名デルタ62、非公式な愛称スコーチは、マンダロリアンの賞金稼ぎジャンゴ・フェットのクローンである。ヤヴィンの戦いの32年前、水の惑星カミーノで生まれたスコーチは、マンダロリアン・カイヴァル・ダーの訓練教官、ウォロン・ヴァウから訓練を受け、共和国グランド・アーミーのクローン・コマンドーとなった。他の3人のコマンドーと共に、スコーチはエリート特別部隊とされるデルタ分隊に所属し、分隊の破壊および爆破エキスパートとして活躍した。銀河共和国と独立星系連合との間でクローン大戦が勃発すると、スコーチは共和国グランド・アーミーでジェダイ将軍アーリガン・ゼイ配下の特別作戦ブリゲードに配属され、デルタ分隊のクローンの兄弟たちと共に、ジオノーシスの砂漠、アクラメーターI級アサルト・シップ<プロセキューター>、コルサントの街道から、マイギートーの雪原、ハーガブの草原にいたるまで、数多くの戦場で戦った。生まれ持っての冗談好きなスコーチは戦闘の最中でも気の効いた皮肉に事欠かず、分隊仲間の緊張をほぐすのに役立つことが多かった。やがて共和国が銀河帝国へと再編されると、スコーチとデルタ分隊の他のメンバー(ただし、クローン大戦末期にキャッシークでやむなく見捨てられたセヴを除く)は新しい帝国軍の一員となり、第501大隊の特別部隊、帝国コマンドー特別部隊の隊員としてクローンの脱走兵や、逃亡中のジェダイ・ナイトおよびその支持者たちの追跡を行ったのだった。
目次 |
経歴
初期の人生と訓練
ヤヴィンの戦いの32年前、RC-1262は水の惑星カミーノのティポカ・シティにあったクローン製造施設で誕生した。マンダロリアンの賞金稼ぎジャンゴ・フェットのクローンであるRC-1262は、共和国グランド・アーミーのクローン・コマンドーとして製造され、マンダロリアン・カイヴァル・ダーの訓練教官、ウォロン・ヴァウのもとで訓練を受けたのだった。このときの爆発事故によって、RC-1262とヴァウは共にしばらくの間、眉毛を失ってしまい、そのことから彼は「スコーチ」の愛称で呼ばれるようになった。その後、スコーチは仲間のトルーパー・フィクサー、セヴと共に、カミーノアンによって設立された最初のコマンドー部隊、デルタ分隊に配属され、クローン・サージェント・ボスの指揮下に置かれたのだった。スコーチは爆弾の取り扱いに熟練していたことから、デルタ分隊における事実上の爆弾技術者となった。また彼はその陽気な性格から、共和国クローン軍製造計画の責任者トーン・ウィーによって、分隊の「心と魂」と称されたのだった。
ジオノーシス
ヤヴィンの戦いの22年前、ついに共和国グランド・アーミーが動き出した。ジェダイ・グランド・マスター・ヨーダが、ジェダイ・ナイト・オビ=ワン・ケノービ、そのパダワン・アナキン・スカイウォーカー、そしてパドメ・アミダラ議員を救出するため、この軍隊を従えてアウター・リムの惑星ジオノーシスへ向かったのである。スコーチとデルタ分隊にとってジオノーシスへの派遣はあまりにも急な命令だったため、彼らはヴァウ教官に別れの挨拶をすることもできずに出発したのだった。デルタ分隊に与えられた任務はジオノーシアンの大公ポグル・ザ・レッサーの副官、サン・ファクの暗殺だった。4人のコマンドーは各自別々のLAAT/iガンシップに分かれて搭乗し、ジオノーシスの地上で合流する予定だった。スコーチはボスと最初に合流し、2人は会合地点を目指す。その途中、彼らは同じく会合地点を目指していたフィクサーと合流し、最後に目的地で既に待っていたセヴと合流した。そしてデルタ分隊は司令センターのサン・ファクを襲撃するが、ジオノーシアンのリーダーはこの奇襲を逃れ、脱出してしまう。分隊はジオノーシアン・カタコンベの中でファクを追跡し、プライベート・ハンガーで彼を追い詰めるが、ファクは専用戦闘機での逃亡を試みたのだった。だが、この逃亡計画はセヴの絶妙な行動によって阻止されることになる。セヴはスナイパー装備を付けたDC-17mブラスター・ライフルで戦闘機を撃墜し、ファクを殺害したのだった。その後、スコーチとデルタ分隊はクローン・アドバイザー・CC-01/425から、仲間のコマンドー部隊、シータ分隊が失敗した任務を引き継ぐよう命じられる。すなわち、地下ドロイド工場の破壊である。コマンドーたちは工場へ侵入し、それを破壊するのに十分なダメージを与えられる構造上の弱点を狙ったのだった。
ドロイド工場を破壊した後、デルタ分隊は新しい命令、ルクレハルク級コア・シップへ侵入する任務を与えられた。クローン・パイロット・デルタ42が操縦するLAAT/iガンシップから渓谷付近に展開したデルタ分隊は、着陸したガンシップの複合ビーム・タレットで立ちはだかる敵のジオノーシアンを払いのけ、コア・シップを目指した。だがその途中、分隊は対空キャノンの破壊を指示される。スコーチらは多数のB1バトル・ドロイド、B2スーパー・バトル・ドロイドと戦い、最終的に巨大な対空砲塔を壊滅させたのだった。そしてようやくコア・シップに到着した彼らは、A-DSD高性能型ドワーフ・スパイダー・ドロイドによる抵抗と、船の入り口を塞ぐレイ・シールドに遭遇した。4人のコマンドーは苦戦を強いられたが、スパイダー・ドロイドをすべて破壊し、レイ・シールドに守られた入り口を吹き飛ばすべく、航空支援を要請する。そして船内に突入したデルタ分隊は再び別行動をとり、各自が船内の重要なシステムを個別に破壊していった。スコーチの狙いはコア・シップの冷却用吸気バルブだった。スコーチとフィクサーは数体のドロイディカによる激しい砲火に晒されるが、援護に駆け付けたセヴとボスに助けられる。だが、彼らの最重要目的は艦橋に保管された極めて重要な発進コードを入手することだった。艦橋に入ったデルタ分隊は多数のバトル・ドロイドと固定式自動砲塔からの集中攻撃を受けるが、辛うじてコードの入手に成功し、分岐した回廊を経て艦橋から脱出することができた。また、このとき既にコア・シップへの破壊工作も完了しており、いくつかの重要なシステムが過負荷を起こしていた。もはや突入時の経路をたどって脱出する時間は残されていなかったが、このときLAAT/iガンシップが船の外壁を吹き飛ばして突破口を開き、デルタ中隊を回収したのである。
ジオノーシスの戦いはスコーチとデルタ分隊の兄弟たちが経験した初めての実戦だったが、同時にこれはクローン大戦の始まりでしかなかった。デルタ分隊は1人の犠牲者も出さず、しかも無傷でジオノーシスから帰還したごく僅かな共和国コマンドー分隊の1つである。事実この戦いで、4,982人の他のコマンドーたちがこの惑星の赤い砂の中に散ったのだった。
<プロセキューター>への任務
クローン大戦の勃発から367日が経過したジオノーシスの戦いの2回目の記念日の前のある日、スコーチとデルタ分隊はアクラメーターI級アサルト・シップ<プロセキューター>の調査任務を命じられた。コレリアン・セクターの交易ルート防衛任務の間、2週間にわたって行方不明となっていた<プロセキューター>がチェイキン星団で再び姿を現し、動力または通信能力を失った状態で漂流しているところを発見されたのだ。デルタ分隊は戦争の初期に、ここが第二の故郷と思えるようになるほどの長い時間をこの大型艦船で過ごすことになる。CR25兵員キャリアーでコーヴァンティス星系の現場に到着した彼らは、<プロセキューター>の4つのデータ・コアから航行記録を回収し、この遺棄されたアサルト・シップを保護する任務を与えられた。スコーチの役目はこの船の右舷データ・コアから情報を回収することだった。
デルタ分隊の4人のメンバーはCR25から宇宙の真空へ飛び出し、それぞれ異なる場所から<プロセキューター>へ侵入した。だがその直後に通信が妨害され、再び分隊の支援を行っていたCC-01/425との交信が途絶えてしまう。そして船内を捜索していたデルタ分隊は数名の生存者を発見するが、廃品回収ドロイドに攻撃されたのだった。スコーチはドロイドによる奇襲を受け、気絶させられてしまう。その直後、セヴが右舷データ・コアに捕えられると、分隊は<プロセキューター>がトランドーシャンの奴隷商人と傭兵たちによって攻撃されていることに気付いた。セヴはトランドーシャンに痛めつけられ、尋問されたのである。その後、ボスとフィクサーが彼を救助するため、重武装かつ重防備のトランドーシャンの傭兵たちと戦闘を開始した。そしてセヴが解放されると、3人は<プロセキューター>の拘留エリアに捕えられているスコーチの救出へと向かう。拘留エリアでの短い戦闘の後、デルタ分隊は気を失ったスコーチを発見し、意識を回復させることに成功したのだった。彼らは艦橋へ向かって独立星系連合の通信妨害装置を破壊し、アドバイザーとの通信を復活させたのである。
簡易なスキャン結果から、トランドーシャン・ドロップシップが<プロセキューター>のハンガー・ベイに着床していることが明らかになった。そして拘留センターでターボリフトに仕掛けられたブービートラップに掛った後、ハンガーへ向かっていたスコーチたちは、ルクレハルク級バトルシップが星系内に姿を現し、高速で<プロセキューター>に接近中であることに気付いたのだった。アドバイザーが援軍を要請すると同時に、デルタ分隊は船に乗り込んできたドロイド部隊を撃退し、アサルト・シップのハンガーを封鎖した。だがスコーチたちが到達する前に、最後のハンガーはドロイドによって制圧されてしまい、コマンドー部隊はドロイドの脅威に対処するため、AT-TEウォーカーに搭載されたマス=ドライバー・キャノンを使用しなければならなかった。ドロイド部隊を失った分離主義勢力の戦艦は、これ以上の犠牲を抑えるため、敵の援軍が到着する前に共和国の戦艦を破壊しようと決意し、<プロセキューター>への砲撃を開始した。既に乗りこんでいるドロイドからの絶え間ない攻撃の最中、デルタ分隊は敵艦を阻むため<プロセキューター>のターボレーザー砲塔をオンラインに戻そうと奮闘する。そしてついに共和国宇宙軍のトールボット艦長とアクラメーターI級アサルト・シップ<アレスター>が、CC-01/425の援軍要請に応じた共和国の唯一の増援部隊として到着したのだった。<プロセキューター>は疲弊していたが、<アレスター>の加勢によって共和国部隊は連合軍のドロイド司令船を破壊することに成功する。船内のバトル・ドロイドはすべて停止し、船とデルタ分隊の命は救われたのだった。その後、スコーチらはジェダイ最高将軍メイス・ウィンドゥから<プロセキューター>での活躍を賞賛され、彼らが回収したデータはキャッシーク星系でトランドーシャンの奴隷事業と戦うウーキーたちに役立ったのである。
テロとの戦い
スコーチとデルタ分隊は捕獲したニモイディアンのシャトルに乗って<プロセキューター>を離れた。その直後、彼らは友軍のオメガ分隊から、共和国グランド・アーミーの即時召集要請コード、レッド・ゼロ・シグナルを受信する。オメガ分隊の乗るガイザーL-6貨物船がコレリアン交易スパインとパーレミアン交易ルートの交差点にあたるケラリア星系で座礁しており、デルタ分隊が彼らに最も近く、最初にオメガ分隊と彼らが逮捕した3人の囚人、ムトラリィ、ガイスク、ファー・オージャルを回収できる位置にいたのである。スコーチは奪ったシャトルから出動し、オメガ分隊の貨物船の前部ビューポートを切り裂いた。彼はそこにドッキング・チューブを接続し、仲間のコマンドーと囚人のテロリストたちをデルタ分隊のシャトルへと移送したのである。無事シャトルに帰還したデルタ分隊とオメガ分隊はアクラメーターI級アサルト・シップ<フィアレス>に収容され、コルサントへと戻ったのだった。
コルサントで、スコーチとデルタ分隊の仲間たちは元カイヴァル・ダーのカル・スキラータ軍曹から、この惑星で行われる極秘の軍事任務のため召集された。この数週間前にコルサントで多数のテロリストによる共和国軍事施設への攻撃が行われ、スキラータはテロリストの容疑者たちへ秘密裏に報復を行う手立てを考案していたのである。スコーチとデルタ分隊は、オメガ分隊、デルタ分隊の元訓練教官ウォロン・ヴァウ、ナル級ARCトルーパー・オードーとメリール、ジェダイ将軍バーダン・ジャシクとエテイン・ター=ミューカンらと共に、コルサントのエンターテイメント地区へ向かい、ハットが所有する不穏な酒場、キビューズ・ハットから、テロリストたちの居場所に関する調査を開始したのだった。デルタ分隊のセヴとオメガ分隊のアーティーンとの間には因縁があったが、両分隊は互いに尊重しあうようになった。キビュー・ザ・ハットの犯罪連絡員を使い、高出力サーマル・プラストイド爆弾の軍需品を売り出したいという口実のもと、対テロリスト襲撃チームは標的を誘い出すことに成功する。そしてスキラータが襲撃チームの表の顔としてリーダーのペライヴを含めたテロ組織のメンバーたちと接触する間、スコーチとセヴはオメガ分隊のダーマンとファイとチームを組み、スキラータが個人的に所有するヴァーパイン・スナイパー・ライフルを使った特別設計の追跡装置でテロリストたちの後を追ったのだった。スキラータとテロリストのリーダー、ペライヴとの話し合いが終わり、爆弾の販売時期が決まると、デルタ分隊は襲撃チームの他のメンバーたちとキビューの酒場で盛り上がり、楽しい夕方の時間を費やした。しかしこの酒宴はペライヴが取引時間を繰り上げ、決めていた場所を変えると通告してきたため、打ち切られてしまう。だが幸いにして、新しい取引場所はギャラクティック・シティのF-76象限にあるコルフレッシュ生産配送センターだった。ここはデルタ分隊が早期に調査を行った場所だったのだ。
到着後、分隊は別行動をとった。スコーチはボスと共に留まって配送センターの滑走路を見張り、一方でセヴは、オードー、フィクサー、アーティーンとチームを組んだ。そして、スキラータとジャシクがテロリストに爆弾をわたし、計画通りエリア一帯を確保すると、集まった兵士たちが照明を破壊し、屋根をはじめとするあらゆる方向から攻撃を開始したのである。デルタ分隊は、爆弾を積んだリパルサー・トラックで逃走しようとするテロリストたちを麻痺させ、自暴自棄での自爆を阻止した。このときスコーチがグレネードで負傷したが、デルタ分隊の爆破工作員はよろめいただけだった。そしてテロリストが全滅したことを確認すると、スコーチたちは最後の夜に向けてキビューズ・ハットへ戻り、コルサント保安部隊スタッフと社交クラブのゲストとして晩餐会を楽しんだのである。だがそのちょうど6日後、デルタ分隊は任務に戻され、スキューマへと派遣された。彼らはメインとなる共和国の攻撃に先だって、戦術目標への破壊工作などからなる戦闘支援の任務を命じられたのだった。
マイギートー
ジオノーシスの戦いから470日後、デルタ分隊はアウター・リムの惑星マイギートーに派遣されていた。分隊に与えられた任務は、クローン・マーシャル・コマンダー・バカラとギャラクティック・マリーンによる本格的な攻撃への準備段階として空爆を行い、都市ジャイガット近郊のマイギータン地上防衛網を破壊しておくことだった。デルタ分隊は指示通りに任務を遂行し、想定通りに脱出したが、スコーチと他のコマンドーたちは元訓練教官ヴァウの個人的な任務を支援することになる。その1つは、マイギートーが所有するドレッシアン・キオルシュ商業銀行から金を盗み出すことだった。スコーチはメインの金庫室に侵入し、その間、ボスとセヴは近くで待機し、フィクサーがスノースピーダーから地上を監視していた。だが内部に入ると、ヴァウは強盗行為に直接関与することで自分の教え子たちの高潔さに傷がつくことを心配し、自分への手助けを拒否した。スコーチが元訓練教官の過去を知ったのもこのときだった。ヴァウは相続権を奪われたアーメニューの貴族であり、この強盗の目的は父と母が分配を拒否した彼への遺産を取り戻すことだったのだ。ヴァウはデルタ分隊に、ここを立ち去り、自分たちの任務に戻るよう命じた。だが分隊はそれを拒否し、彼がもはや訓練教官ではなく、単なる民間人であることを告げると、ヴァウとそのストリル、ロード・マーダランが銀行から盗み出した盗品の運搬を手伝ったのだった。
銀行の警報の1つが起動されると、彼らの脱出は複雑な状況に陥った。フィクサーはスノースピーダーで合流地点に近づくが、デルタ分隊とヴァウは脱出するためにムーンの武装パトロール隊やバトル・ドロイドと戦わなければならなかった。戦闘の間、ヴァウは氷の穴に落下し、マイギートーの氷の地表の下を走る無数のクリスタル=ワームのトンネルの1つへ滑り落ちてしまう。デルタ分隊は彼の救助を決意したが、ヴァウは自分を見捨てて逃げろと強く命令したのだった。激しい葛藤の末、デルタ分隊は命令に従い、マイギートーを脱出するが、彼らは元訓練教官を見捨てたという事実から、いくつかの困難に直面することになる。だが惑星を離れたボスがヴァウの状況について報告するため、カル・スキラータとナル・キャプテン・オードーに連絡を入れると、2人は即座にマイギートーへ向かい、氷の下から低温症だが辛うじて生きているヴァウを助け出すことができた。セヴは自分が元教官を裏切ってしまったと信じており、この事件を個人的な失敗だと見なしていたが、スコーチが落ち込む兄弟を元気づける役目を引き受けたのである。
コー・サイの追跡
マイギートーからコルサントに帰還したデルタ分隊は、特別作戦ブリゲート本部で特別部隊長官のジェダイ将軍アーリガン・ゼイから聴取を受けた。その後、ゼイは彼らに最新の命令を伝える。パルパティーン最高議長が、裏切り者のカミーノアンの科学者であり、カミーノの元主任科学者であるコー・サイの逮捕を命じたのだ。パルパティーンは、熟練のクローン・マスターが共和国の統制下にあるティポカ・シティから離れていること、そして何よりも、彼女の持つ専門知識が分離主義勢力の手に渡ることに危機感を抱いており、彼女の拘束が独立星系連合のドロイド軍最高司令官グリーヴァス将軍の捜索とほぼ同じくらい重要なことだと判断していたのだった。そこで彼はゼイに、最も優秀な分隊をこの任務に就かせるよう指示し、その結果デルタ分隊が選ばれたのである。コー・サイはカミーノの戦いの間に姿を消しており、カミーノのラマ・スー首相は彼女が独立星系連合に亡命したのだと推測していた。彼女の失踪からデルタ分隊による奪回任務までの間にかなりの月日が経過していたが、カミーノアンの諜報部隊は彼女が惑星ヴェイネイへ向かったことを突き止めることができた。だがゼイはデルタ分隊に、この任務のことをカル・スキラータには知らせないよう指示する。彼はこのマンダロリアンがカミーノアンを強く嫌悪していることを知っていたのだ。また、デルタ分隊には知らされていなかったが、スキラータも既にコー・サイを追っていた。ただし彼の目的は個人的なものであり、このカミーノアンの科学者を利用して、共和国グランド・アーミーの何百万ものクローンたちを悩ませる加齢の加速を止める方法を見つけ出そうとしていたのである。
デルタ分隊はカミーノアン諜報部の報告に従ってヴェイネイへ向かい、その後アクアリスを経てハット・スペースの惑星ダ・スーチャの第4衛星ナプデュへとたどり着いた。ナプデュのナー・ヘジ輸送会社で入手したファイルから、デルタ分隊はコー・サイの足取りパターンを読むことができ、ティングル・アームへ向かってアウター・リム全域にある無数の海洋惑星で彼女を追跡することができたのだった。だが、共和国グランド・アーミーの航行阻止船(TIV)でナプデュを発ったとき、分隊はクラッシャー級スターファイターによる攻撃に晒された。彼らは追われたままダ・スーチャ第3衛星の地上に着陸する。ボスがTIVのレーザー・キャノンでクラッシャーの1機の翼を吹き飛ばし、スコーチとセヴが戦闘機の瓦礫を攻撃した。そしてセヴが女性パイロットと男性副操縦士を殺害するが、その後フィクサーが戦闘機のコンピューターにアクセスし、この2人がコー・サイを追うためカミーノアンに雇われた賞金稼ぎだったことを知ったのだった。その後、デルタ分隊はナー・ヘジ輸送会社から入手したデータを使い、ボグ4でトゥイレックのパイロット、レブ・チュラを追った。彼らはバーダン・ジャシク将軍と共にコー・サイの居場所についてチュラを尋問する。チュラはアーカニアからドルーマまでクローニング物資を運んでいたが、このトゥイレックは既にスキラータとヴァウにこの情報を伝えていたのである。ジャシクはスキラータと彼の行動を秘密にするためチュラにマインド・トリックを使い、このときのスキラータとヴァウは明らかに金色と黒色の装甲服を着ていたが、彼にこのマンダロリアンたちが緑色の装甲服を着ていたという記憶を植え付けた。また、チュラがドルーマのトロピクス・アイランド・リゾート付近の場所に荷物を運んでいたことを知ると、ジャシクはデルタ分隊とスキラータたち双方のパイロットの記憶を消し、データパッドの記録も消去したのだった。
だが、デルタ分隊はSCUBAトルーパー・アーマーを手に入れ、リゾート惑星ドルーマへと向かった。彼らはそこで、自分たちをトロピクスの隣にあるアクションワールド島の崩壊した地下エリアへと導いてくれる監視役を集めるため、公共整備クルーとして行動したのだった。そして調査の中で分隊は水中に潜り(これはスコーチにとって驚くべき経験だった)、水面下で鎖に縛られた人間の白骨死体と、以前コー・サイが所有していた施設へ通じる崩壊した入り口を発見する。先に到着したスキラータの一行が、カミーノアンの科学者を捕えて研究所を破壊し、彼女を惑星マンダロアにあるスキラータの家へ連れ去っていたのだ。一方、分隊はゆっくりと研究所の残骸を発掘するよう指示を受けていた。そしてあるとき、彼らは隙間にストリップ=カムを差し込むことに成功し、コー・サイに雇われたマンダロリアンのボディガードの武装した死体を発見する。デルタ分隊はその後も数週間にわたって発掘作業を続け、これ以上何も証拠を発見することができなかったが、ジャシク将軍がスキラータを密かに支援するため不在にしていた間も、彼に揺るぎない忠誠心を維持していた。そしてクローン大戦の勃発から548日後、彼らはコルサントの特別作戦ブリゲードに呼び戻され、そこでカル・スキラータと顔を合わすことになる。スキラータはセヴに包みを渡し、ゼイ将軍に渡すよう告げた。その中には切断されたコー・サイの首が入っていたのである。裏切り者のカミーノアンはマンダロアでの監禁中に自殺し、検死によってバラバラにされていたのだった。
戦争での疲れ
ジオノーシスの戦いから736日後(クローン大戦の2回目の開戦記念日)、デルタ分隊はコルサントのアーカ・カンパニー兵舎で次の任務の割り当てを待っていた。そこでスコーチは、兵舎の観兵式に出席していたカイヴァル・ダーの教官たち、カル・スキラータとウォロン・ヴァウとの会合を慎重にスパイする。だが当初、セヴはそれに関心を示さなかった。彼はコー・サイのことや、スキラータがクローンのために追求した加齢加速の治療法の可能性について、スパイスの効いたウォーラ・ナッツを楽しみながら議論することを好んでいたのである。だがその後、彼もすぐにスコーチに加わった。このとき2人のマンダロリアンは、死んだ僚友や愛する者たちの名誉を称えるため、マンダロリアンの慣習に基づいて死亡したクローン・コマンドーたちの名を読み上げている最中だった。スコーチとセヴも式典で2人の教官に加わり、集まった他の多くのクローン・コマンドーと共に名前のリストを読み上げた。そしてリストが終わりに達すると、スキラータは集まった兵士たちに激励の言葉をかけ、集まった全員が自分の孫の成長を見守れるよう、無事でいられることを願ったのである。やがて群衆が散会すると、スコーチは元訓練教官に目を向け、ヴァウとスキラータが仲間の元マンダロリアン・カイヴァル・ダーの教官、ミジュ・ギラマー、ウェイド・テイハイと話し合っているのを見届けたが、クローン・コマンドーにはその会話の内容までは分からなかった。
そして数ヵ月後、戦争開始からおよそ970日が経過したとき、デルタ分隊は分離主義勢力と同盟を結ぶミッド・リムの惑星ハーガブにいた。当初、ハーガブではジェダイ将軍ムラスクと共和国グランド・アーミー第85歩兵ブリゲードが作戦を展開していたが、この荒涼とした僻地の惑星にいた共和国コマンドーは、元分離主義勢力マウジャシの重要な指導者、ジョラクの暗殺任務のために送り込まれたオメガ分隊だけだった。だが時が経つにつれ、共和国はさらに多くの部隊をハーガブに派遣するようになり、デルタ分隊も不愉快ながらすぐに彼らに加わったのである。コマンドー・グループ・ゼロ・ファイヴの指揮官、エテイン・ター=ミューカン将軍が現地視察に訪れたとき、スコーチとデルタ分隊はハーガブの都市ハッディの郊外にある共和国基地の食堂で、他の多くのクローン・トルーパーたちと共に食事をしていた。そしてデルタ分隊がテーブルで食事をし、スコーチがグランド・アーミーでの生活について不満を募らせていると話すと、基地が都市境界線内から発射されたミサイルによる攻撃を受けた。多くの兵士が爆発とその破片によって死傷したが、デルタ分隊は頑丈なカターン級コマンドー・アーマーのおかげで重傷を追わずに済んだ。スコーチは後方へ投げ飛ばされ、テーブルの下敷きとなる。常に安全だと思われていた場所が攻撃されたことによるショックと、多くのクローンが死傷した光景は、いつも陽気だったスコーチに怒りを掻き立たせた。デルタ分隊は、オメガ分隊、ター=ミューカン将軍、そして第85および第14歩兵ブリゲードの隊員たちと共に、抵抗部隊への激しい反撃を開始する。彼らがミサイルの発射地点に到着すると、スコーチは襲撃のための強襲チームの一員になると志願した。一方、デルタ分隊の他のメンバーたちは別の場所からの攻撃の可能性に備え、保安チームとして待機した。オメガ分隊のダーマンがブリーチング・グレネードでドアを吹き飛ばし、スコーチがもう1個のグレネードを入口に投げ込むと、それに続いてアーティーンとコーア(ガフティカーの戦いで脳挫傷を負ったオメガ分隊のファイの交代要員)が中へ突入する。そして銃撃戦の末、4人の反逆者が拘束され、3人が死亡した。しかし、スコーチには敵の死だけでは不十分だった。激怒したコマンドーは反逆者の死体を路地に引きずり出し、ブラスター砲火で滅多撃ちにすると、焼け焦げた死体に唾を吐いたのである。その後、ター=ミューカン将軍がスコーチと話し合い、フォースで彼の心を落ち着かせたのだった。
キャッシーク
ジオノーシスの戦いからおよそ1,070日後、デルタ分隊はミタラノア・セクターのウーキーの故郷、キャッシークに派遣された。分離主義勢力に後押しされたトランドーシャンの奴隷商人による侵略の後、ウーキーの部族長ターフルが囚人として捕えられたのだ。ターフルは長年にわたってトランドーシャンの奴隷貿易組織と戦闘を続けており、彼を失ったウーキーが共和国に支援を求めてきたのである。これに応じて、ターフルを解放するためデルタ分隊がキャッシークに動員された。スコーチらはLAAT/iガンシップで密かにキャッシークに潜入し、惑星の地上へと降る。彼らはトランドーシャンの奴隷キャンプを襲撃し、多数のウーキーを救出したが、ターフルを捕えていたのはグリーヴァス将軍だった。だが、デルタ分隊は将軍の2体のIG-100マグナガードを倒し、グリーヴァスを強襲すると、彼を戦闘機でキャッシークから逃走させたのだった。
その後、デルタ分隊は別のトランドーシャン・キャンプを壊滅させ、ウーキーの村カチャーホの近くの橋へと移動した。やがて彼らはアーリガン・ゼイ将軍の命令でエテイン・ター=ミューカン将軍と合流する。ゼイは彼女がこの任務に有益な存在であると信じていたのだ。ター=ミューカンは分隊にこの橋の重要性を示し、その破壊を命じる。橋が破壊されれば分離主義勢力は補給線を失うことになり、一方でウーキーたちはその損失を補う小さな橋を建造できるが、連合のバトル・ドロイドにはそれができないのだ。デルタ分隊は占拠された市場コンコースへ向かい、多数のトランドーシャンの手榴弾兵、重装備の傭兵、高性能型スパイダー・ドロイド、その他無数のバトル・ドロイドと戦いながらカチャーホ橋に到達した。そこで彼らは橋の最も弱い中央部に爆弾を設置する。しかしボスが爆弾を起動させると、それは不発弾だった。そこでスコーチがとっさに女性ウーキーからロケット・ランチャーを拝借し、橋を破壊したのである。そして13日後、コルサントがグリーヴァス将軍の攻撃を受けている間も、デルタ分隊はキャッシークで戦い続けていた。分離主義勢力のドロイド・パトロールへの奇襲を準備している間も、スコーチとセヴはコルサントからのコムリンク通信に耳を傾け、インナー・リムのコマンドーたちだけがコード・ファイヴ、すなわちコルサントへの即時帰還命令を受け取ったことを知る。ター=ミューカン将軍が共和国の包囲された首都に残してきた愛する者たちについて心配を口にすると、デルタ分隊は彼女を慰めた。そして彼女が息子の存在を明かすと、彼らはそれを秘密にすると約束したのである。バトル・ドロイドのパトロール部隊はウーキーの作った落とし穴に落ちたが、デルタ分隊とター=ミューカンはロシールの木の周辺でトランドーシャンの小規模な偵察隊を待ち伏せし、肉食性植物の餌食となった彼らの死体を処分したのだった。
コルサント上空の危機から5日後、デルタ分隊はボズ・ピティから到着したジェダイ将軍クインラン・ヴォスとキャッシークで合流した。さらにヨーダ将軍も第41エリート・コープスとウーキーの部族長ターフルを伴って惑星へ向かっており、30標準分以内に到着する予定だった。だが、レキュザント級ライト・デストロイヤーがヨーダのヴェネター級スター・デストロイヤーを攻撃し、追加地上部隊の降下を阻止しようとしていたのである。ター=ミューカン将軍から優しい甘言を与えられたデルタ分隊は、分離主義勢力のターボレーザー砲塔施設に侵入し、その火力を奪ってレキュザント級ライト・デストロイヤーの破壊を試みた。クローン・コマンダー・グリーは別の着陸地点を検討していたが、それらは再移動するにも主戦場から離れすぎており、現実的ではなかったのだ。そこでデルタ分隊は各自1基ずつのターボレーザー・タレットを取り、コマース・ギルドのデストロイヤーへの砲撃を開始する。ヴォス将軍のLAAT/iガンシップ部隊もこの攻撃に参加した。そして大ダメージを負ったレキュザント級デストロイヤーが降下しはじめると、デルタ分隊は早急な退却を計画したが、セヴが多数の敵から攻撃を受けていると報告する。ボスは分隊のメンバーたちにセヴの援護に戻るよう命じたが、ヴォス将軍の前線航空制御官はヨーダ将軍直々の命令として退却を指示した。スコーチは涙ながらに抗議するが、ボスは彼を命令に従わせ、残り3人のメンバーもセヴに対して初めての謝罪をしながら、彼らを回収に来たガンシップに乗り込んだのだった。その後、ガンシップ上でアドバイザー・CC-01/425がホログラムで姿を現し、彼らに指示に従うようにと命令する。そして彼が大規模作戦にコマンドーの犠牲は付き物だと告げると、スコーチは大声でセヴは兄弟だと叫んだのだった。その後、アドバイザーが彼らにヨーダ将軍からのメッセージを転送した。ヨーダはデルタ分隊の働きによって共和国がカチャーホに前線司令本部を築くことができたと告げ、彼らにキャッシーク解放に向けた新しい任務を与えたのである。
帝国軍での軍役
共和国によるキャッシークでの軍事行動が終わり、ジェダイを共和国に対する反逆者と見なして発見され次第処刑を命じるオーダー66が発令されると、程なくしてクローン大戦は終結した。旧共和国は皇帝となったパルパティーンによる主導のもと、新生銀河帝国へと再編されたのである。ジオノーシスの戦いからおよそ1,100日後、デルタ分隊の残り3人のメンバーはコルサントの衛星の1つ、センタックス2の帝国地上軍訓練センターにいた。ここはパルパティーンが製造したスパーティ・クローニング・シリンダーによる第2クローン軍の秘密の配備場所だった。そこでもデルタ分隊はまだセヴの死を嘆き続けていたのである。特に、オメガ分隊のメンバー、アーティーンとコーアが共和国グランド・アーミーから逃亡し、ダーマンとナイナーが新設された帝国地上軍でデルタ分隊に加わったという事実に直面したとき、彼らはその悲しみに拍車をかけたのだった。なぜなら、ダーマンが瀕死の重傷を負ったナイナーを残して自分だけがデルタ分隊に入隊することを拒んだからである。そして新帝国の樹立から3週間後、スコーチの激しい憤慨と共にセヴの代わりとなる新しいメンバーを迎え入れたデルタ分隊は、コルサントの第501大隊本部に召集された。そこでは他の元共和国コマンドーや上級偵察コマンドーたちが、ダース・ヴェイダーをはじめとする軍高官たちの前に集められていた。ヴェイダーは共和国の旧特殊部隊の兵士たちを帝国軍第501大隊に所属するエリート部隊、帝国コマンドー特殊部隊へと再編し、オーダー66を逃れたジェダイ、クローンの逃亡兵、ジェダイの支持者、その他帝国に対する抵抗勢力を討伐する任務を与えたのである。彼らは識別番号の「RC」を新しい帝国コマンドーを表す「IC」に置き換えられ、分隊名もそれまでとは異なる、旧オメガ分隊のスクワッド40のような数字的な名称に変えられたのだった。当初、帝国コマンドー特殊部隊は皇帝の手、サ・キューズの指揮下に置かれていたが、キューズが死亡すると、すべてのフォース・ユーザーに激しい憎しみを抱くドロマンド・カス出身の帝国軍司令官、ローリィ・メルザーの指揮下に組み入れられた。また、メルザーのジェダイとフォースを使用するすべての人々に向けられた熱烈な憎悪から、スコーチは彼に「ホーリィ・ローリィ」という愛称を付けた。実際にこの呼び名は帝国コマンドー特殊部隊の中に浸透していくことになる。
人物と特徴
スコーチはデルタ分隊の陽気な賢者であり、分隊が遭遇した状況でジョークを飛ばしたり、笑いを引き出すことを期待されることが多かった。同時に彼はデルタ分隊の爆弾技師を務める優れた兵士でもあり、彼はこの得意とする役割を心から楽しんでいた。また、スコーチには運命論とも誤解される皮肉めいた思い上がりがあり、分隊仲間のセヴとの討論に多くの時間を費やすことがあった。彼らは互いにふざけてからかい合い、兄弟間での友好的な競争心を維持していたのである。彼は背中に巨大な武器パックを背負い、リスト・ガントレットに黄色いマーキングを付けていたため、分隊の他の隊員たちと容易に見分けることができた。また彼の爆弾に対する愛情は、DC-17ブラスター・ライフルに対装甲グレネード・ランチャーを装着させたほどである。スコーチはベーシックが堪能なだけでなく、マンドア語もほぼ完全に習得していた。